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世界的な食糧危機が十数カ国で暴動を引き起こしており、多くのうろたえた世界の指
導者たちが解決策を求めて走り回る事態となっている。コメ、トウモロコシ、小麦と
いった、かつては手の届く値段だった基本的な主食の価格が驚くほど値上がりし、数
百万を上回る世界の貧しい人々が飢餓と栄養失調の危険にさらされている。これまで
食糧市場の緊急事態は、その範囲が主に地域的なものであった。今回の危機は世界中
で豊かな国貧しい国の両方に影響を与え、一時的な混乱とは程遠い。考えてみるとい
い、世界銀行によると、世界の食糧価格は過去36ヶ月のあいだに83%上昇し、2015年
までずっと高いままであると予測されているのだ。「この危機はあらゆる人に打撃を
与えているが、最もひどい打撃を受けているのは一日一ドル以下で暮らす人々だ」と、
国連の世界食糧計画(WFP)の事務局長 Josette Sheeran は述べている。気の滅入る話
だ。だか、人騒がせな見出しやこの世の終わりのようなトーク・ショーのおしゃべり
から一歩引いてみよう。広範囲な飢餓と社会的な不安が21世紀初頭の恒久的な特徴と
ならないようにするためにとるべき実際的な手段が、容易な手段とはとても言えない
が、存在するのだ。目下のところ、WFPとその他の救援機関は諸政府から緊急援助の
保証を取り付つつある。合衆国は二億ドル、日本は一億ドルの拠出を約束した。これ
は役に立つが、この危機に対する永続的な解決法ではない。必要なのはより賢明な世
界的農業政策と、より効果的ででより能率の良い耕作技術である―そしてこの両方
について、楽観的な考えを持つ理由があるのだ。この食糧危機により、食糧の貿易障
壁を弱めることを目的の一部にした世界貿易機関(WTO)の交渉を促進する決意が強ま
ったようだ。技術革新も役割を果たすことになるだろう。耕作方式の相次ぐ改良は、
とりわけアジア及びアフリカの人口密集地域において、農業生産性の大幅な向上を生
み出す可能性がある。