09/01/06 02:59:32
>>201
この絵は、どうやら収蔵品の花形であると自ら任じているようであった。描かれている
のは、思うに実物よりかなり大きな女性の姿だった。このレディは、大きさがわかり
やすいように量りにかけると、間違いなく14から16ストーンになるだろうと私は計算した。
実際、非常にふくよかな女性である。これほどの体幅と背丈、これほど豊かな筋肉、
これほど有り余る肉付きを得るために、彼女は大量の獣肉―パンや野菜や飲物
のことは言うに及ばず―を消費せねばならなかったに違いない。彼女は長椅子に
なかばもたれるように横たわっている。理由は定かではない。白昼の日ざしが彼女の
まわりに輝いているし、普通の料理人二人分の仕事ができそうなくらい彼女は丈夫で
健康にあふれているように見える。背骨が弱いなどと訴えるはずはない。彼女は立って
いるか、少なくともきちんと背を伸ばして腰掛けているべきなのだ。昼間からソファで
だらだら過ごしている場合ではない。さらに加えて、彼女はまともな衣装―きちんと
体を覆うドレスを身に着けるべきなのに、そうはなっていない。あり余るほどの生地
―織物7かける20ヤードといったところだろうか―から非効率な衣装を作ることに
彼女は成功している。それから、彼女のまわりのひどいちらかり具合については
言い訳の余地は無い。つぼや鍋―ひょっとしたら花瓶や酒杯と言うべきかもしれ
ない―が前景のあちらこちらに転がっている。まったくろくでもない花々がその
あいだに混じっていて、さらにあきれるほどの量の布幕が乱雑に長椅子を覆いつくし
床をふさいでいる。カタログを調べてみて、私はこの人目を引く作品に「クレオパトラ」
という題がついていることを発見した。