05/04/10 12:55:17 4NAOPEEm
>>266
ッジワースボックスが市場と言うとき,その"市場"というときの決め手は初期配分が個人に
割り当てられていることにある。それによって私有制を表している。
「均衡概念を導入する前にすでに市場の概念は定義されるはず」というのは
ここでいう市場が「市場」なら正しい。
独占市場なんかを考えるには生産者がいないエッジワースボッックスでは分かりに
くいが,それにあたるのは費用関数と消費者の効用関数&所得 (or 初期保有) だと
考えてくれ。このふたつがテクニカルな意味の「市場」あるいは「経済」を記述する。
この与えられた「市場」にたいして,独占とか競争的とかいろいろな《市場》を考え
られるという事実自体が,経済理論では通常の意味の《市場》を,
テクニカルな意味の「市場」と均衡概念の組み合わせで表現していることを
物語っている。たとえば,効用関数&所得が分かれば需要曲線は導ける。
費用関数が分かれば供給曲線は導ける。これらは価格と消費量あるいは生産量
の関数に過ぎず,この段階では価格は決定しない。
価格が決まるためにはどういう均衡を考えるかを決めねばならない。
・《競争市場》では需要曲線と供給曲線の交わり(競争均衡)で価格と量が決まる。
・《独占市場》では MR=MC で量が決まり,需要曲線上の対応する価格が
決まる(独占市場の均衡)。
という案配。
しかし定義の問題だからムキになる必要はない。均衡概念までふくめて
『市場』と呼びたければそうしてもいっこうに構わない。
じっさい,「市場」という言葉を避けて「経済」と呼ぶことも多い。
経済理論では,均衡概念は経済の記述自体とは離しているという事情を
言ったにすぎない。