08/08/01 22:59:00
魯迅の「狂人日記」を昔 中国出張の飛行機の中で読んだ時、
その内容の衝撃で中国での食事が出来なくなってしまいました。
内容は5歳になった妹を兄が料理して食べてしまった話です。
「妹は兄に食われてしまったのだ、母は知っていたのだろうか、俺には
わからない、母は知っていたのだろう、何も言わなかった.たぶん
当たり前のことだと思っていたのだろう。」
「4千年来、いつも人を食ってきた場所、今日やっとわかったのだが、
おれもそこで長いあいだ暮らしてきたのだ、兄が家事をきりもりしていた、
ちょうどそのとき妹は死んだのだった。彼が料理の中にまぜて、俺たちに
食わせた、4千年の食人の履歴をもっているおれ、はじめは
わからなかったが、いまはっきりとわかった」
この小説の最後は「人を食ったことのない子供なら、まだいるかも
しれない! 子供を救え・・・」で結ばれています。
「人が人を食う社会」という表現は日本人なら中国社会の苛酷をいう
比喩としてしか読めないが、中国歴史の中では、現実に繰り返し
行われてきたことであります。
魯迅は日本に留学したことによって 日本人と同じ目になっていた、
そして当たり前になっていた食人文化の連鎖を断ち切るために、
この小説を書いたのではないかと思われます。