03/07/08 21:30
どう見えたかを再現しようとするのでなく、立体がどのように組み立てられて
いるのか、あるいはどのように空間に存在するのかということを、秩序立てて
解釈しようとするものの考え方が「デッサン」だ。単純なお絵かき上手のため
の模写の練習などではない。ものの考え方をどう画面に再構築するかというこ
とが柱となって、さまざまな価値観や表現様式を生み出していく。
また単純に立体を光と影、すなわち明暗で捉えることは必ずしも間違いではな
いが、立体の塊としての量感や、総体的空間を、トーンの強弱の変化を利用し
て構成すると言うことで、あくまでも明暗は明暗である。明暗を意識しなくて
も立体は表現できる。トーンの強弱の変化に、一つの法則、秩序を持たせたの
が、古典的な表現でよく言われる「面」で捉えるという事。デッサンを繰り返
すうちに、立体や空間に対する認識が、明暗からトーンや色彩のコントラスト
の変化に変わってくるはず。ここに大きな違いがある。