正攻法の正規の考古学・百鬼夜行の戦慄のデスマッチat ARCHEOLOGY
正攻法の正規の考古学・百鬼夜行の戦慄のデスマッチ - 暇つぶし2ch53:、
08/05/21 21:09:08 uqTiLED6


ネアンデルタール人の文明


1989年にグーチの本が世に出て以後、ネアンデルタール人がテクノロジーを所有していたことを示す証拠
も山積している。1996年、タラゴナのロビリ・イ・ビルギリ大学の科学者たちが、バルセロナの北方
カペラデス近郊で15基の炉を発掘した。エウダルド・カルボネル教授は、ネアンデルタール人がこれまで誰
一人想像もしていなかったほどの高度な技術を持っていたことが証明された、と述べた。

 彼によれば、ホモ・サピエンスはクロマニオン人を飛び越す「進化的跳躍」ではなく、ネアンデルタール人か
らの穏やかな一歩である。発掘された炉のそれぞれは、その大きさにしたがって特定の用
途を持っていた。あるものはかまであり、あるものは炉床であり、あるものは溶鉱炉だっ
た。さらにまた、「驚くほど多様な」石器や骨器のほか、広範囲にわたる木製器具の痕跡が
発見された。

グーチの最も驚くべき主張の一つは、ネアンデルタール人が10万年前に南アフリカで赤鉱石を得る
ために深い鉱脈を掘っていたというものだ。「中でも最大の赤鉄鋼坑遺跡は、その採掘量が
100万キロに達していたことを示している」。ほかにも、4万五千年前、4万年前、3万
五千年前とされる坑が発見されている、そしてどの場合も、坑はわざわざ苦労して埋めな
おされており、これは恐らく大地が神聖視されていたからだろう。ネアンデルタール人はこの赤鉄
鉱を儀式に用いたらしい。


54:、
08/05/21 21:11:12 uqTiLED6

1950年、スミソニアン研究所のラルフ・ソレッキ博士は、イラク・クルディスタンのシャニダール洞窟を発掘し、ネア
ンデルタール人の埋葬儀礼の証拠を発見した。そこでは死者に野生の花を編んで作ったキルトが掛
けられていたのだ。彼の著書「シャニダール」(1971)の副題は、「ネアンデルタール人の人間性」
である。彼はネアンデルタール人が猿とは、まったく異なるということを示した最初の人類学者だ。

 グーチによれば、赤鉄鉱は少なくとも10万年前から今日に至るまで使われている。オーストラ
リアのアボリジニが今もなお使っているのだ。彼の引用しているある専門家によれば、それは「あ
らゆる物質の中で最も霊的に豊かで、魔術的なもの」だという。
赤鉄鉱は磁鉄鉱と呼ばれる鉱物が酸化した物で、これはその名がしめすように磁力を帯びている。
その小片を水面に浮かべると、それはくるくるまわって磁北を示す。そして、紀元前10
00年、オルメカ人はそれをコルクにつけて水に浮かべ、コンパスの針として用いていた。中国人が
コンパスを発明するより1000年も前だ。
グーチによれば、はとも含む多くの動物が、脳の中に磁鉄鉱のクラスターを持っており、帰巣に
用いられる。では、ネアンデルタール人もまた脳の中に磁鉄鉱のクラスターを持っていたのではないだ
ろうか、と彼は問う。それによって彼らは地中の赤鉄鉱を探すことができたのだ。いうま
でもなく、これは単に地中の水を探知するダウザーの能力の変種である。
ネアンデルタール人が赤鉄鉱を求めた理由は何であれ、彼等が何らかの文明を持っていたことは確実だ。

2002年1月、ネアンデルタール人が一種の瞬間接着剤を使っていたことが明らかとなった。こ
れはハルツ山脈の褐炭工で発見された一種のコールタールで、8万年前のものとされる。その一つに、
手の指紋と石器と木器の印象があった。つまりこのコールタールは、木の柄を石器の刃に固定す
る一種の接着剤として用いられていたのだ。

コールタールは樫の木から作られるが、製造には摂氏300~400度の温度が必要だ。ドイツ、
イェナのフリードリヒ・シラー大学のディートリヒ・マニア教授は言う、「これはネアンデルタール人がこれらのコールター
ルを偶然手に入れたのではなく、自ら意図的に作り出したものであることを示している」。


55:、
08/05/21 21:13:07 uqTiLED6

明らかに、これらすべては革命的なことだ。我々は人間の文化はクロマニオン人、ホモ・サピエンスと
ともに始まった事を当然としている。我々の祖先であるクロマニオン人は、35000年前に洞
窟画を描き始めたので、我々は常にその時点を持って文明が開始されたと考えている。だ
が、もしも4万年前にプレアデスが新式され、グーチの言うネアンデルタール人が宗教を持っていた
のならば、文明の起源は遥かに古いものとなる。

むろん、17600年前のオーストラリアに道具と岩面彫刻があったというレスリー・ネッドの主張が正しいなら、それはさらに古いものとなる。

となればその担い手がネアンデルタール人であること、そしてネアンデルタール人が天を観測していたこ
とは明らかとなる―われわれのクロマニオン系の祖先は、178000年前にはまだアフリカ
にいたのだから、その担い手であるはずがない。

 さらにまた、1995年、スロヴェニア科学アカデミーのアヴァン・チュルク博士は、82000年前の
骨笛を発見した。つまり、ネアンデルタール人は、独特の音楽を持っていたのだ。グーチによれるネア
ンデルタール人とアメリカ先住民の比較は、ますます説得力を持つ一方であるようだ。また別のネアンデ
ルタール人の遺跡からは、36000年前の骨製の縫い針が発見されている。糸を通す穴まで
ついたものだ。

 おそらく、ネアンデルタール人の知性を示す最も重要な証拠は、1990年代の初め、南アフリ
カの先端にあるブロンボス洞窟から発見されたものだ。この洞窟はクロマニオン人とネアンデルタール人の
双方が用いていたが、ニューヨーク州立大学のクリストファー・ヘントルウッドの発見は、典型的なネアンデルタール
人の層から出土したものだ。それは平らに加工した表面に幾何学模様の装飾が施された、
大量の赤鉄鉱だった。


56:、
08/05/22 07:04:57 vm8SBrt0

この発見の意味するところは、2005年2月20日のBBCの「ホライゾン」で放送された
「考えることを覚えた日」で示された。

 番組では、まず始めに、35000年前の洞窟絵画がこの分水嶺を示しており、これは
彼が「人類革命」と呼ぶ何らかの遺伝的変化によって引き起こされた、というリチャード・クライ
ン教授の仮説が示される。だが、この仮説が依拠するネアンデルタール人に対する前提は、ここま
でで、疑問を呈してきたものだ。

 この観点に反対する大きな一歩を記したのは、耳鼻咽喉学校の教授ジェフリー・レイトマンだ。彼
によれば、ほとんどの生物の喉頭は人間よりも高い位置にある。ゆえにその音声は我々の
声よりも音高が高い。喉頭が下がると声が低くなり、発話に適するようになる。これは少
なくとも20万年前からネアンデルタール人に生じており、発話に適した喉頭を持っていたのに、
話す能力がなかったとは考えがたい。

 ヘンシルウッドが発見した幾何学模様は、7万年以上も前のものだ。思うにこれらは芸術では
なく何らかの記号であり、恐らく天文学に関するものだろう。ピーボディ研究所のディヴィッ
ド・マーシャックが発見した3万5千年前のアンテロープの骨に刻まれていた点と線の記号に似
たものであると思われる。マーシャックによればそれは我々の祖先であるクロマニオン人が、月の諸相
を示す記号として刻んだものであり、彼は、それを最初の文字の実例としている。だがブロ
ンボス洞窟の赤鉄鉱の模様は、それよりも4000年以上古い。


57:、
08/05/22 07:06:50 vm8SBrt0

だがそれらすべては、もしかしたら的外れかもしれない。その証拠となりそうなのが、「ベ
レカトラムの小像」と呼ばれる彫像だ。これは、古代の厚板を発見した人物として紹介したナーマ・
ゴレン=インバル教授が、1980年に発見したものだ。

発掘場所はゴラン高原。年代決定の根拠は、それが―7500もの掻器(掻きとったり削
り取ったりする道具)とともに―年代決定可能な2つの凝灰岩の層の間から発見された
ことだ。その年代は、25万年前から28万年前の間だった。そして電子顕微鏡のによる
検査の結果、単に奇妙な形の石なのではなく、彫刻されたものであることが判明した―
ネアンデルタール人の手で、だ。

小像は有名なヴェレンドルフのヴィーナスに似てはいるが、はるかに稚拙だ。とはいえその石器は、
溝筋の中に粉末を残していたのだ。つまりネアンデルタール人は、25万年以上前に、小さな女性
像、恐らくは月の女神の像を刻んでいたのである。すなわちネアンデルタール人は、ドラッヒェンロッホ洞
窟の熊の頭骨によって示されたように、すでに宗教を発達させていた―それも、我々の
想像より20万年も前に、である。

ロバート・ロマスとクリストファー・ナイトの「ウリエルの機械」でも、ネアンデルタール人に焦点が当てられ、
彼らは現代人よりも大きな脳を持っていたこと、そして彼等の登場から退場までは23万年
もの時間があったことが示されている。つまり、ネアンデルタール人にイは、高度な文明を築き上
げるのに十分な時間があったのだ。

彼らは明らかに死後生を信じていた。というのも、彼らは死者を宗教儀礼によって埋葬し、
あの世での必要のために道具や肉などを副葬していたからだ。死者は装飾用の玉(ボタン
穴が開いている)で覆われた外套、装飾入りの帽子、彫刻入りのブレスレットやペンダントを着用
した。彼らは少なくとも、完璧な真円のチョークの円盤を作った。それが月を表すものである
ことはほぼ確実だ。


58:、
08/05/22 07:08:01 vm8SBrt0



ロマスとナイトは、次のような重要な指摘をしている。

「ネアンデルタール人の文化が、現代の人間の一部、たとえばオーストラリアのアボリジニと同等のレベルにま
で達していたということはありえないことではない。彼らはテクノロジーを忌避し、環境との調
和に基づく昔ながらのやり方をこのんだのだ」

 10万年前の原始人に関して言えば、もし、ネアンデルタール人の子供をタイムマシンを使って誘拐して
きたとしたら、園子を大学に入れて現代人と同じレベルにまで教育することも可能だっただ
ろう、という。

ネアンデルタール人といえば、ウホウホというような鳴き声でコミュニケーションしていた猿みたいな生き物と
いうイメージがある。だがロマスとナイトが引用している学術論文によれば、もしもネアンデルタール人に
現代人の服を着せ、ニューヨークの地下鉄を歩かせれば、誰もそれとは気づかないだろうという。
そしてもしもネアンデルタール人が宗教儀礼を行い、笛を吹き、天を観測し、溶鉱炉を作っている
のなら、ウホウホ以外の言語を持っていたことは確実だ。



59:,
08/05/22 08:43:35 vm8SBrt0



全体と繋がる感覚

「アトランティスからスフィンクスへ」では、私はネアンデルタール人よりもクロマニオン人に関心を持っており、そ
の結果ネアンデルタール人のシャーマニズムの重要性を見過ごしていた。同書では、シャーマニズムこそが文明
の発展に中心的な役割を果たした、と論じた。もしもクロマニオン人の洞窟絵画が、狩人が獲物
を捕らえることを助ける儀式を示しているのなら、シャーマンは部族で最も重要な人物であり、
恐らく指導者となっていただろう。祭司王の伝統は、クロマニオン人の洞窟から、古代シュメールやエ
ジプトまで続いていたのだ。そして古代エジプトは、祭司権と王権がほとんど同一であっ
た最後の大文明だ。以後、現代人は自らを直感的な自己から分離し、不安と疑念を供給し
始めたのだ。

先の章で、「シャーマン的文化」は一種の「集合意識」を当然のものとして受け入れている、と
いうことを見た。ブラジルのアマワカ族は、全員座って、マヌエル・コルドバとオナジヴィジョンを共有した
―ボアの歌によって巨大なボアが現れ、他の蛇が現れ、鳥や動物が現れた。同じ理由で、
ジェレミーナーバイのキリシャリ族の師は、その幻覚剤を「森のTV」と呼んだ。

 誰もが、秋の空を飛ぶ鳥の群れを見たことがあるだろう。彼らは全員が同時に、一羽の
遅れもなく旋回する。また、水族館の大量の魚群が同じことをするのも見たことがあるは
ずだ。田舎の人は、鳥や魚の群れのここの成員の間に何らかの繋がりがあることを直感的
に知っている。蜂や蟻もそうだ。



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