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カレル・ヴァン・ウォルフレン『もう一つの鎖国 日本は世界で孤立する』
(角川書店)
これらの周辺国〔注:朝鮮半島と東南アジア諸国〕の中国への対応を見ても、
それが非常に慎重で平和的なものであるといえよう。誰もがビジネスを行うことが
でき、また各国が盛んな貿易により多くの利益を得られるような地域の確率を
望んでいる、という印象を与える。
それこそ、まさに日本が「大東亜共栄圏」の名の下に1930年代、40年代に軍事侵攻
によって作り上げようとしたものであろう。日本は失敗した。だが中国はビジネスに
よりそれを推し進めている。そして今のところそれはおおむね地域全体に受け入れ
られている。しかもそうした地域においては相互利益の原則が言葉だけでなく、
行動によって示されているのである。