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「日本の大勢の教養ある人々は内心、自身でも十分に自覚していない中国に対する
文化的な引け目を感じている。知っての通り、日本の文字と文化、芸術の大部分
および儒教は中国に負っている」
「第二次世界大戦の全面的敗北ののち、日本人は驚異的な経済復興に成功した。
その結果、1970年代と80年代初期に現れたのが無理からぬ経済的優越感で、それで
文化的なコンプレックスと罪悪感が相殺された」
「日本の友人は、世界にわずかしかいない。その原因は、一部は世紀を越えて
続いた徳川時代の鎖国にまで遡るべきであるが、大部分はもっとのちの帝国主義
時代にある。日本はこの時、隣国のすべてにひどい仕打ちをし、それを隣国は
いまも覚えている。だがもっと決定的なのは、日本人が征服や犯罪行為をあった
こととして認め、それを遺憾に思うことができないところにある」
『大国の明日』(ヘルムート・シュミット、朝日新聞社)