06/11/10 01:08:40 0
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アレックス・カ-
そのカーさんの新しい本を見つけたので、すぐに買って読んだ。
「日本ブランド」で行こう、というタイトルのインタヴュー本である。基調は
「犬と鬼」と同じだが、カーさんの考えがまとめられていて、一気に読んでしまう。
日本通で、97年からタイに移っても、「日本に引き戻されてしまう」彼が主張
しているのは、日本的なものの売出しでは決してない。
彼が主張しているのは、「第2の開国」、外国人を受け入れて活力を取り戻そう
ということである。キーワードは2つあると思う。「技術のありかた」「観光」だ。
それをまとめた見出しが、「観光業こそ最先端技術が必要」。
古きものを保存し、活かす技術のない日本の醜さを批判し、外国人を排除して
いった日本社会を批判してきたカーさんの主張は僕には説得力がある。
「例えばロケットのジャンルで、日本はオール日本でやろうとしていたでしょう。
だけど大失敗に終わってしまった。できっこないんだよ。」
古いものを捨て、西洋式技術を日本的に取り込む技術開発方式の転換が迫られ
ていることの自覚はまだまだ弱い。
その点、「東洋文化研究家」を肩書きに持つカーさんは鋭い。見出しから拾うと、
「戦後日本の繁栄を下支えした中国の鎖国」「中国と競争しても意味がない」。
だから、「日本は中国大陸の近くにある一つの島で、それは日本にとって何なの
かというところに戻ればいいんです。」それが「日本ブランド」ということになる。