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『犬と鬼』(アレックス・カー、草思社、原著2001年発行)
「80年代のバブルの時代、アメリカの大学十数校が日本に分校を開設した。
しかし、文部省が卒業資格認可を与えなかったため、これらの大学は
学生を集めることができず、90年代末にはおよそ20の大学のうち一校を
除いて撤退した。かくして、日本国内で外国流の教育を行うという試みは
幕を閉じた。
対照的なのはシンガポールだ。政治の面では決して開放的とはいえないが、
シンガポールはアジアの教育の中心になることを目指し、世界のトップクラスの
大学を積極的に誘致している。シカゴ大学の経営大学院はシンガポール・
キャンパスを開設する予定(アジア初)だし、ヨーロッパ経営大学もシンガポール
校の計画を打ち出している。さらに、カーネギーメロン大学やマサチューセッツ
工科大学も、シンガポールで大学院教育に乗り出すべく協議中である。