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19世紀末から、近隣諸国の植民地化を進め、ついには「真珠湾に自殺的
な攻撃を仕掛け、その結果としてすべてを失った。90年代にもこれと
似たようなことがまた起きている。日本が「和」をこれほど尊ぶのは、
バランスを失って極端に突っ走る傾向が強いという、まさにそこに理由
があるのかもしれない」と指摘されています。「コンセンサスや遵捧
(じゅんぽう:目上の人に言われた事などをよく守ること)が重視される
ために、責任者がだれもいないという状況が生まれる。一度進み出したら、
日本はもう止まらない。舵手(だしゅ、かじを取るひと)がいないから、
国家という船が進み始めると、ギヤをバックに入れ直すことのできる者
がいない。船はどんどん速度をあげていき、ついには岩に激突してしまう
のだ」(239ページ)
上で「90年代にもこれと似たことがまた起きている」と述べられていますが、
今度の場合は帝国主義的野心つまり領土拡張ではなく、「工業化と建設を
唯一の国家目標にかがげ、日本はみずから国土に襲いかかり、山や谷を
ブルドーザーで攻撃し・・・港を埋めた。巨大な工業戦艦に化したも同然だ。
速度を落とす者がいないまま、戦艦は全速で壮大な難破に向かって進み
続ける」(239ページ)