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日本の神社を巡礼していて、いつも思うことがある。それは、数字である。
一郎、三郎なんて人名には、しばしば数字が出てくる。地名もしかり。四日市、五所川原、十津川なんてのも、ある。
神社の場合、多くが地名を冠するのだが、なかには祭神の名称と同じ場合もある。そうした状況を踏まえて眺めてみると、
神社の名称に使われる数字は、なんといっても「八」がダントツである。
思いつくだけでも、八幡神社、八坂神社、八雲神社、八重垣神社、八王子神社、八柱神社、八街神社……など、非常に多い。
神様の名称としても、八矛大神、八束大神、八大竜王……があり、そもそも日本の神々は八百万の神々ともいう。
これは、他の一桁の数字に比べて、明らかに多い。いったい、どうして「八」という数字が、かくも多く使われるようになったのだろうか。
「八」は「ヤ」「ヤー」とも読む。ヤーとは、ヘブライ語で神を意味する。正確にいえば、ヤハウェの短縮形だ。
もうひとつ。「八」という漢字はカタカナの「ハ」のもとになったといわれる。が、このカタカナの「ハ」という文字は、
興味深いことにヘブライ語の「ヘー(H)」という文字に似ている。
とくに、筆記体の形に、そっくりである。イスラエルへ行って、カタカナの「ハ」を書けば、
そのままヘブライ語の「ヘー」として立派に通用する。
「ヘー」は主に、名詞の頭について定冠詞、英語でいえば「the」のように使われる。そのときの発音は、なんと「ハ」である。
しかして、『ヘブライ語辞典』を開いてみると、この「ヘー」なる文字、用法のひとつに神の略称がある。
ヤハウェはヘブライ語で「ヨッド・ヘー・ヴァヴ・ヘー」となるのだが、このうちの「ヨッド」だけでヤハウェの略称になるように、
「ヘー」でもヤハウェの略称として使われるのだ。つまり、「ヘー」はヤハウェの意味だったのだ
と、このように、秦氏はゲマトリア的手法によって、8を多くの神社名や神名につけていったのではないだろうか。