06/08/03 00:09:27 0
>>815
ウォルフレンが参考文献としてあげていた本のひとつにこれがある。
URLリンク(www.isis.ne.jp)
ヘルマン・オームス『徳川イデオロギー』1990 ぺりかん社
Herman Ooms : Tokugawa Ideology 1985 黒住真・清水正之・豊澤一・頼住光子 訳
オームスは闇斎こそは徳川イデオロギーの最も重要なところを用意したと言っている
ちなみに、オームスはもう一人、鈴木正三をあげている。正三は家康の家臣の
鈴木重次の長男に生まれた禅僧で、仮名草子の作家としてスタートを切るのだが
大坂夏の陣のあとに旗本となって神田駿河台に住み、そのころまったく冴えなかった
仏教思想をなんとか浮上させようとした。その禅風は「仁王勇猛の禅法」と、
その念仏は「果たし眼の念仏」とよばれ、ぼくはかなり好きな禅僧なのだが、
オームスが言うような意味で徳川イデオロギー形成に寄与したというふうには
おもえないので、割愛する。
(中略)
附記¶本文にも書いたようにヘルマン・オームスの分析は、いまなお議論の
渦中にある。あまりにも安易に、また楽観的に徳川の社会思想を見ているの
ではないかという批判も少なくない。その議論がどういうものであるかは
『シンポジウム「徳川イデオロギー」』(ぺりかん社)を読まれるとよい。