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これに対し、来日前にラッセルが暮らした中国の場合はやや事情が異なっている。
(中略)ラッセルの方も、中国とその国民性を深く愛した。日本では、
ラフカディオ・ハーンの本などは古いものに関わりすぎていてつまらんと
言い捨てていた彼であるが(7)、中国においては西洋の思想や文物が
持ちこまれるのを頻りに嘆き、自ら好んで古い中国風家具を集めて
持ち帰ったり、杭州で見た「喜雨亭」というあずまやが気に入って
それに似せた別荘をイギリスにつくる計画を抱いたりしている。