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自叙伝によれば、「私は足をひきずっていたので追いつくことができず、それが
幸いした。確かに殺人を犯しかねなかったからだ。」(p.135)ということで、
このときの彼の心情がさらにどう述べられているかというと、
あのときの私の感情は、ミューティニイに際して、(中略) 有色人叛徒にとり囲まれた
インド在住英国人が抱いたに違いない感情と同じものであった。そのとき私は、
異人種の手にかかって害を被ることから家族を護る欲求は、人間の持ちうる感情の
うち最も激しく熱情的なものであろうと実感した。(p.135)
ここで、ミューティニイは、一八五七年のベルガル原住民の暴動をさす。確かに
この連想は、国際的なヒューマニストであるラッセルの、極東における必然的
限界を示しているのかもしれない。