06/07/04 23:55:02
マルクスは資本主義を分析したけどそれを超えるメカニズムや処方箋を何も言っていない。未来と過去に丸投げしただけ
労働分析から貨幣や国家へと進んでゆく彼の唯物論は既に倒錯している。本来ならある社会システムの中では何を労働と
呼び何を持って測量するための価値尺度としているのかと考えてゆくべきだった。労働の意味も考えずそれをアプリオリな
前提とした時点で彼の分析は破綻することが運命付けれている。
彼はアダムスミス=リカードの体系とヘーゲルの体系の総合に失敗している。だから上部構造、下部構造の二層論になる
彼は貨幣ベール仮説のままで物事を考えており、需要と供給の事後的一致ということを認識できていない。だから経営者が
搾取しているという説になる。実際のところ、労働契約は売り上げに先んじている。さらに言うと、貸し出し利息は借りた金を
消費に使おうが生産に使おうがついて回る。すると利子=剰余価値であるはずがない。
資本主義的生産諸関係が巨大な商品集積として現象するのでなく、利子生み資本が生産に剰余価値を生み出すことを強要し、
そのため、生産は拡大生産=巨大な商品集積に走らざるを得なかった。その条件に適合できるかできないかが階層構造を生んだ、
と分析すべきだったのだ。つまり原因と結果を完全に取り違えている。
最後に、マルキストはいい加減、後世の社会学者や哲学者が生み出した成果を恰もマルクス当人もそう言っていたかの如く孫引き
するのを止めるべき。マルクスは実存主義者でも構造主義者でもないし、スピノザ論者でも新カント派でもない。アソシェーションは
本来、プルードンやワルラスが社会主義運動の過程で生み出した概念だ。