06/06/30 20:21:20
>>441
ドゥルーズはそんなに正確に読んでないので誤ってたら誰か指摘して
下さい。中世の哲学論争で、実体が先か、概念が先か、という論争が
あった。例えばこの犬、あの犬、という実体としての犬を見てから
「犬」という概念が創造されるのか、それとも「犬」という概念が
先にあって、そこからこの犬、あの犬を見ているのか。この論争に
対して、ドゥンス・スコトゥスという人が、「このもの性」という
ことを言い出した。眼前の犬は、まさに世界でたった1匹の、単独的
な犬である。他の犬とは取替えがきかない。そういう1つきりの
「このもの性」を言うことで、実体-概念という二項対立の枠組みを
はみ出したわけです。次いでスピノザが現われて、神即自然、という
考えで、世界を「このもの性」から成り立ったものとする世界観を
提示した。ニーチェはその次に現れて、永劫回帰を言うことによって
この世界観を動態化した、という解釈だったように思います。