04/06/10 00:02
多くの方が聞いたことがあるかもしれないが、念のために引用しておく。
テオグニス(紀元前6世紀の詩人)はこういっている、
「あらゆることの中で最もよいことは、大地のうえに生まれないこと、輝く太陽の光をみないことだ。
だが、もし生れてしまったならば、できるだけはやくハデスの門を越えることだ」。
岩田靖夫他『西洋思想の流れ』(東京大学出版会)37頁
このような表現は、ソフォクレス『コロノスのオイディプス』や、
旧約聖書『コーヘレト書』にも見られる。
思想史が正しいとすると、このようなことを述べる方が2500年以上前から存在し、
それが脈々と伝承されてきたということになる。
31氏(>>41)のような個人的決断を尊敬するが、そのような決断にも拘らず、
生を耐え難い苦悩と感じる方が生まれなくなるわけではない。
もちろん、31氏の子供が生まれたとして、その子が、厭世主義者になるとは限らない。
夢想的なことを提案するが、子供を生まないよりも、既に生まれてしまった方々に対して、
たとえば、安楽死という選択肢を与えた方が苦痛の最小化には寄与するのではないか。
先日、身内が死ぬ夢をみた。
その夢をみているときは、とても悲しかった、のだったという記憶がある。
でも、目覚めてみれば、
仮にそのようなことがあったとしても、祝福すべき、
という考えは正しいと思う。
感情と理性の二枚舌。ありふれた話だな。