06/08/18 11:03:26
ヒマなムダ話だが、
山本周五郎の(文庫本の)「日々平安」の中の「ほたる放生」を読んでいたら、
深川ー洲崎あたりの岡場所の描写で、銭湯に行く銭のない女が近所の幅六尺の
小川で全裸で体を洗う場面が出てくる。側の道を通る男どもが冷やかすと逆に
挑発的な姿態を見せるという。
あの辺は埋め立てだから、小川は石垣で護岸がしてあると想像されるが、底が
砂利なら蜆でも採れそうな雰囲気。その岡場所の女も地方から借金のかたに出
て来たんだろう。地方での生活がしのばれる。
この挿話はなくても話の筋は通るが、山本周五郎も読者サービスで入れたのか
出身地の初狩で見た光景を思い出したものか、庶民のタクマシさの点景になっ
ている。