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『ベルリン陥落 1945』 アントニー ビーヴァー (著)
本書の特徴は、公開された旧ソ連の極秘文書にあたり、驚くべき情報が多いことだ。
たとえばここ二十年、ドイツ領内での一般市民、とりわけ女性の被害について公然と
議論されるようになった。本書ではこうした成果や証言をもとに、女性に対する性暴力を
告発する。しかし、ソ連将兵による性暴力の犠牲になったのは、ドイツ人女性だけで
なかった。強制収容所から解放されたばかりのユダヤ人やポーランド人、さらには
ソ連人女性にも被害が及び、極限状態を生き延びるために敵兵の愛人となるケースも
多く見られた。
本書は世界で百万部のベストセラーを記録、「戦争」の本質を暴く問題作といえるだろう。
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日経の書評によると、占領地の女性に対する無惨な性的暴力の現実も含めて、
数ヶ月の地獄絵を多用な資料を駆使して容赦なく活写しており、あまりに詳細で
具体的な叙述に、読むものが息苦しさに襲われ、本を閉じてしまいたくなることさえ、
少なくないほどなのだそうだ。