02/08/07 05:28
「『中世日本紀』のある断片によると、ヤマトタケルを病ましめた伊吹山の神の大蛇は、もとは出雲のヤマタノオロチで、
ヤマトタケルから天叢雲剣を取り返そうとしていた、となる」と、高橋昌明は『酒呑童子の誕生』で書いている。
言うまでもなく、天叢雲剣といえばスサノオがヤマタノオロチの尾から取り出したもの。
中世においてすでに、
ヤマトタケル--伊吹山の神--ヤマタノオロチ--スサノオ
という繋がりは存在していたのだ。
また、このスサノオとヤマトタケルの接点は酒呑童子を介しても得られる。
なぜなら、酒呑童子は酒に酔ったところを首を刎ねられて殺されるという点ででヤマタノオロチと共通だが、
一方、酒呑伝説の舞台は、『酒呑童子絵巻』において伊吹山となっているから、
酒呑童子は、ヤマトタケルを祟った伊吹山の神とも結びつくからだ。
ヤマトタケル--伊吹山--酒呑童子--ヤマタノオロチ--スサノオ
である。