03/11/24 21:01
第二に、たとえ現在の政治的反目が克服されたとしても、米中間のより緊密な関係から
何かよいことが生まれるとは期待していない。中国共産主義者の場合と同じように、
蒋政権と我々の関係の発展についても私が熱意を持たない理由はここにあった。
この見解は中国人を尊敬していないことを意味するのではない。反対に、私は彼らを、
一人一人の人間としてはおそらく世界で最も聡明な民族とみなしてきたし、いまでも
変わってはいない。私がこのような見解に傾いたのは、中国の国際関係史の研究を通じ、
中国のナショナリズムと経国の才の伝統について学びえたことによる。
・・・・・まず中国人は民族として非常な外国嫌いで尊大であった。
中国をもって"中華"とする考えに基づいた彼らの外国人およびその世界に対する態度、
外国人を野蛮人とするその見方は、本質的に他民族に対して礼を欠き、きわめて
よそよそしい関係は別として、満足すべき国際関係の基礎を提供するものではなかった。
二番目に、中国人は通常その対外的行動は高度に洗練されているにもかかわらず、
だまされたと思い込んだ時には途方も無く無慈悲になりうることが明白であった。
その素質の多くは、(勤勉さ、ビジネスでの誠実さ、実際面での抜け目のなさ、それに
政治的明敏さ)称賛に値するが、私には、彼らが西洋的、キリスト教的心情の二つの
属性に欠けているように思われる。それは憐れみの心情と罪の意識である。これら二つの
いずれも、西洋的人格においては力の源であるよりも、むしろ弱さを現すものであることを
認めるのに私はやぶさかではない。多分、中国人はこれらを欠いているためにいよいよ
手ごわいのであろう。これは、警戒心を持ちながらも彼らを正しく尊敬しようとする
理由にはなるが、しかし彼らを理想化したり、親しくなることを求める理由にはならない
のである。