ジョージ・F・ケナンat WHIS
ジョージ・F・ケナン - 暇つぶし2ch50:44
03/11/17 21:49
>>48
おお、サンクス。
そこまで丁寧にレスくれるとは。多謝。
東洋文庫読んでみます。





51:世界@名無史さん
03/11/23 17:21
>>48
それはケナンの祖父のいとこらしい
ケナン回顧録によると本人と同じくロシア関係に従事し
アジアでは日本の地政学的利害をアメリカ人に対して説明したと書いてる
法政大学出版会から「シベリアと流刑制度」という著書の翻訳が出てる


52:世界@名無史さん
03/11/23 23:52
さすがのケナンも年老いて
思考が鈍ってきたのかな?

53:ケナン回顧録より
03/11/24 20:59
私は中国における二つの政権のいずれも好きではない。その一つ蒋政権は、
このアメリカにおいて自らに対しても我々に対すると同じ程度に恥ずべき
やり方で策略を弄し、一方、他の政権はかつて我々が直面したどれにも
劣らないほど粗野で尊大で、我々に対して敵意ある計画の遂行を誓っている。
蒋政権との結びつきは致命的かつ不名誉なものであると私は考える。
必要ならば文字通り国内政治面での対決をおかしてでも、直ちに関係を絶つべき
だと思う。その上でアメリカ人が中国とのかかわり合いを少なくすればするほど
事態はよくなるであろう。我々にはいずれの政権の好意を請い求める必要も無ければ
その敵意を恐れる必要も無い。中国は東洋の大国ではない。アメリカ人には、中国に
対してある種の主観的な弱みがあるため、対中国政策を誤りがちである。まず・・・・
第一に、私は未だかつて中国に台湾を返還することの正当性を見出したことは無い。
また中国が内戦に突入した当時、我々の側にそれ以上のいかなる義務も無かった。
それゆえに私は1949年、台湾に対するSCAP(マッカーサー司令部)の権威を
重ねて主張し、より満足のいく取り決めができるまでそこを保持するように勧告した
ことがある。



54:ケナン回顧録より
03/11/24 21:00
この見解は中国についてのある種の印象に基づくものであって、おそらくそれはさらに
説明を要すると思われる。
第一に、私は中国を偉大で強力な国とは見なしていない。その工業力は真の大国のどれと
比べてもきわめて小さい。その軍事力は国境の近くにおいてこそ恐るべきものがあるが、
それ以上ではない。中国は水陸両用の能力をもっていない。資本蓄積能力も小さくその
過剰人口の問題は恐るべきものである。その膨大な人口は弱さの源であっても力のそれ
ではない。私はこれまで何度も同僚に、次に述べるように、その考えの変更を求めたこと
がある。すなわち、もしソビエトの指導者たちが、日本と中国のいずれかを同盟国として
二者択一の選択に迫られるなら、彼らは即座に日本を選ぶだろうと。日本は、東洋に
おいて高度に複雑な近代兵器を大量に生産しうる唯一の場所であり、工業的に訓練され、
教育程度の高い人的資源を多勢かかえている唯一の国なのである。


55:ケナン回顧録より
03/11/24 21:01
第二に、たとえ現在の政治的反目が克服されたとしても、米中間のより緊密な関係から
何かよいことが生まれるとは期待していない。中国共産主義者の場合と同じように、
蒋政権と我々の関係の発展についても私が熱意を持たない理由はここにあった。
この見解は中国人を尊敬していないことを意味するのではない。反対に、私は彼らを、
一人一人の人間としてはおそらく世界で最も聡明な民族とみなしてきたし、いまでも
変わってはいない。私がこのような見解に傾いたのは、中国の国際関係史の研究を通じ、
中国のナショナリズムと経国の才の伝統について学びえたことによる。
・・・・・まず中国人は民族として非常な外国嫌いで尊大であった。
中国をもって"中華"とする考えに基づいた彼らの外国人およびその世界に対する態度、
外国人を野蛮人とするその見方は、本質的に他民族に対して礼を欠き、きわめて
よそよそしい関係は別として、満足すべき国際関係の基礎を提供するものではなかった。
二番目に、中国人は通常その対外的行動は高度に洗練されているにもかかわらず、
だまされたと思い込んだ時には途方も無く無慈悲になりうることが明白であった。
その素質の多くは、(勤勉さ、ビジネスでの誠実さ、実際面での抜け目のなさ、それに
政治的明敏さ)称賛に値するが、私には、彼らが西洋的、キリスト教的心情の二つの
属性に欠けているように思われる。それは憐れみの心情と罪の意識である。これら二つの
いずれも、西洋的人格においては力の源であるよりも、むしろ弱さを現すものであることを
認めるのに私はやぶさかではない。多分、中国人はこれらを欠いているためにいよいよ
手ごわいのであろう。これは、警戒心を持ちながらも彼らを正しく尊敬しようとする
理由にはなるが、しかし彼らを理想化したり、親しくなることを求める理由にはならない
のである。



56:ケナン回顧録より
03/11/24 21:03
以上うpしてみましたがアメリカ人で米中関係をこれほどシニカルに
眺めている人も珍しいんじゃないでしょうか


57:世界@名無史さん
03/11/25 20:29
不謹慎だが亡くなったら回顧録も再版されるかな
もともとの版元が読売新聞社だから中央公論新社あたりで
上下巻各8,000円くらいでもいいから

58:世界@名無史さん
03/12/23 01:05
外交50周年買ったよ。

59:世界@名無史さん
03/12/23 12:25
いいイイナ

60:世界@名無史さん
03/12/24 00:32
ケナンが何十年も前に指摘し、批判したことが全く改善されていない

61:世界@名無史さん
03/12/24 18:21
>>55
>私には、彼らが西洋的、キリスト教的心情の二つの
>属性に欠けているように思われる。それは憐れみの心情と罪の意識である。

儒教的心情とキリスト教的心情は何か相容れないものがあるんでせうか。

62:世界@名無史さん
03/12/26 14:07
確かに大陸中国には憐れみも罪の意識もないな
そんなこと言ってたら生きていけないような過酷な環境だったんだろうから、
仕方がないような気もするが

63:世界@名無史さん
03/12/26 21:27
偉大な人であり、強い敬意を抱くが
スターリン死後のソ連観にかなりの甘さがあったことも否めない



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