03/08/19 23:14
私は病院中にある性病の薬を集めた。そして翌日大久保さんにそれを
背負わせてキャバレーに持たせてやることにした。
しかし午後になり大久保さんが帰って言うには「婦長さん、すみません。
あの人たちは婦長の有り難いお心がわからないのではなくて、この薬は
受けられない。是非このまま持って帰ってくれと申しまして、受け取って
くれません。日本の人が造ったこの薬品、こんな貴重な薬品を戴いては
申し訳ない。ソ連人からうつされた私供の病気を日本人の造った薬で治す
のはもったいない」というのです。
それで私は今度それを持ってもう一度訪ねた。「是非この薬を使って早く
良くなって」と言っても応じない。そして言うことに「婦長さんがそんな
に親切におっしゃって下さるのに、私たちが好意を無にする訳をお見せ
しましょう」と部屋に案内してくれた。
そして目の前で下着を脱ぎそのひどい症状に驚いた。
それはとても筆では形容できないが、コンジロームが局部いっぱいに
広がって、その先が全部化膿し、ウミが流れていた。長年看護婦をしてい
る私が全身総毛立ち寒気がした。ちょうどそれは、いちじくの腐敗した
のを見るような感じだった。
元満赤看護婦長 松岡喜身子