03/08/15 00:35
A級戦犯とされた人たちを裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)は法原理的に不当なも
のであった、という観点からの様々な議論がある。
東京裁判の性格を象徴するのは、判事席にも検事席にもソ連がいたことだ。ソ連は、
ヒトラーと共謀してポーランドを分割し、第二次世界大戦の引き金を引いた。またバルト
三国を併合、フィンランドをも侵略して、領土を奪取した。
さらには、大戦末期、日ソ中立条約を踏みにじって参戦し、東京裁判中も、国際法を
公然と無視して日本人捕虜をシベリアで奴隷労働に使っていた。そのソ連が判事席、
検事席にいて日本を裁いたというのは、要するに、勝者による敗者への裁きだった、
ということである。
原爆による一般市民大量虐殺という米国の「人道に対する罪」に言及した日本側弁護人
の発言の際は、直ちに同時通訳が停止された、ということもあった。
他方で、“社会主義幻想”に囚(とら)われた左翼勢力が、「第二次大戦は、『ファシズム
に対する民主主義の勝利』というのが国際社会の常識」などと、歴史を捩(ね)じ曲げて
きた。ソ連が、民主主義とは縁もゆかりもない専制恐怖支配体制の国だったことこそ、
「国際社会の常識」だ。
同じく裁く側だった中国も、過去、現在とも民主主義とは無縁の国である。
8月15日付・読売社説
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