03/11/04 00:00
1の家臣でござる。
この度は殿がかように愚かしき板を立ててしまい、
家臣一同お詫びの言葉もござりませぬ。
殿は先の戦での大敗以来すっかりお心を病んでしまい、
昼は村娘をかどわかし、夜ごと酒を召しては家臣に斬りかかる
毎日でござる。
奥方様は病で倒れ、折からの飢饉で民は飢え苦しみ、近隣諸国の
大名はこれ幸いとばかりにわが国との国境を侵し始めている
次第にござりまする。
家臣の中にも殿に翻意をいだく者が多く、このままではお家存亡の
一大事になりかねませぬ。
しかし、ご安心下され。間もなく殿には出家していただく手はずに
ござる。
殿が寺に向かう途中に手練れの者をひそませ、殿のお命を頂戴する
算段が整っておりまする。
その後は殿の甥にあたられる)伊達様を殿として迎え
我ら家臣一同忠勤を尽くす心づもりでござる。
皆様方には迷惑をおかけして、まことに申し訳ござりませぬが、
今しばらくの辛抱でござる。
なにとぞ、なにとぞ殿の此度の所業をお許し下さいませ。