03/09/22 02:03
される社会構成が実際には何を意味したかにつ
いては長い論争史がある。すなわち奴隷制社会
のアジア的形態(古典古代の奴隷制社会よりも未
熟な形態)と解する見解や,〈古典古代的〉,〈封建
的〉,〈近代ブルジョア的〉生産諸様式と同列にあ
る別個の独立的生産様式と解する見解などがあ
り,いまだに意見の一致がみられない。さらにこ
れらの発展段階が原則としてすべての民族が通
過すべき諸段階であるとみる一系発展論と,巨視
的にみると不可逆の前進的諸段階ではあるが,
一定の条件のもと,とくに先進文明の影響下で
は,1段階または2段階をも飛び越えて発展するこ
とも可能であり,実際にそのような発展をとげた民
族が多い,とみる多系発展論との対立も現存す
る。今日の世界の学界の大勢は,後者の見解を
妥当とみなしつつあるようにみえる。
発展段階論は,マルクス主義のそれだけでな
く,ランプレヒトやコントの独自の文化発展段階論
の場合も,これまでの発展の中では現在をもっと
も発展した段階とみている点で共通しており,そ
のような発展によって失われたものや破壊された
つづく