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『水戸黄門 遥かなる旅』 山内鉄也
食いしん坊で、やたら団子を食いまくる「うっかり八兵衛(高橋源太郎)」は、
二年目からの登場であった。ご老公の懐中を狙う掏摸(すり)の役で、弥七に
捕らえられ、改心してご老公のお世話をするという展開。あの愛嬌溢れる
キャラクターで、たちまち茶の間の人気者となり、初代から三代目のご老公に
仕えること実に27年間、「うっかり」を演じ続けたのだから立派だ。
「ねェねェ、でご隠居、ここの名物、何だと思います?」・・・彼の独特の
カン高い声が響くと、ご老公主従もゲストも、いやいや撮影するスタッフも、
皆が緊張感から開放されて和むという不思議な癒しの効果が生まれる。
おそらく多くの視聴者が同じ思いで見ておられたのではなかろうか。それは
演技ではなく持って生まれた人徳というものであろう。