ジョセフ「幻想郷で交わる血の運命」at NEWS4VIP
ジョセフ「幻想郷で交わる血の運命」 - 暇つぶし2ch298:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:07:25.450 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「そのとおりだよーン!!!てめぇの攻撃は広範囲だが、唯一の死角が、足元だったッ!!」
ジョセフ「石畳の下に何かを忍ばせるなんて思わなかっただろうが、スタンドはそんな常識なんて関係ないんだぜッ!」
ジョセフ「さらに!!お前が避けられない理由は、お前の後ろにある!!」


早苗(い、今ここで避けたら私の後ろにいるお二人に攻撃が…)

ジョセフ「へへへ、おめーさん達の信頼関係を利用するなんて悪人っぽいが……さっきのおめーらのセリフを聞いて、そんな罪悪感は吹っ飛んだッ!!俺のことを勘違い野郎だなんて、よくも言いやがったなァ!!」


早苗の体に巻きついた「隠者の紫」
それをひきちぎろうとした早苗だったが!!
その時スデにッ!!

ジョセフ「喰らえ、波紋のビート!!波紋疾走!!!!」

バチバチと火花を散らせながら、蔦を波紋が伝わっていくッ!!

299:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:08:24.554 gpgbqe4F0.net
早苗「ぐぁぁぁっ!!!」
ジョセフ「へっへー、決まったね!!波紋の伝導率は抜群よッ!!てめぇの風が、さっきの雨粒を完全に吹き飛ばしてくれたからなぁ!!」
早苗(ま、まずい…は、早く手を…)

ジョセフ「そして、これでおしまいだ!!」
駆け出したジョセフは、ほんの数秒で早苗の前にたどり着いた!!
拳を振り上げッ!!その顔に向けて、突き出す!!
早苗「ひっ………」
ジョセフ「喰らえ、波紋疾走!!!!」

300:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:08:31.558 t/q7+6Id0.net
なにこれ主の脳内小説?
くっさなんだけど

301:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:08:39.731 gpgbqe4F0.net
神奈子「そこまでよ!!!!」


静寂を突き破ったのは!!神社の主の声だったッ!!

302:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:09:28.941 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「ちぇーっ、いいとこだったのに…」
「隠者の紫」を解き、早苗を開放する
ヘナヘナと座り込んだ早苗に、ジョセフは先ほど流したのと正反対の波紋を流す
ジョセフ「これで体の痺れとかなくなったろ…ったく、俺が女の子相手に本気で波紋流すと思ったか!?気絶するようなほどの波紋をッ!!」

303:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:09:55.257 gpgbqe4F0.net
神奈子「…アンタが、波紋を流した時点ですでにうちの早苗の負けだったわ、しかもアンタは手加減をしていた」
諏訪子「やれやれ、早苗もまだまだだね…」
ジョセフ「相手が勝ち誇ったとき、すでにそいつは敗北しているのさ」
文「ジョ…ジョセフさん…」
ジョセフ「へへへ、どうにか勝ったぜ、文」
早苗「う……申し訳ありません、神奈子様…諏訪子様…」
諏訪子「いいってことよ……それでジョセフ・ジョースター」
ジョセフ「…ちゃんと俺の頼みごと、聞いてくれるんだろうな」
神奈子「話だけはね…それに乗るかどうかは、私たちの判断よ」
ジョセフ「…構わない」
神奈子「じゃあ、とりあえず中に入りな………茶くらいなら出してやるよ」
文「失礼しますね」

304:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:10:15.226 gpgbqe4F0.net
畳の上にこたつがあり…さらにその上にはみかんが
そんな、どこにでもありそうな日本的風景が神社の中にあるのは、なんとなく違和感を覚える
ジョセフ「こ、これが神社の中身か…」
早苗「大して仰々しいものではないでしょう?」
ジョセフ「へーっ…もっと、仏壇とか仏像とか、そういうのがあるのかと…」
諏訪子「おいおい、なんで本物の神様がそんなもの飾ってなきゃいけないんだい」
神奈子「そうそう、そんなの置くのは人間だけよ」
ジョセフ「ま、それもそうか……」

305:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:10:27.715 ujezd2aO0.net
むしろジョナサンのほうが勝ち目さなそうだな
相手が男で悪人ならいざしらず

306:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:10:51.004 gpgbqe4F0.net
早苗「…それでジョセフさん、話というのは?」
ジョセフ「あぁ、それだな…」
ずいっ、と身を乗り出したジョセフが笑う
ジョセフ「……簡単に言うと…だ、DIOのことなんだ」
早苗「!DIOさんですか?」
ジョセフ「あぁ…信じてもらえないかもしれないが…あいつは、絶対に近いうち、この幻想郷で問題を起こす」
諏訪子「なんだって?」
神奈子「どうしてそんなことが言える」
ジョセフ「……あいつは…俺のおじいちゃんを殺した野郎だ、おばあちゃんに対してもひどい行いをしたらしい」
神奈子「そりゃ、昔の話だろう?今はどうか分からないじゃないか」
ジョセフ「いや、あいつは人間じゃあねぇ、成長することを捨て、ただの安心という名の停滞を求めた野郎なんだ」
ジョセフ「あいつが昔から変わっていると思うか?」
諏訪子「…仮にDIOが問題を起こしたとして、それが私達に関係あるのか?確かにあいつは強いが、幻想郷では上の下くらいだ」

307:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:11:44.147 gpgbqe4F0.net
早苗「それに……彼がそんなことをするでしょうか?彼、私が少し見た限りでは相当注意深い人ですよ」
文「…ジョセフさん、そこのところどうなんですか?」
ジョセフ「……確かにそうだ、だが…俺はなんとしてでも、今は味方を集めたいんだ…あいつが何かしでかす、それは俺の中では絶対なんだ」
神奈子「…早苗、お茶」
早苗「あ、はい…」
神奈子がお茶をぐびっ、と飲み干す
そして、少しばかり不機嫌そうな顔でジョセフを睨み付ける
神奈子「…DIOが絶対悪だと、お前は言い切れるのか?」
ジョセフ「!!」

308:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:12:17.240 gpgbqe4F0.net
神奈子「…正直な話をしよう、お前のその判断基準だけでDIOが危険だとするのはどうかと思うぞ」
ジョセフ「あ、あいつは…この幻想郷を支配しようとするはずだ、いずれは…」
諏訪子「ずいぶんと、DIOのことを知ってるようだけど」
ジョセフ「…俺のおばあちゃんから聞いたんだ……」
神奈子「ふーん……でもね、幻想郷を支配するからってどうしたっていうんだい」
ジョセフ「なっ…」
神奈子「できるもんならやってみろってんだ、それにアンタ……簡単に味方になれだなんて、ナメてるだろ」
ジョセフ「わ、分かってる…そりゃあ、俺とアンタ達は初対面に近い…で、でもな!!これはお前達のためでもあるんだ」
諏訪子「ジョセフって言ったね、アンタは人生経験が少ないのさ……世界は再生と破壊によってできているんだよ、この幻想郷の平和というのを破壊する存在が現れたとしても、それは世の常」
神奈子「DIOが何してくれようと、どうでもいいよ」
ジョセフ(ち、ちくしょう……こいつらのこの態度、ムカつくぜッ!!アイドルに興味ないヤツがいきなりプリンスのライブ会場に投げ出されたって感じだッ!!)
ジョセフ(ま、まるで興味を持ってくれちゃいねぇ……だ、だがなッ!!)

309:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:12:19.446 s+qAcge00.net
>>293
仏壇とか仏像は神社じゃなくて寺な
ストーリーには関係ないが

310:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:13:18.202 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「へ、へぇ、そりゃあ残念だ……上手くすれば、結構神社の信仰を集められると思ったんだが…まぁいいか、これじゃあしょうがないな、文!!!やっぱここは霊夢に…」

神奈子「ちょっと待ちな」

ジョセフ(かかった!!!)

神奈子「今…信仰を集められるかもって言ったか」
ジョセフ「んー?あぁ、言ったけど、でももうどうでもいーよなァ、お前達は俺に、この俺にッ!!協力する気なんざさらさらねーんだからなッ!!」
神奈子「ちょいと、詳しい話を聞かせてくれないか」
ジョセフ「いやぁね、DIOが吸血鬼ってことが、一番大事なわけよ」
頭を使えよ、という意味のジャスチャーで、こめかみを指でとんとんと叩くジョセフ

311:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:13:47.842 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「DIOの食糧ってのはなんだ?もちろん普通の飯も食えるがよ」
早苗「それは、やはり人間の血…ですよね」
ジョセフ「その通り……俺も昔、吸血鬼になった男と戦ったことがあるからわかるが…あいつらは、自分自身の生命力を維持するために人間の血を必要にするのよ」
ジョセフ「だが、恐らくだがここに来てから、DIOはほとんど人間の血を吸ってはいない…敵を増やさないため、ここでの信頼を得るためにな」
諏訪子「ふむふむ…一理あるぞ、今のところはな」
ジョセフ「それで、だ……もしもあいつが何かしらの問題を起こした時、まずは何をすると思う?味方を引き入れることと、人の血を吸うことだ」
神奈子「力を蓄えるため、か?」
ジョセフ「そう…さらに、だ…外の吸血鬼ってのは、人間をゾンビにする能力があるんだ」
早苗「ゾンビに!?」
ジョセフ「そう、恐らくだがDIOは里の人間に手を掛けるはずだ」
諏訪子「…なるほど、話が見えてきた!!」

312:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:13:55.009 kbhHh3ao0.net
>>298
ジョセフのイメージなんだからどうでもいいだろ

313:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:14:27.130 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「里がDIOに襲われた時、もしもお前らが人間を救い出してみろ、正真正銘、人間を救うために立ち上がったヒーローってわけだ」
ジョセフ「それがまして信仰を求めている神様だとしたら?そして、自分を信仰すればこれからも異変から守ってやると言えば?」
早苗「そ、そんなことがあったら、一気に信仰が得られますよ!!」
神奈子「な、なるほど……」
諏訪子「そうなったら、こんな辺鄙な場所以外にも神社の支所を作らないといけなくなるね!」
ジョセフ「おーっと、だがDIOが悪人で、吸血鬼ってのを知る人間なんていない、それに霊夢達他の連中からしたら、お前らが勝手に活躍して、あたかもDIOの謀反を利用して信仰を得たような形に見えるわけだ、そうなるとお前らはここでの居場所をなくす」
ジョセフ「だがどうだろう、このジョジョがお前達に仕方なく助けを求めたんだと連中に説明すれば?」
諏訪子「お前はここでの評判はかなりいいらしいな」
神奈子「私たちは、信仰を得るためではなく正義のために立ち上がり、その結果信仰を得ることになった…」
早苗「か、完璧なシナリオになりますね……」

314:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:15:01.770 JqrlIE6i0.net
>>298
世の中には『宮寺』ってのがあってだな…
>スレチ


315:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:15:17.546 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…こんな汚い方法を、と思うだろうがな…俺は、今の俺はッ!!それほどまでに窮地にある、もしもお前らが協力してくれるって言うなら、俺だってお前らの得になることをしてやるつもりだ!」
文(す、すごい……ここまでこの三人に対して、話を進めるなんて!!私が取材を申し込んでも、すぐに追い返されると言うのに…)
早苗「…ジョセフさん、一つだけ質問をいいでしょうか」
ジョセフ「あぁ、なんだ」
早苗「……あなたが、そこまでしてあのDIOさんを警戒するのは、本当に祖父の仇だから、というだけですか?」
神奈子「どういうことだ、早苗?」
早苗「それにしては、彼のパーソナリティを理解しすぎ�


316:トはいませんか?」 ジョセフ「…すまねぇ、今は言えないんだ…隠し事をするつもりじゃあねぇ、時が来たら話してやる、だが今は!!」 諏訪子「あー、そんなことどうでもいいよ」 ヒラヒラ、と手を振った諏訪子がジョセフの膝の上に座る



317:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:16:07.356 gpgbqe4F0.net
諏訪子「ジョセフ、気に入ったよ……ここまでずる賢く、しかし正義を感じさせる人間には久々に会ったよ」
ジョセフ「じゃ、じゃあ!!」
諏訪子「私は賛成だ、こっちにも十二分なメリットがあるしね」
神奈子「よし、そうとなれば協力関係を結んでやる」
ジョセフ「ほ、本当か!!恩に着るぜッ!!」
神奈子「そこでだジョジョ」
ジョセフ「お、おう」
神奈子「アンタ、いちいちここに上ってくることはできないだろ?妖怪の山なんて、山登りには向かないものね」
ジョセフ「あぁ、そこが問題…」
諏訪子「だったら、早苗を連れて行きなよ」
早苗「ちょ、ちょっと諏訪子様!?」

318:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:16:24.983 gpgbqe4F0.net
諏訪子「ジョジョ、アンタ今どこに定住してるんだい」
ジョセフ「紅魔館だけどよ…」
神奈子「アンタの客人なら断らないでしょう、行きなさい早苗」
早苗「そ、そんな…お二人はその間、大丈夫なんですか?」
神奈子「二人で暮らせるレベルだよ、お前はジョジョとの連絡係になってくれ」
文「……ジョセフさぁん、紅魔館にさらに女の子を増やすのってどうなんですかねー」
ジョセフ「ん?ま、まぁこんな可愛コちゃんが一緒にいてくれるってなら俺は嬉しいけどよーッ」
文「ふんぬっ!!」ガン!!
ジョセフ「オーマイガーッ!て、てめぇ足踏みつけるなよなッ!」
文「ふん、ジョセフさんはそうやって女の子ばっかりと…」

319:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:16:47.828 gpgbqe4F0.net
早苗「わ、分かりました……少し気が重いですが、お二人が言うなら」
ジョセフ「…じゃあ、少しばっか借りていくぜ」
神奈子「そうだジョジョ、もう一つ……もしもDIOが何か事を起こしそうになったら、まず私達に言う事だね」
ジョセフ「分かってるって」
諏訪子「アンタはずる賢そうだし…どうだい、私達と協力してこの神社の信仰を増やしてくれない?」
ジョセフ「そういうのは勘弁だぜ」
早苗「ほら、早く行きましょう…もう夕方ですよ」
ジョセフ「おっと、そうだな…じゃあな」
神奈子「あぁ」

320:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:17:15.247 gpgbqe4F0.net
守矢神社の敷地から外に出ると……夕日が沈んでいくのが見えた
昨日のあの辛い登山から、もう一日が経ったのだ
ジョセフ「…文、さすがに二人抱えて飛ぶのはきついよな」
文「あぁ、それなら大丈夫ですよ、早苗さんも飛べますし」
早苗「そうですよ、ジョジョ」
ジョセフ「あ、そーなのね……っていうか、もしかしてここの連中ってほとんど飛べるのか?」
文「はい」
ジョセフ「いーなぁ……俺も飛びたいぜッ!!」
早苗「ほらほら、そんなこと言ってるヒマがあったら紅魔館に行きましょうよ」
ジョセフ「そうだな…文、頼んでいいか」
文「まぁ、仕方ないですね」

321:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:17:32.352 gpgbqe4F0.net
妖怪の山を、文に捕まりながら下りていくジョセフ
だが…その降りていく途中ッ!!!彼は、ある男の姿を目の当たりにしたッ!!!



ジョセフ「!!あ、あれは…!!!!」





DIO「…ム……?」

322:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:17:51.357 UQ6EGXTk0.net
どこの世界でも早苗の扱いってこんなもんだよな
かわいい

323:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:18:24.439 gpgbqe4F0.net
早苗「あ、あそこにいるのはDIOさん!?」
文「おやおや…こ、これはちょっとまずい遭遇ですね…」
ジョセフ「…あそこに行ってくれ、文」
文「は、はい?」
ジョセフ「DIOのところに行けって言ってるんだ!!!」
文「は、はい!!!!」

324:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:18:46.371 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…」
DIO「…宴会の時以来だから…フフフ、二日ぶりか?こんな辺鄙な山で何をしていた、ジョセフ」
文(う……DIOさんの、ジョセフさんに対する目は…ひ、非常に冷たいッ!!!)
ジョセフ「…ちょーっとここの上の神社にお参りに行っただけよ、ここで争いごとが起きませんようにーってな!!」
DIO「…早苗、君はなぜここにいる?話に聞くと、ここの頂上に君の神社はあるんだろう…」
早苗「い、いえ…」
ジョセフ「こいつが人間の里で宣教したいって言うんだけどよ…ちょうど俺が泊まっている紅魔館ならこいつも泊められるって寸法よ」
早苗「そ、そうなんですよ!!」
DIO「…フフフ、そうか…それは大変だな」
ジョセフ「…てめぇこそ何しにこんなところにいるんだよ」

325:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:20:09.266 gpgbqe4F0.net
DIO「なに…私は、永遠亭からの帰りだ…少し散歩するのも悪くないだろう?」
ジョセフ「な、なんだって?」
DIO「いや、帰りというのはおかしいかもなぁ……今日は永遠亭で泊まらせてもらうのだからな…フフ」
文「DIOさん…え、永遠亭にはどのようなご用事で?」
DIO「あそこの永琳とは…どうも気が合うような気がしてなぁ…」
ジョセフ(こ、こいつも…なんだかんだで、味方を増やしてやがるッ!!)
DIO「…おっと、君たちは紅魔館へ帰る途中なんだろう?早く行ったほうがいいんじゃあないか…?」
文「そ、そうですね、ジョセフさん…」
ジョセフ「ちっ……おいDIO、あんまり出歩くと、妖怪に襲われるぜーッ!!!」
DIO「…」


DIO「くだらんことを言うなよジョセフ」ドーン

ジョセフ「…ハッ!?い、いつの間に後ろにッ!!!」
文「!!??い、今の今まで私達の目前にいたのに…!!!」

326:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:20:39.161 gpgbqe4F0.net
DIO「なに…君達には見えなかったのか?我が『世界』が私を運んだのが」
早苗「そ、そんなスピードがあるんですか!?」
DIO「…見えなかったのなら関係ない……フフ、ジョセフ」
ジョセフ(ち、違う……い、今は夕飯時!!お、恐らくだが咲夜がほんの数秒間だけ時間を止めたんだ!レミリアか誰かがいたずらで皿でも落としそうになったか!?い、いや、そんなことはどうだっていい!!)
ジョセフ(お、恐ろしいのは…こ、こいつ!!咲夜の停止した時間の中でも動けるってこと!!)
DIO「……それではな」

327:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:20:58.139 gpgbqe4F0.net
スタスタと去っていくDIOの姿が見えなくなってから…ジョセフは、大きく息を吐いた

ジョセフ「な、なんてこった……お、俺はあいつと戦う準備を着々進めていたが…ま、まるで安心なんてできねぇ…」
文「……ジョセフさん、今はこんなところで止まっているべきではないですよ」
早苗「……今はとりあえず、紅魔館に行きましょう」
ジョセフ「あ、あぁ…………」

328:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:21:13.367 gpgbqe4F0.net
紅魔館に帰り着いたジョセフは…勝手に早苗を連れてきた、ということで咲夜に少しだけ叱られてしまった
だが、そのお叱りの言葉も、ジョセフの耳には届かなかった



ジョセフの背筋には…先ほどDIOと出会った時の、嫌な寒気が残っていたのだ…

329:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:25:17.989 gpgbqe4F0.net
DIO「…朝か」
幽々子、妖夢との会話に花を咲かせ……気が付けば、夜が明けていた
恐らくだが、という憶測なのは、ここが冥界だからである
妖夢はすでに、畳の上に寝ていた
幽々子が優しく布団を掛け…DIOのほうを見て尋ねる
幽々子「DIO、あなたは今日はどうするの?一睡する?」

330:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:25:41.222 gpgbqe4F0.net
DIO「…そういう君はどうするんだ?亡霊には睡魔は襲ってこないのか?」
幽々子「あいにく、睡魔も亡霊が怖いみたいよ」

クスクスと笑う幽々子に、DIOは自分の予定を伝える
DIO「…今日は、永遠亭に行こうと思うのだ……」
幽々子「永遠亭ですって?」
DIO「…永琳という女と、少しばかり宴会で話に花が咲いてなァ……なに、私と同じようなタイプの人間じゃないか」
幽々子「…そうね、確かに不老不死で、しかも何かを悟っているような雰囲気はあるわ」
DIO「君もそうだろう」
幽々子「ふふふ……永遠亭への道はわかるかしら」
DIO「いや…分からないな、この幻想郷はどうも目印になるものがあまりない、どこも似たような…のどかな風景だ」
幽々子「そうね…じゃあ、妖夢が起きたら案内させるわ」
DIO「…助かるよ」
幽々子「…ねぇ、永琳を味方につけるつもり?ジョースターとの戦いのために」

331:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:26:13.713 gpgbqe4F0.net
DIO「………それもあるが…フフ、不老不死というヤツを見てみたいのだ…君のそれは、不老不死ではないと思う、私は」
幽々子「あら、どうして?」
DIO「君は不老でも不死でもない……すでに死んでいるんだ、それは老いないとか死なないとかではない、そもそも生物ではないのだ…失礼な言い方かもしれないがね」
DIO「金属を見て、不老不死と思うやつがいるか?いないだろう、それと同じさ…」
DIO「…だがあの八意永琳は違う…私と同じように、生きていながら不老不死よ……」
幽々子「そうね……」
DIO「別に悩みがあるとかではない……ただ、面白い話を聞くのは好きでね、フフ……それに、だ…ジョースターとの因縁に決着を着ければ…いずれは私もこの幻想郷で安心した生活を手に入れるのだ、住人と交友を深めねばならない」
幽々子「なるほど、そのための第一歩ってこと」
DIO(フン……たしか、永琳達は月の人間だったなぁ…そういう連中には、肉の芽は効くのだろうか)
DIO(…いや……今はそんなことはどうでもいいのだ、ジョースター共との戦いの時に、ヤツらの味方につかれることさえなければな)

332:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:26:32.009 rISdkHdw0.net
BBA共に毒牙が……

333:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:26:33.504 gpgbqe4F0.net
DIO「…妖夢が起きるまで…ここで待っているよ、君はどうするんだ」
幽々子「そうね、妖夢が昨日作ってたお菓子をちょこっとつまむわ」
DIO「…なぁ、どうなのか知らないが……亡霊は太ったりしないのか?それとも、君だけが食べても食べても太らない体質なのか?」
幽々子「分からないわ、私は太らない、ってのは確実だけど」
DIO(……)

334:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:26:52.291 gpgbqe4F0.net
妖夢「ん……」
妙に誰かの視線を感じ…妖夢は、二時間ほどの短い睡眠から目を覚ました
ぱちり、と目を開けるといつもの天井が映っているはずだったのだが
DIO「…」
妖夢「う、うわああああああああああああああああああ!!!!!」

妙に妖しげな色気を持つ男が、妖夢の寝顔を覗き込んでいたのだ

335:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:29:33.647 gpgbqe4F0.net
妖夢「D……DIO殿ッ!?び、びっくりしました…」
DIO「…驚かせるつもりはなかったのだ、すまないな」
妖夢「え、えっと……私は、昨日の話の途中で寝てしまって、それで…」
DIO「昨日、というよりは今朝になるがな…フフフ」
妖夢「!!な、なぜ私の寝顔を!?」
髪の乱れを直しながら、慌てたように妖夢が尋ねる
DIO「…いや、幽々子が言うには…人の寝顔というのはその人間の邪悪なところも善良なところも見えず、ただ純粋な人という形だけが見えるのだとな…」
妖夢「は、はぁ…」
DIO「…君の寝顔を見ていると、それがなんとなくわかったよ」
妖夢(ま、まさか寝ている間ずっと見られていたんでしょうか…?)

336:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:29:49.910 gpgbqe4F0.net
DIO「…ところでだ、妖夢……君は、永遠亭への道を知っているか?」
妖夢「永遠亭ですか、知っていますよ…前にお世話になったことがありますので」
DIO「…案内してくれないか、永遠亭に行きたいんだ」
妖夢「!い、今からですか?幽々子様の昼食を作らないといけないので、それまで待っていただけませんか」
DIO「あぁ、構わない……すまないな、私の興味本位のために付き合わせて」
妖夢「いえ、それもお客様のためですので」
DIO「……」

337:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:30:16.718 gpgbqe4F0.net
幽々子「あ、妖夢~……おはよう」
妖夢「おはようございます……すいません、途中で寝てしまったようで」
和室のど真ん中で、幽々子は団子を頬張っていた
非常に満足げな彼女の顔は、どう見ても10代半ばの少女だった
幼稚、というわけではないが菓子の一つや二つでそこまで笑顔になるなどくだらない、とDIOは鼻を鳴らした
DIO「……幽々子、君の昼食を作り終えたら、妖夢を少し借りるぞ」
幽々子「ふふふ、妖夢、あなたDIOに気に入られたみたいよ」
妖夢「そ、そんなことないですよ…ね、DIO殿」
DIO「……君みたいな優秀な人間は、私は尊敬するさ……」
妖夢「う…」カァッ
幽々子(もう、妖夢ったら可愛いわね)

338:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:31:05.768 gpgbqe4F0.net
DIO「…幽々子、君には少しばかり迷惑をかけるな…夕方までには妖夢を帰らせる」
幽々子「あら、あなたは?」
冥界の階段の前で、DIOと幽々子が顔を見合わせていた
まるで映画のワンシーンのようだ、と


339:妖夢は思う 愛する二人のしばしの別れのように見える…尤も、そのようなことはないのだが DIO「…もしかしたら、永遠亭に今日は世話になるかもしれないな…彼女たちが歓迎してくれれば、だが」 幽々子「そう、それじゃあ気を付けて…」 DIO「あぁ……」 妖夢「では、行きましょうか」 妖夢の先導で、冥界の階段を下りていく… この階段を下りれば、外の幻想郷と繋がっているのだ



340:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:33:35.374 gpgbqe4F0.net
この冥界に来る時も、階段を通った
だが…なぜだか、何度通ってもここの不気味な雰囲気には慣れないだろう
恐れているわけではない、居心地が悪いという程度の話だ
DIO「…妖夢、ここから永遠亭まではどれくらいかかるんだね」
妖夢「意外とすぐ着きますよ…30分ほどもあれば大丈夫です」
DIO(…なるほどな、近いというほどではないが…フフ、中々いい場所じゃないか、この冥界というのは)

341:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:33:49.875 gpgbqe4F0.net
DIO「…竹林…だと?」
DIOが案内されたのは、妹紅が住んでいるのと非常に近い竹林だった
妖夢「えぇ、この奥に永遠亭があるんですよ」
DIO「ほほう……ここには藤原妹紅も住んでいるよなァ…」
妖夢「えぇ、よく御存じで」
DIO「…なに、ちょっとな」
妖夢「さて…これから、私とはぐれないようにしてください、DIO殿」
DIO「…」
妖夢「一度迷うと、中々帰れませんので」
DIO「あぁ…気を付けるよ」

342:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:34:06.064 gpgbqe4F0.net
妖夢「……おかしいですね、ずいぶんと今日は静かです」
DIO「…どういうことだ」
妖夢「いえ…昨日の宴会のせいでしょうか、いつもならここにいそうな妖怪たちも姿を潜めてます」
DIO「…ほう」
妖夢「この様子だと、面倒には巻き込まれずに永遠亭にたどり着けそうです」
DIO「…」

343:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:34:31.ウンコ gpgbqe4F0.net
永遠亭

永琳「…はぁ、人間ってのはどうも脆くていけないわ、頭痛や腹痛…関節の痛み、どれも私達には無関係なのにね、ねぇ優曇華」
鈴仙「そうですね…でも、私達も時々体調を崩すことはあるじゃないですか」
永琳「それとは違うのよ、私たちはすぐに治るじゃない?一日寝ればすっかり元通り…人間は違うわ」
鈴仙「師匠、それは仕方ないことですよ」
永琳「そうね……次の患者は?」
鈴仙「あ、待っててください…今連れてきますから」


鈴仙が永遠亭の外へと向かう
先ほどまでは患者の列があったのだが、永琳の治療の腕前は相当なものだ
すぐに効果抜群の薬を渡すのだ
全く、医療ミスなどとは程遠い
鈴仙(す、すごい…30分も前には長蛇の列だったのに、もういない…)

344:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:34:54.546 gpgbqe4F0.net
妖夢「!無事に抜けましたね、いや…幸運でしたよ、思ったより早く着きました」
DIO「……ヌゥ?」


鈴仙「ん……?あ、あなたは」
DIO「…君はたしか…鈴仙…とか言ったな」
鈴仙「あ、あはは……こんにちは…昨日ははしたない姿を見られてしまいまして」
DIO「…酒は飲んでも飲まれるな、ということだ…覚えておけ」
鈴仙「う…それと、妖夢…」
妖夢「こんにちは、今日は治療じゃないの」
鈴仙「あれ、そうなんですか?」
DIO「今日は…私が君たちに会いに来たのだ」
鈴仙「は、はぁ…DIOさんが」
DIO「…お邪魔してもいいかな、永琳はいるのか?」
鈴仙「あぁ、どうぞ、師匠もいますよ」

345:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:35:18.366 gpgbqe4F0.net
永琳「鈴仙、遅かったわね……あら?」
がらっ、と開けられた扉の向こうには、妖夢とDIOがいた
鈴仙が少しばかり小さく見えるのは、DIOがあまりに大きいからだろう
DIO「…宴会以来だな、永琳…フフフ」
永琳「いらっしゃい、あなたも体調が悪いの?まさかね」
DIO「いや、なに……少し暇になってしまってね、妖夢に案内してもらってここに来た次第だ」
妖夢「DIO殿は白玉楼に泊まっているのですよ」
永琳「あら、幽々子にでも気に入られた?」
DIO「いや…私が気に入ったのだ、彼女をなぁ…」
永琳「あら…ちょっとだけ嫉妬しちゃうわ、あなたみたいな素敵な人に気に入られるなんて」
妖夢「!?」
鈴仙「ちょ、ちょっと師匠…」

346:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:35:41.583 gpgbqe4F0.net
DIO「フフフ…なに、君のことも気に入っているさ…だからこうして会いに来ているんだ 興味がなければ来るわけないだろう」
永琳「それもそうね…歓迎するわ、DIO」
聴診器を耳から外し、永琳が椅子から立ち上がる
DIO「…いいのか?君は医者の仕事をしているんだろう、患者というのは君の都合でよくなったり悪くなったりするわけじゃあないだろう」
永琳「いいのよ、来たら来たで対処するから…それに、私も少し疲れたわ、鈴仙」
鈴仙「は、はい」
永琳「せっかくのお客様よ、お茶でもお出ししなさい」
鈴仙「は、はい……」
背中を丸めてお茶を淹れに行く鈴仙の後ろ姿を見て、妖夢はなぜか親近感を覚えた

347:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:35:58.613 gpgbqe4F0.net
永琳「…さて、改めてようこそ、永遠亭へ…」
DIOの前にいるのは…「永遠」を生きてきた永琳だ…
DIO「…そう改まることはないだろう…フフフ、君と一度話をしてみたかったんだ」
永琳「……そう、私も、ジョナサンやジョセフよりも、あなたに興味を持ったわ」
DIO「…」
妖夢(な、なんというか………この二人の会話に入り込める気がしません…)
DIO「……さて…だ、私が君にあれこれ質問することも出来るが…君だって私のことを知りたいだろう、その点で…だ」

DIOがチラリと睨んだのは、茶を運んできたあとの鈴仙だった
なんでも、ついでに輝夜を起こしに行ったらしく、後ろには眠そうにしている輝夜がいた

348:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:37:11.297 gpgbqe4F0.net
DIO「…そこで、鈴仙…君に話の仲介をしてほしいんだ」
鈴仙「わ、私ですか?」
DIO「それと妖夢、君もだ……二人の客観的な視点から、私と永琳のことを語り合っていこうというわけだ」
永琳「賛成ね…その方法が一番手っ取り早いわ」
妖夢「そ、そうですね……で、ではまずDIO殿…」
DIO「…」
妖夢「簡単に尋ねますが……ジョナサン・ジョースターとはどのような経緯で因縁の相手になったのですか?」
鈴仙(い、いきなりそこに突っ込みますか!?)

349:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:37:27.725 gpgbqe4F0.net
DIO「…私の……父親が、ヤツの父親と知り合いでなぁ…父親が死んだときに、ジョースター家に養子にいったのだ」
妖夢「よ、養子ですか…?」
DIO「…飲んだくれで、吐き気のするような父親だった…フン、父親というのも気に食わんほどにな」
鈴仙「え、えっと…それで、どうして吸血鬼に?ジョースター家はお金持ちだったと聞きましたけども…」
妖夢「…そうですよね、それがなぜ吸血鬼に?裕福な家庭なら、幸せな人生も…」
DIO「…俺は、ジョースター卿を殺そうとしたのだ」
鈴仙「!?」
突然の告白!!鈴仙と妖夢の顔つきが、少し厳しいものになったッ!
紳士的だったはずのDIOが告白したのは、およそ今の彼からは想像できないほどの悪行!!

350:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:37:55.108 gpgbqe4F0.net
DIO「…簡単な話だ、ジョースター卿を殺せば遺産が転がり込む…貧民街で飲んだくれの父親に殴られる生活を繰り返していた私にとって、それはなんと甘美な響きだっただろうか」
永琳「環境が悪にした…ということ?」
DIO「フフフ…そんなのは、弱者の言い訳だ………私は自らこの道を選んだのだ、だが…とにかく、私はその計画に失敗してしまった」
DIO「それがヤツ……ジョナサンに、気づかれたのだ」
鈴仙「…ジョナサンさんに」
DIO「…警察に突き出される、そう知った時に…私がとったのは、吸血鬼になるという行動だった」
DIO「…その時の私は、もはや遺産だとか金だとか地位だとか、そんなことには興味がなくなっていた」
DIO「…石仮面……人間の脳を刺激し、吸血鬼に変える道具に私は人間の…いや、生き物の進化の先を見たのだ」
DIO「…それを被った私はジョースター卿を殺害し……そして、ジョナサンとの戦いの道へと進んだ、というわけだ」
鈴仙「……」
永琳「…ありがとう、DIO…そんなことを話してくれて」
DIO「フン、隠すことだってできるがな…だが、それだとどうも後味が悪い」

351:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:39:26.128 gpgbqe4F0.net
妖夢「…DIO殿、一つだけ尋ねてもよろしいですか」
DIO「あぁ」
妖夢「…私達を殺そうと、考えてはいませんか」
DIO「…」
鈴仙「よ、妖夢さん!!それはあまりに失礼……」
DIO「フフフ……君は優秀な従者だ、幽々子が殺されるのではないのか、と…そう考えているわけか」
妖夢「…私やここの住人全員、黒い過去を持っています、あなたのその過去も、正直な話…よいとは言いませんが、決して私は否定はしません」
妖夢「ただ、今の私達の平穏を崩すのではないか、と危惧しています、それだけが心配なのです」
DIO「…君たちを殺して、私に得があるのか?私の真の目的は…永遠なる安心を得ることだ、ジョナサンとの戦いもそのためよ…」
DIO「…むしろ、だ……君たちといることが、意外と私は平穏につながると思っているよ…言っておくが、私は一人だけで生きていけるとは思わんのだ」
DIO「……君達だってそうだろう、人と話すということは面白いものだ」
妖夢「…つ、つまり…我々を傷つけるようなことはしない、と」
DIO「そうすることでメリットが生まれるならするだろうがね」

352:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:39:44.241 gpgbqe4F0.net
鈴仙(い、意外…この人は、自分の危険性を相手に見せている…ま、まるで自分を心の底から信用させるように…)
永琳「分かったわ…次は、私のことについて話しましょうか」
DIO「あぁ」

353:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:40:22.187 gpgbqe4F0.net
DIOは…永琳の身の上話を聞いた
輝夜と、月から逃げてきたこと
そして…蓬莱の薬を、妹紅が飲んだこと
それによって、輝夜と妹紅は天敵のように戦うようになったこと

DIO「…つまり……だ、君たちは月を追われて逃げてきたわけだ」
永琳「えぇ、そうよ…ふふ、懐かしい話だけれど」
DIO「…」
鈴仙「え、えっとですね、DIOさん……師匠は、薬を売ることで…」
DIO「不老不死を醜いと思ったことはあるか」
永琳「…」
鈴仙(わ、私の言葉は無視ですか…)
DIO「……もう一度訊くぞ…君はさっき、不老不死なんて空しい、というようなことを言っていたな」
永琳「えぇ、いつかは終わりがあるからこそ、輝けるはずなのに……私も姫も、そして藤原妹紅も…」
DIO「私はそうは思わないな」
DIOの言葉に、永琳が初めて不快の表情を浮かべる
永琳「…なぜ

354:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:42:56.307 gpgbqe4F0.net
DIO「…君たちのいう不老不死とは、いわば完璧に近い存在だ…フフフ、なぜそれに不満を持つのだ」
永琳「……完璧だなんてさみしいわ」
DIO「……君は…輝夜を守るためにこの地上にやってきたのだろう」
永琳「えぇ、そうよ」
DIO「…それなのに、だ……死なない体で輝夜を守れると言うのに、なぜ不満を持つのだ」
妖夢(…DIO殿の言葉は、あまりに現実的だ……永琳も、輝夜も…死を望んでいるのに)
永琳「…そうね、実際に暮らしてみればわかる……人間達が死んでいき、自分だけが取り残される気持ちが」
DIO「私にはわからんな」
輝夜「あら……たった百数十年生きただけの若造が、中々言うわね」

355:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:43:03.090 gpgbqe4F0.net
初めて口を開いた輝夜のほうに、DIOが冷たい視線を送る
DIO「……人間の…いや、生き物の人生というのは長さではない、密度だ……どれほどまでに密度の濃い人生を送ったかが重要なのだ」
鈴仙「…」
DIO「そして、私はこう思うのだ……君達は成長できる生き物じゃあないのか?今日の失敗を教訓に明日に進める生き物じゃあないのか」
永琳「…」
DIO「……成長し続けることが、素晴らしい生き方だ………そして、成長した先に自分自身が平穏を抱ける天国があるのだ…」
永琳「そうね、そうすれば……不老不死を嘆くこともなくなるのかしら」
DIO「永琳、君はそうやって毎日死にたいと考えているわけではないだろう……今日一日が面白ければそれでいい、なんて考えをしたことがないのか?」
輝夜「そうね…ないと言えば嘘になるわね」

356:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:43:37.844 gpgbqe4F0.net
DIO「それでいいじゃないか……くだらんぞ、死を恐れる人間と同じくらいばかばかしい行動だ」
妖夢「え、永琳殿も、輝夜殿も!!け、決してDIO殿は悪気があるわけでは…」
永琳「DIO、あなた面白いわ……どうかしら、白玉楼じゃなくてここで暮らしてみない?」
DIO「…あいにくだがそれはやめておくよ……ここはどうも明るすぎる」
鈴仙「明るい?そうですか?竹林があって結構暗いですけど…」
永琳「馬鹿ね鈴仙は、その意味じゃないのよ」
鈴仙(ば、馬鹿って言われた…)
DIO「……気持ちはありがたく受け取っておくよ……そうだ、この近くに妖怪の山があるか?」
永琳「妖怪の山?えぇ、結構近いけど……なぜ」
DIO「……少しばかり見てみたいものでな……どんな場所なのか興味深い」
妖夢「あぁ、では私が案内を……」
DIO「一人で構わない…ここまでの道は覚えたからな…」
輝夜「……一つ言っていいかしら」
DIO「なんだ」
輝夜「あなた、もしかして好奇心旺盛なほうなのかしら?だとしたら注意しなさい、好奇心は猫を殺すわよ」
DIO「……あぁ、胸に留めておくよ」

357:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:44:02.431 gpgbqe4F0.net
内心くだらない、と思いつつDIOはそっと立ち上がった
DIO「妖夢、君は白玉楼へ帰るだろう?永琳、私は今日くらいはここで世話になりたいのだが」
永琳「えぇ、歓迎するわ」
DIO「そういうことだ妖夢……途中までは同じ道だろう、一緒に行こうじゃないか…」
妖夢「は、はい!」
世話になりました、と鈴仙に頭を下げてから妖夢も駆け出す


鈴仙「…なんていうか、DIOさんって…不思議な人ですよね」
輝夜「少しばかり、生き急いでいる気がするわ」
永琳「姫、彼は死なない体なのですから……生き急ぐ、という表現はおかしいですよ」
輝夜「…えぇ、そうね」

358:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:44:22.615 gpgbqe4F0.net
DIO「…」
妖夢「あ、あの…DIO殿」
妖怪の山へ向かう…というDIOの後ろを、妖夢は少しばかり背を丸めながら歩いていた
その理由は、DIOの表情にあった…
彼の表情は今ッ!!公開されたばかりの映画の列に並ぶ若者のように、期待に満ちていたのだッ!!
そして、DIOのその期待は、どこかどす黒いのだ!!
妖夢「妖怪の山に向かわれるのは、少し危険です…あ、あそこには私や幽々子様でも少し手間取る妖怪がごろごろと…」
DIO「…妖夢、君は白玉楼にまっすぐ帰るんだろう?なら関係ない話じゃあないか」
妖夢「う…」
DIO「…いや、許してくれ……ちょいと厳しい言い方をしてしまったな」

少し遠くに見える妖怪の山を指差して…DIOはニヤリと笑った

359:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:46:07.219 gpgbqe4F0.net
DIO「あそこは…人間を嫌う妖怪が多く住んでいると聞いた………フフフ」
DIO「…どこか、面白いじゃあないか…人との関わりを嫌う仙人、なんていうのは外の世界にもいたが…」
妖夢「……あ、あの…それでも、かなり危険ですよ」
DIO「…なら君が護衛についてくれればいいさ」
妖夢「わ、私がですか!?え、えっと…」
DIO「冗談だ……君がついてきたところで、あまり意味はないだろう…何しろ、君はこの幻想郷でもう長く暮らしているのだからな、いまさら妖怪の山の連中と厄介ごとを起こしたくはあるまい」
妖夢(うぅ…役立たずなんだ、とストレートに言われた方が気楽…)
DIO「………私は、あの山を見てみたいのだ…そこに住む連中などどうでもいいのかもしれない、よく聞くだろう?ピラミッドはただの墓であるにも関わらず、そこにファラオが埋まっているだけでさまざまな現象が起きるのだ、と」
DIO「だとすれば、だ……あの妖怪の山にも何か不思議な雰囲気や現象があってもおかしくはないだろう」

360:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:46:24.444 gpgbqe4F0.net
妖夢「…そうでしょうか?私は普通の山だと思いますが……」
DIO「それと、ただの探検気分もあるなぁ…幻想郷は面白い場所が多いからな、退屈しないで済むよ…」
妖夢「……わ、私もついて行きますよ」
DIO「…幽々子が腹を空かせて待っているはずだ、帰ってやれ」
妖夢「ですが……」
DIO「君はあの亡霊を、何事も飲み込む怪物にでも変えるつもりか?」
妖夢「わ、分かりました…では」
くるりと方向を変えた妖夢が…心配そうに、一度だけ振り返った
妖夢「…DIO殿、お気をつけて」
DIO「あぁ…君もなァ……」

361:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:46:44.776 gpgbqe4F0.net
DIO(フン…気をつけろだと?一介の剣士如きがこのDIOに随分な口を叩くものだ…)
妖怪の山を目の前にし、DIOはそっと空を見上げた
もうすぐ日が落ちるのだろう……今からこの妖怪の山を登る気にはとてもなれない
かといって、ここまで来て本当に見て終わるだけ、なんてもったいない
DIO「……」
ちらり、とDIOが見たのは、妖怪の山のふもとにある小さな小屋だった
そこに誰かが住んでいるのだろうか、中から小さな明かりが漏れているのが見える
もしもDIOがそこで一週間暮らせ、と言われたら不機嫌になってしまうだろう、それほどに簡素な小屋だ
DIO「……」
気が付けば、その小屋のほうへ足が向いていた

362:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:47:04.870 gpgbqe4F0.net
にとり「……やはり、非常に難しい…ウーム、星どころかその先の銀河まで見える望遠鏡…それも、超小型…」


DIO「…失礼するよ」

にとり「ん?」

DIOが見たのは、おおよそ子供としか思えないほど背の低い女の子だった
本当に、女の子という表現がぴったりくるのだ

363:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:47:25.979 gpgbqe4F0.net
DIO「…失礼するが…君はここの住人だな」
にとり「おや、たしかあなたは……最近幻想郷に迷い込んだという、DIOさんでは?」
DIO「……私のことを知っているのか?」
にとり「えぇ、文々丸新聞でも話題になっていましたから」
DIO(あの馬鹿天狗……このDIOのことを勝手に記事にするとは、いい度胸だ…)
DIO「……そうか」
にとり「それで、その吸血鬼さんが何の御用で?私に発明してほしいものがあると?」
DIO「発明だと?君は科学者か何かか」
にとり「えぇ、いろいろな物を作れますよ」
DIO「ほほう…中々興味深いな…これはなんだ」
DIOが、机の上に置かれている置物を指差す
にとり「それは置物に見えますが、中身は爆弾なのですよ」
DIO「爆弾だと?」

364:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:48:08.073 TffytEL5a.net
カービィェ

365:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:48:14.097 gpgbqe4F0.net
にとり「あぁ、安心してください、あくまでそれは見本というか……爆発はしませんので」
DIO「…これはなんだ?見たことのない形の物だ」
にとり「それは持ち運び可能な映像再生機器ですよ」
DIO「映像だと?これで映像が見れるのか?」
にとり「えぇ、最もその映像は、このカメラを使ってディスクに焼きこまなければならないのですがね」
DIO「…私にはさっぱりわからんな…」
にとり「…あの、こんな辺鄙なところになぜ?私に発明してほしいのでなければ、本当に理由が…」
DIO「いやなに……ちょいと妖怪の山を見てみたくなってね…それで、ちょうどその麓にこの小屋を見つけたから立ち寄った、それだけだ」
にとり「なるほど…ですが、この山にはあまり見ものなんてないですよ」
DIO「あぁ、それは知っているさ」
笑いながら…DIOが、小屋の中にあるものを次々と眺めていく
DIOの見たことのない機械ばかりだ……中には、用途どころかそもそもの構造さえ理解できないものもある
DIO「…ここは面白いな……」

366:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:48:52.322 gpgbqe4F0.net
笑いながら…DIOが、小屋の中にあるものを次々と眺めていく
DIOの見たことのない機械ばかりだ……中には、用途どころかそもそもの構造さえ理解できないものもある
DIO「…ここは面白いな……」
にとり「そうですか?よかったら、何かほしいものがあれば言ってくださいよ」
DIO「…君には何の得もないじゃないか」
にとり「いえいえ、作ることそのものが趣味なのですよ」
DIO「…変わったヤツだな」
ちらり、と小屋の外を見る
夕日がそろそろ沈む…それを見たDIOが、ぽつりとつぶやいた


DIO「…あの太陽を消す機械を作ってくれよ」

367:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:49:34.456 gpgbqe4F0.net
にとり「…は、はい?」
DIO「フフフ…冗談だ、吸血鬼だからね、太陽は天敵なのだよ」
にとり「あ、あぁ……そういう意味ですか」
にとり(吸血鬼ジョークなのだろうか?)

368:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:50:03.712 gpgbqe4F0.net
DIO「…すまないな、急に邪魔をして……本当はもう少し話をしたいのだが…フフフ、ここは興味深いからな…だが、さすがにこの時間までいては邪魔になるだろう」
にとり「そうでもないですよ、幻想郷の中にはあなたのような知的なタイプなどほとんどいないもので、私も意外とあなたに興味があったりするのです」
DIO「…」
にとり「私の機械作りの話など理解してくれる人もいないですから、あなたはそれをもしかして理解してくれるかも、と…」
DIO「…そうだなぁ…もしも私に何か作ってほしいものができたら…報酬代わりに君の話を聞いてやるよ…中々面白そうだ」
にとり「本当ですか!!」
DIO「それじゃあ、今日は邪魔するよ…そうだ、君の名は」
にとり「にとり…河城にとりと言います」
DIO「にとりか…よろしく」
妖しげな笑みを浮かべながら……DIOは、小屋の外へと足を踏み出した

369:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:50:21.758 gpgbqe4F0.net
空から姿を消そうとしている太陽を睨み付け�


370:ネがら、DIOは再び永遠亭へ向かおうと、踵を返し… ジョセフ「て、てめぇ…!!」 ジョセフ・ジョースターを見つけたのだ…



371:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:50:49.474 gpgbqe4F0.net
DIO「…」
ジョセフ「…」
文と、早苗も一緒にいた
どうも、妖怪の山から下りてきたようだ…なぜ?


DIO「…宴会の時以来だから…フフフ、二日ぶりか?こんな辺鄙な山で何をしていた、ジョセフ」

372:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:51:07.212 gpgbqe4F0.net
DIO(…ここの連中を味方につけようと、登っていたのか?フン、ご苦労なことだ)
DIO(…まさか、このDIOが幻想郷の中で少しずつ信頼を獲得しているとは思っていないだろうな…美しい絹に少しずつ水が吸い込まれていくようにな…)

DIOの問いに、ジョセフはしばし睨みを利かせ、そして答えた

ジョセフ「…ちょーっとここの上の神社にお参りに行っただけよ、ここで争いごとが起きませんようにーってな!!」
DIO「…早苗、君はなぜここにいる?話に聞くと、ここの頂上に君の神社はあるんだろう…」
早苗「い、いえ…」
ジョセフ「こいつが人間の里で宣教したいって言うんだけどよ…ちょうど俺が泊まっている紅魔館ならこいつも泊められるって寸法よ」
早苗「そ、そうなんですよ!!」
DIO「…フフフ、そうか…それは大変だな」
DIO(フン、わざわざそんなごまかし方などしなくてもいいものを…この早苗とかいう女…ジョセフを信用しているようだな、こいつは要注意だ…)

373:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:51:24.043 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…てめぇこそ何しにこんなところにいるんだよ」
DIO「なに…私は、永遠亭からの帰りだ…少し散歩するのも悪くないだろう?」
ジョセフ「な、なんだって?」
DIO「いや、帰りというのはおかしいかもなぁ……今日は永遠亭で泊まらせてもらうのだからな…フフ」
文「DIOさん…え、永遠亭にはどのようなご用事で?」
DIO「あそこの永琳とは…どうも気が合うような気がしてなぁ…」
そのセリフに、ジョセフは顔色を変えた
DIO(恐怖しているな…ジョセフ…)
DIO(そうだろうな、自分だけではない、このDIOも味方を作っているのだ…それも、貴様のなんかよりもよっぽど強力な味方をな…フフ)

374:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:51:42.646 gpgbqe4F0.net
DIO「…おっと、君たちは紅魔館へ帰る途中なんだろう?早く行ったほうがいいんじゃあないか…?」
文「そ、そうですね、ジョセフさん…」
ジョセフ「ちっ……おいDIO、あんまり出歩くと、妖怪に襲われるぜーッ!!!」
DIO「…」
DIO(妖怪に襲われるだと?全く逆だな…私を襲ってきた妖怪など、もはやそいつの命など保証できん…)


その時だったッ!!


DIO「!!」

突然!!時間が止まったのだッ!!
この感覚、DIOは馴染み深い物!!目の前のジョセフや文達の動きは止まっている!
DIO(ほほう…咲夜のヤツが時間を止めたか?そういえば、今はそろそろ夕飯という時間か…)
DIO(フフフ…フハフハフハハハハハハハ!!このDIOの『止まらない世界』…ジョセフ、貴様にもほんのちょっぴり味わわせてやる)

375:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:52:03.740 gpgbqe4F0.net
止まった時の中、DIOがジョセフの後ろにくるりと回り込む

DIO「…ジョセフ、お前はこの止まった時の中での私に動きに気づいていない…気づくわけはない」
DIO「文、早苗…お前達もそうだ…そして、フフ…もしも私が『世界』の拳で貴様達の胴を貫けば、一貫の終わりなのだが…あいにくと、それはやめておいてやろう…」



時間が動き出した

ニヤリと笑ったDIOが、ジョセフに言う




DIO「くだらんことを言うなよジョセフ」

376:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:52:27.374 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…ハッ!?い、いつの間に後ろにッ!!!」
文「!!??い、今の今まで私達の目前にいたのに…!!」
ジョセフはもちろん、文と早苗さえも驚愕の表情を浮かべていた

DIO「なに…君達には見えなかったのか?我が『世界』が私を運んだのが」
早苗「そ、そんなスピードがあるんですか!?」
DIO「…見えなかったのなら関係ない……フフ、ジョセフ」
DIO(…驚愕しているなァ、ジョセフ…このDIOが、咲夜の止めた時の中で動けると、初めて体験したか?フフ)

DIO「……それではな」

377:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:52:47.942 gpgbqe4F0.net
驚愕の表情を浮かべる三人に背を向け…DIOは、再び永遠亭へと歩を進めた

DIO(……フフフ…白玉楼、幽々子と妖夢…)
DIO(その幽々子と親交の深い八雲紫……今度はそれとも親交を深めるべきか)
DIO(いや…とにかく、今日は永遠亭の連中の信用を得るとするか)

ニヤリ、と笑ったDIOが、小さくつぶやく



DIO「ジョセフ…貴様の、私に対するそんなちゃちい対抗など…無駄なことよ、無駄無駄」ニヤリ

378:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:54:18.556 gpgbqe4F0.net
DIO「……」
再び竹林の前にたどり着いたDIOは、ちょうど見知った顔を見つけた

妹紅「…ん?なんだ、DIOじゃないか」
DIO「…妹紅……何をしている?君は竹林の中に住んでいたじゃあないか」
妹紅「何も、一日ずーっと竹林にいるわけじゃないさ…ちょいと外に用事があったんだよ」
DIO「…」
妹紅「お前こそ何してたんだ?こんなところで」
DIO「…永遠亭に行くところなんだ」
妹紅「…永遠亭だと?」

眉をひそめた妹紅の理由を、DIOは知っている
DIO「…輝夜のことだな……フフフ、聞いたぞ…君と彼女は因縁の相手なのだ、とな」

379:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:54:34.975 gpgbqe4F0.net
妹紅「…DIO、お前が連中と絡むのを咎める気はない…だが、一つ警告しておくよ、あいつらは決して真っ白なヤツらではない」
DIO「……そんなことはわかっている…フフ、何しろ私も真っ白とはとても言えないのでなぁ…」
妹紅「…永遠亭への道は?わかるか?」
DIO「あぁ、もちろん……君はどうするんだ」
妹紅「途中まで私も同じ道だ……気に食わないけど、連中と住んでる場所が近いからね」
DIO(……永遠亭組と手を組むとなると、妹紅は少しばかり味方に加えにくいか…まぁいい、不老不死なだけの人間などに興味はない…)
妹紅「…じゃあ、行こう」
DIO「あぁ」

380:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:54:58.495 gpgbqe4F0.net
妹紅「……ん?」
突然妹紅が足の動きを止めたのは、竹林をしばらく進んでからだった
足元に、小さな毬が転がっていたのだ
妹紅「こ、これは子供の遊ぶ毬だ……な、なぜこんなところに…」
DIO「……それがここにある、ということはここに子供がいた、ということだろう…別に驚きではない、この近くには人里があるじゃあないか」
妹紅「こ、この時間に私の案内もなしに!!こ、子供がここに迷い込んだのだとしたら!!」
DIO「…」
妹紅「竹林の中で迷っているかもしれない?そんなことならまだマシだ!!こ、ここには危険な妖怪が多数生息しているんだ!!」
焦ったように、妹紅が大声を上げる
妹紅「おい!!!どこにいる!?だ、誰か!!!この毬の持ち主はいるか!!!」
DIO「…妹紅、あまり大声を出すなよ………その程度のことで」
妹紅「な……なんだと!?」

381:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:56:53.269 gpgbqe4F0.net
どこ吹く風、といった顔のDIOに、妹紅が詰め寄る

妹紅「お前!!!子供が一人、もしかしたら妖怪の餌食になっているのかもしれないんだぞ!!そ、それを…その程度だと!?」
DIO「…それは、人間の立場に立って考えた場合のことだ…だがなァ、妖怪の立場になって考えろ、それは仕方のない捕食なのではないのか?」
妹紅「私は人間だ!!!!」
DIO「……昔から…ずっと思っていた、人間はいつも弱い者ばかりの味方になろうとする…それが気に食わないのだ、強い者を憎むのは、自分自身も弱者だからだろう?弱者同士が集まって強がる…フン、哀れな犬と同じよ、一匹では獅子に立ち向かえない」
妹紅「DIO……!!!それ以上言ってみろッ!!いくらお前が吸血鬼だとしても!!私は、お前を叩きのめすッ!!!」
DIO「だから落ち着けと言っただろう……毬の持ち主が見つからない……そして、ここに血の跡はあるのか?」
妹紅「!?」
妹紅が地面を見渡す
だが、血の跡と思われるものも、引きずられたような跡もない

DIO「……どう思うのだ、君は?まさかその妖怪が一瞬にして、その人間を丸呑みしたとでもいうのか?」
妹紅「そ、それは……」

382:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:57:10.739 gpgbqe4F0.net
DIO「私の推測はむしろこうだったのだ……その毬の持ち主は、わざとその毬を置いて『逃げた』のではないのか?先に妖怪を見つけてしまい、自分は慌てて隠れたのではないか?そして、お前の呼びかけに出てこないのはただ一つの理由」




DIO「…まだこの近くに妖怪がいるからこそ、怖くて出られなかったのではないのか、となァ」
妹紅「!!」

383:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:57:28.969 gpgbqe4F0.net
DIOの後ろから!突如、巨大なオオカミが飛びかかってきた!!!
妹紅「DIO!!う、後ろだ!!!」
DIO「…」



DIOの体から幽体離脱するように、「世界」が突然現れた!!!
その巨大な拳が、一撃でオオカミを遠くへ吹き飛ばす!

384:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:58:03.530 gpgbqe4F0.net
DIO「…言っただろう…人間はいささか弱い者の味方ばかりする、それはつまり『強者』の立場になって考えようとさえしない、ということだ…」
DIO「……そして、お前は冷静さを見失い、あろうことか大声を上げてあのオオカミにわざわざ自分の居場所を教えてやった、というわけだ」
妹紅「う……」
DIO「……私はなァ……………人間などどうでもいいのだ、別に子供があのオオカミに食われていたとしても、私はそれは自然の摂理だと思うのだ…弱肉強食という言葉を知っているか?」
妹紅「……」
DIO「…そしてだ…あのオオカミはあろうことかこのDIOに手を上げたのだ、たかがオオカミの分際で…」


「グルォォォオオオオアアアア!!!!」

385:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:59:19.245 gpgbqe4F0.net
DIO(!?………まだ生きていたのか…なるほど、確かにこいつはただのオオカミではないな)
妹紅「DIO!!そ、そいつは恐らく妖怪になってしまったオオカミだ!!


386:体力も強さも、普通のオオカミなんかと比べ物にならないぞ!!!!」 DIO「…」 噛みつこうと、牙を剥いてきたオオカミの体に、再び「世界」が拳を叩き込む DIO「……ヌゥ…まだ死なないのか」 妹紅「よ、妖怪の回復力は異常だ!!一撃や二撃じゃあ意味がない!!」 DIO「よかろう…ならば、このDIOの突きを食らわせてくれるッ!!!」 ぐるり、とDIOはオオカミの後ろに回り込む!! 「世界」の拳とDIOの拳!! 二つの突きが、オオカミを直撃する!!! DIO「無駄無駄無駄ァァァ!!!!」 「ギャオオオオオオオン!!!!」 妹紅(ま、まだ死なない!?あのオオカミ……ま、まさか!!!) 妹紅「DIO、そいつから離れろッ!!そ、そいつは恐らく…」



387:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:59:46.997 gpgbqe4F0.net
DIO「!!」
突然!!!!オオカミの体から、無数の口が現れたッ!!!

DIO「ヌゥ!?」
DIOの拳に噛みつき、その牙を骨の奥まで突き進めていくッ!!
樹木を折るかのような音に、DIOが少しだけ焦りを見せるッ!!!
DIO「こ、こいつ…この回復力!!まるでッ!!このDIOや妹紅のヤツと同じ……!!」

妹紅「DIO!!そ、そいつは恐らく、今まで喰らった生き物の魂を持ったオオカミなんだ!!!!」

DIO「なんだと?」

妹紅「お前と同じだ!!生き物の生命力そのものを取り込む!!お前は魂は一つだけだが、そいつは恐らく!!!たくさんの魂を持った、いわば化けオオカミ!!」

388:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:00:41.635 gpgbqe4F0.net
DIO「ほほう…つまり、だ…このオオカミは、まだ何百回と殺し続けなければならないというわけだ……」ニヤリ


妹紅(わ、笑った……!?こ、この状況で!?)


DIO「やってやろうではないかッ!このDIOに牙を剥き、まして傷をつけたことを後悔させてやるッ!!!」

噛みつかれていない方の拳で、オオカミの頭を打ち砕くッ!!
頭蓋を砕き、脳みそがあふれ出したッ!!だが、その傷も一瞬で癒えるッ!!!
DIO「フハハハハハハハハハ!!!!!!無駄無駄無駄無駄!!!永遠の命!?不老不死!!!!!そんなもの、オオカミなどが手に入れるべきものではないのだッ!!」

389:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:01:01.088 gpgbqe4F0.net
オオカミの頭を両手で握り、顔面に膝蹴りを食らわせるッ!!!
流れ出す血しぶきの中に、無数の目が存在していたッ!!
DIO(妖怪……フフフ、先ほどの無数の口といい、面白いヤツだ…だが、所詮!!オオカミ如きにこのDIOが倒せると思うなよッ!!)



DIO「スタンドパワーを全開だッ!!フフフ……このDIOの恐ろしさを身をもって味わわせてやるッ!!!」


妹紅(な…なんて、タフなやつだッ!!)
額の汗が、妹紅の感情を表していた
凄まじい回復力を持っているオオカミももちろんだが、それを殺し続けるDIOに驚いた!!
妹紅(信じられない……宴会で萃香と戦った時以上の凄みを感じる…!)

390:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:01:31.213 gpgbqe4F0.net
DIO「KUAA!!」
DIOの拳がオオカミの体を貫通したその瞬間ッ!!

「グァァァアアアアオオオオオオオオギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
耳をつんざくほどの叫びを上げ、オオカミの体がどろりと溶けたッ!!!

DIO「……フン…」


妹紅「こ……殺した…信じられない、私の炎と違う…れ、連続の攻撃でその生命力を削るだなんて…」
DIO「……妹紅…これが弱肉強食というものだ、このオオカミは自分自身よりも強いこのDIOに負けたのだ」
妹紅「……あ、呆れた…お前、本当に…」
DIO「……そんなことよりも毬の持ち主はいいのか?こいつが死んだのだ、もう隠れている意味もあるまい」
妹紅「!!そうだ」

391:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:02:24.785 gpgbqe4F0.net
「あ……」

ガサッ、と近くの茂みが音を立てた
その方向に、DIOがずかずかと歩いていく

茂みに隠れていたのは、小さな子供だった
DIO(……子供か…フン、妹紅がいなければ血を吸ってやるところだったが…)
質素な服の襟を掴み、乱暴にDIOが茂みから子供をつまみ出す

392:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:02:31.156 gpgbqe4F0.net
妹紅「はっ!!そ、その子は慧音の教え子だ…」
「お、お姉ちゃん…」
DIO「……妹紅、君はこの子を竹林の外へ連れて行けよ」
妹紅「そ、そうだな……」
DIO「……フン、こんなところに子供が来るもんじゃあない……」
「わ、私…」
妹紅「大丈夫、このお兄ちゃんは悪い人じゃないよ」
「ご、ごめんなさい……」
DIO「…」
乞食を見るような目で、DIOが子供を上から見下ろす
DIO「…妹紅、早く連れて行け」
妹紅「あ、あぁ」


なぜか不機嫌なDIOを尻目に、妹紅と子供は歩いていく……

393:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:02:47.424 gpgbqe4F0.net
DIO(……子供の世話など、ずいぶんと結構なことだな)
妹紅の態度に、DIOは軽蔑さえ抱いていた
子供など、弱者など、どうでもいいのだ
DIOにとって、強者こそが最も気にかけるべき相手だ
戦うことも、仕えることもできない子供などどうでもよかった

394:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:03:04.241 gpgbqe4F0.net
DIO(……)


永遠亭の敷地を再び踏んだDIO
その入り口で、鈴仙とてゐが二人で談笑していた
DIO「…」
鈴仙「あ、DIOさん!!お帰りなさい」
てゐ「どうだった?何か面白いことはあったかい?」
DIO「…君たちに話して面白そうなことはなかった」
それだけ伝えて、まるで我が家に上がるかのような勢いでDIOが長い廊下を進んでいく
DIO(…………)



永琳「…帰って来たわね」
ぽつり、とつぶやいたのは永琳だった

395:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:03:27.689 gpgbqe4F0.net
輝夜「あら、誰が?」
永琳「姫様、今出かけているのは一人だけですよ……DIO」
輝夜「ふふふ……そうね、彼が帰ってきたのね、何も問題を起こさずに」
永琳「姫様、DIOが何か問題を起こすと考えられているのですか?」
輝夜「あの男、仮面を被ったような性格をしているわ……昔石仮面を被ったんですってね、面白いわ…」
永琳「…」
輝夜「……私はね、あの男は何かを隠していると思うの、それこそ何か彼の核心に迫るようなことを」
輝夜「……この永遠亭に彼を一日泊めるのを許可したのも、彼という生き物を観察するため…」
輝夜「永琳、いいかしら?彼に決して心を許してはならないわ」
永琳「えぇ、もちろん」

396:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:03:45.089 gpgbqe4F0.net
DIO「…失礼するぞ」
障子を開けたDIOが、輝夜と永琳の前に立つ
身長190を超える彼の、上から見下ろす視線は自然と相手を見下しているように思える
輝夜「お帰り、どうだったかしら?面白い散歩ができた?」
DIO「……まぁな」
永琳「そう、それならよかったわ……食事にするでしょう?そろそろ夕食の時間ですものね」
DIO「……そうだな、いただくよ」
永琳「鈴仙!!鈴仙、聞こえる!?」

397:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:05:04.268 gpgbqe4F0.net
鈴仙「は、はい師匠!!!」
勢いよく部屋の中に鈴仙が飛び込んでくる
鈴仙「な、なんでしょうか?何か問題でも…」
永琳「そうじゃないわ、夕食の用意をしてちょうだい、DIOの口に合うような物をね」
鈴仙「わ、分かりました!!(説教じゃなかった、ほっ……)」
永琳「あら、何か安心したような顔ね…?どうしたの、鈴仙」ゴゴゴゴ
鈴仙「な、なんでもありませんよ!!!DIOさん、何か食べたいものはありますか?」
DIO「…サバの塩焼きが中々口に合った、ここで食べたものではな」
鈴仙「じゃあ、そうしますね……20分ほど時間を頂戴しますッ!!」

398:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:05:38.472 gpgbqe4F0.net
DIO「……君達に一つ尋ねたいのだが」
畳の上にごろんと寝転がりながら、DIOが永琳と輝夜の顔を交互に見比べる
永琳「何かしら?」
DIO「君たちは今、どれほどの時間を生きてきたのだね」
永琳「あら…それこそ、永遠に近いわ…」
輝夜「DIO、あなたが思っているよりずっと長いのよ、一万年?二万年?その程度の短い期間じゃないのよ」
DIO「…なるほどなぁ…月が生まれたのは何億年も前だと聞いた…その単位で生きているのだな…?」
永琳「そうよ」
DIO「…長い年月を暮らしてきて、君たちが気づいたことをいろいろと教えてくれないか…外の世界ではそんな生き物はいなかった…せいぜい、80年ほど生きるのがやっとなのが人間だ」
輝夜「あら、私達も何かを学び続けているわけではないわ…いえ、むしろ時間の限られている人間だからこそ、何かを学んでいこうと思うのではなくて?」
DIO「…そんなに真面目な話でなくてもいいさ、人間の常識になっていることで、実はそうじゃあないということとかでもいい」
永琳「そうね、長生きできたら仙人になれる、なんていう人がいるけどそれはないわね」
輝夜「あと、人々が望む不老不死と、実際の不老不死は少し違うのよ」
DIO「…どういうことか、教えてくれるか」

399:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:06:14.094 gpgbqe4F0.net
輝夜「あなたのそれこそが、人間の求める不老不死じゃないかしら、栄養を補給することによって永遠に生きられる…けれど、いざというときは死ぬことも出来る、それこそが最も理想とされる不老不死よ」
DIO「…」
輝夜「私たちは違うの、腕を切り落とされ、足に釘を打ち続けられ、舌を抜かれ内臓をぶちまけられ、体の内側から炎で炙られても…死ぬことはない」
輝夜「死にたいと思ったことがどれほどあると思う?月から逃げ続ける毎日の中で、ビクビクと後ろを振り返りながら生きるのがどれほど辛いと思ったかしら」
輝夜「私はね、DIO……あなたのその不老不死が羨ましい、そしてそれに満足しているあなたにも」
皮肉のように言うが、輝夜は実際のところ、その通りの気持ちだった
輝夜「…DIO、あなたが石仮面を被った理由は、人間を超えてみたかったから、違う?」
DIO「……その通りだ」
輝夜「それが羨ましいのよ…もしも私が人間だったとしても、そうは思えないはずだもの」
DIO「……輝夜、それは当たり前のことじゃあないのか?フフフ…このDIOは、昔から上昇志向が強かった、それだけだ」
永琳「……」

400:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:06:37.790 gpgbqe4F0.net
永琳(この男は、いうなれば人間を超えた人間…)
永琳(人間とは成長する生き物よ、そして恐らくだけど、この男も今なお成長している…)
永琳(それが負への成長だとしても、それは著しいスピードなはず)
永琳(…何か、この男には怖いものを覚えるわ……ずっと先を走っていたのに、気が付いたら後ろに相手が追いついていた…マラソンで言えば、そんな恐怖)
永琳(……悪の帝王、この男からはそれを感じる……)

401:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:06:54.092 gpgbqe4F0.net
DIO「……輝夜、君と少し話をしてみたいんだ…永琳は大人の雰囲気で話していて落ち着く、という感じだが少しとっつきにくいだろう?」
輝夜「よくわかっているわね……永琳、彼と二人になりたいんだけどいいかしら」
永琳「えぇ、姫様」
すっと立ち上がった永琳に、DIOが声をかけた

DIO「そう怖がるなよ、永琳」
永琳「!」
DIO「……確かにこのDIOは、外の世界では悪と呼ばれる存在だった……いや、今もなおそれは変わらないだろうがね」フフフ
DIO「だが、少なくとも君たちに危害を加えるつもりなどない、そんなことをしても意味がないからな…」
DIO「サーカスのライオンを恐れる子供がいるか?危害を加えるはずのないライオンを…フフフ」
DIO「…」
永琳「…そうね、少しあなたに警戒しすぎていたかしら」
一筋の冷や汗を浮かべてから、永琳が部屋を去った………

402:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:07:21.934 gpgbqe4F0.net
輝夜「ごめんなさいね、永琳を許してあげて」
DIO「別に怒ってなどいないさ……」
輝夜「…彼女は、私のことを心配してくれているのよ、昔一緒に月から逃げた仲間だから…」
DIO「…」
月から逃げだし、地上へやってきた蓬莱人
普通に考えると、とても現実とは思えない話だ
もしもDIOが、「石仮面を被り吸血鬼になった」過去を持っていなければ、そんなの絵空事だと笑っただろう
DIO「……君たちは面白い人生を送ってきている………フフフ、実に興味深い相手だ…」
輝夜「…DIO、あなたの力は…吸血鬼の力、そして『世界』の二つでいいのかしら」
DIO「…何が言いたいのかね?」
輝夜「…幻想郷で様々な能力を見てきたけど、吸血鬼の怪力を持ち、さらにスタンドなんて守護霊も持つ……二つの強大な能力を持つ者は見たことがないから」

403:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:07:50.688 gpgbqe4F0.net
DIO「そうだな…いや、吸血鬼の力は私自身の基礎スペックと言うべきだ…君が不老不死を持っているのも、それは君の基礎だろう?その上で能力を持っている」
輝夜「そうね、私の場合は」
DIO「…?」
輝夜「あなた……何か隠しているんじゃない?さらなる能力を」
DIO「…」
輝夜「ジョセフ・ジョースターは念写という能力を持っているそうよ、あなたのスタンドは」
DIO「精密さ、パワー、スピード……そのすべてを極限まで極めている、それだけだ」
輝夜「……」
DIO「何かね?私が何か能力を隠している、と言いたいのか」
輝夜「…勘違いだったらごめんなさい、ただあなたの�


404:ク神力にしては、ずいぶんとシンプルな能力だと思って」 DIO「…」 輝夜「…それとも、まだ目覚めていないだけかしら」 DIO「フン、面白いな…さらなる能力を手に入れられる、というわけか」 輝夜「…分からないけれど、あなたには、もっと強大な力がふさわしいと思うのよ」 小さく笑いながら、輝夜が言う DIO(……この女、中々鋭いな……下手なことは言えないな)



405:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:10:11.625 gpgbqe4F0.net
輝夜「さて、そろそろ夕食の時間ね、DIO……ときにあなたは、箸を上手に使えるかしら?」
DIO「…いや、白玉楼では『世界』を使って魚の骨を取っていたが」
輝夜「ちょっと、この永遠亭ではそんな行儀の悪いことはさせないわ!!永琳に箸の使い方を教えてもらいなさいッ!」
DIO「…くだらんな…そんなことなど」
輝夜「いい!?郷に入ったら郷に従え、よ」
DIO「…分かったよ輝夜、君の言うとおりにしようじゃないか、ここは君の屋敷だからな…フフフ」

406:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:11:40.160 gpgbqe4F0.net
鈴仙「輝夜様、DIOさん、夕食ができましたよ」

DIO「……あぁ、分かったよ…」
輝夜「行きましょうか、DIO」

407:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:11:57.987 gpgbqe4F0.net
てゐ「あぁ、来た来た」
永琳「姫様、DIO、飲み物はお茶でよかったかしら」
輝夜「えぇ、助かるわ」
DIO「あぁ…すまないな」
食卓の上にはサバの塩焼きをはじめとして、さまざまな日本料理が並んでいる
DIO「…ほう、白玉楼に負けず劣らずの豪華な食事だな」
てゐ「お師匠様が医者の仕事でしこたま稼いでるからね、あたし達もこういった食事にありつけるってわけ」
DIO「…それは人参だよな?どうしてそんなに多くあるんだ?それはステーキなどの付け合せに食べる野菜だ、そのままなんてとても食べられたものじゃあない」
てゐ「ちょっと、何言ってるのさ!!人参は最高に美味しい野菜だよ!!」
鈴仙「DIOさん、人参の美味しさが分からないなんて、人生を損してますよ」
DIO(この馬鹿兎共は何を言っているのだ…)

408:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:12:14.311 gpgbqe4F0.net
永琳「…DIO、サバの塩焼きはどうかしら?」
DIO「そうだな……永琳、君に箸の使い方を教えてほしいんだ」
永琳「えぇ、こうやって持って…」
輝夜「あぁ美味しい…永琳、今日の食事はずいぶんと豪華ね、いつもはさすがにここまでではないわ」
永琳「DIOがやってきているのですから」
DIO「…すまないな、わざわざ歓迎してもらって…」
永琳(…彼は、紳士的な性格ではあるわ……それに、私達に危害を加えるつもりではないと言っている)
永琳(…悪ではある、でも私達にとっては牙を剥かない、檻の中の獅子…)
永琳(いえ、それどころか上手く彼と協力関係になれれば、中々のプラス要素になるわ)
永琳(何より、そのスタンドという能力…非常に興味深い)

409:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:12:37.897 gpgbqe4F0.net
DIO「ほほう…こうやって使うのか、なるほどなァ…」
輝夜「あら、もう覚えたの?早いわね」
てゐ「DIOは物覚えがいいな」
鈴仙「くっ……わ、私より上手かもしれないわ」
DIO「フフ…永琳の教え方が上手いだけさ、君は教師にでも向いているんじゃないのか?」
永琳「あら、これでも月では姫様に勉強を教えることもあったのよ」
輝夜「DIO、そっちの醤油を取って頂戴」
DIO「…これか?」
永琳「DIO、醤油の美味しさを知ってる?あなたの出身だったイギリスではあまり使わなかったでしょう?」
DIO「…そうだな、使ってみよう…」

410:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:12:51.008 gpgbqe4F0.net
DIO「…なるほど、中々美味だ…」
てゐ「美味しいでしょ、日本が誇る調味料なんだよ」
鈴仙「まぁ、醤油と味噌は重要ですね」
DIO(…何を言っているのだ、こいつらは)

411:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:13:12.939 gpgbqe4F0.net
永琳「…てゐ、鈴仙、先に二人で風呂に入りなさい」
てゐ「はーい」
鈴仙「じゃあ、片づけはウサギたちに任せますね」
輝夜「さて……私たちは何をする?DIO」
DIO「……私は特にすることもない、君たちは何をするのかね」
輝夜「私は少し仮眠をとるわ」
DIO「…食べてすぐに寝ると太りやすいと言うぞ」
輝夜「わ、私にはそんなの関係ないのよ」
永琳「姫様、風呂にはしっかりと入ってくださいね」
輝夜「分かってるわよ」
頬を膨らませてから、輝夜が奥の部屋へと入っていく


DIOと永琳が二人になった瞬間、少しだけ部屋の空気が変わった

412:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:13:38.062 gpgbqe4F0.net
DIO「…永琳、君は私に警戒しているのか?どうも、先ほどから少しよそよそしいじゃあないか…宴会の時はそんな雰囲気じゃなかった」
永琳「…姫様があなたになんて言ったか知らないけど…私は少しだけ、あなたが怖いのよ」
DIO「…」
永琳「…あなたは、どこか帝王のような恐ろしさを感じる、あなたの言葉を聞けば、ついつい従ってしまうような、そんな王者の風格がある」
永琳「…そして、あなたは外の世界で悪を貫いた…」
DIO「私が幻想郷で問題を起こすのではないか、と思っているのか……フフ、幽々子といい君といい…同じ心配をするな」
永琳「違うわ、永遠亭を巻き込むのではないか、それだけよ…別に他の連中がどうなっても、どうでもいいの」
DIO「…中々淡白な関係だな、幻想郷の住人というのは」
永琳「友人ではあるけど、家族でもなければ親友でもない、それだけよ」
DIO「…」

413:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:14:03.165 gpgbqe4F0.net
永琳「……永遠亭を巻き込む事件を起こすつもりなら、あなたに対して好意を抱くわけはないでしょう?」
DIO「フン、妖夢といいレミリアといい君といい…相当私は恐れられているのだな、そこまで畏怖の念を抱かれているのか、このDIOは」
永琳「…あなたを信用できないのよ、付き合いが浅いってのが理由だけど……それを言うなら、あのジョースター二人もそうよ」
DIO「君はあの二人に対して好印象を抱いているように見受けられたが…」
永琳「…出会って数日の相手を信用なんてできないわ、ジョースター二人がこの永遠亭にやってきても、やはり何か胸騒ぎはしそうだもの」
DIO「フフフ……そんなことを言って、実は私だけを怪しがっているのではないのか?このDIOが、スタンドと吸血鬼の力を引っ提げてこの幻想郷を恐怖の渦に巻き込むのではないのかとなァ…」
永琳「…」
DIO「…ではなぜこの私を泊めようと思ったのだ?そこまで私を疑っているにも関わらず」
永琳「あなたは、ここの住人に比べても大人っぽいもの」
DIO「…」
永琳の言いたいことが、DIOにはまったく分からない
DIO「どういうことだ?」
永琳「…面白い話が聞けそう、それが一番だったのよ」
DIO「…」

414:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:14:23.196 gpgbqe4F0.net
永琳「それともう一つ…あなたは私達にとって…いえ、幻想郷にとって少しばかり恐ろしい存在よ、外の吸血鬼だなんて」
永琳「でも、もしもそんなあなたと交友を深め、信じることが出来たら…」
永琳「あなたのことを利用させてもらおう、ってことよ……別に実験台にするとか、従者にしようなんてわけじゃないわ」
永琳「あなたの被ったという石仮面という物の仕組みについて聞いてみたい…少しばかり、あなたの話に興味を持ったのよ」
DIO「…君は面白い考えを持ったヤツだな……ここの連中は、他のヤツらは全員自分が正義、というような連中ばかりだ…好き放題騒ぐような性格だ」
DIO「だが君は、仮に相手が悪だったとしても……それを利用し、自分をさらに高めることが出来る」
DIO「さすがは賢者といったところかな…フフフ」
永琳(……DIOは……危険な相手であることには間違いない)
永琳(でも、今のこの態度を見ると、常に暴れまわる野獣ではない……普段は物静かな紳士でいられるらしい)
永琳(…そうなると、ビクビクして接するのは間違いね、私に危害が加わらないなら、こっちもある程度くだけて接することが出来る)

415:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:14:41.714 gpgbqe4F0.net
永琳「…ねぇ、夜は長いわ……どう?お酌するから、一緒に飲んでみない?それとも宴会でもう懲りたかしら」
DIO「…君となら有意義な時間が過ごせそうだ、構わないよ」
永琳「そう、じゃあ少し待っていて」


酒を取りに行った永琳のことを、DIOは考えていた

DIO(先ほどまでは警戒していたようだが……今の雰囲気、あいつはこのDIOに心を許したようだな)
DIO(フン、私も貴様を利用してやるまでよ……この幻想郷において少しでもこのDIOの影響力を伸ばしておくべきだ)

416:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:15:00.266 gpgbqe4F0.net
DIO(そして何より、輝夜という強敵と協力関係になることによって、行動に移した時のリスクを減らせる…)
DIO(…ジョセフのヤツは妖怪の山に登って神を味方にしたようだが……フン、そんなものなど無駄なあがきよ)


永琳「DIO、日本酒でよかったかしら」
DIO「…あぁ、フフフフ…」


永遠亭の夜が過ぎていく

417:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:18:35.708 gpgbqe4F0.net
DIOと永琳は、もう最初のギスギスとした空気ではなかった
酒を飲み、互いの反省を語り合ったことで友情にも近い何かを芽生えさせたのだ


DIO(…この永琳という女は利用できる…)
DIO(いや、幽々子と同じように、このDIOにとって有意義な存在だ……協力という関係になってやっても悪くない、フフフ)



DIO(…さて…ジョセフ、貴様はいったいどうやってこのDIOに対抗する?)

DIO(…ジョジョ、貴様との因縁にも、ここで決着を着けるのだッ!!!!)

418:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:20:31.180 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「……」
紅魔館の朝は、さわやかな紅茶を飲むことから始まる
今日の朝の紅茶はダージリンだった
レミリア「うん、やっぱり咲夜の淹れた紅茶は最高ね」
咲夜「ありがとうございます、お嬢様」
パチュリー「…そうね」
早苗「はぁ……日本茶もいいですけど、たまには紅茶もいいですね!!」
何か変わったことがあったとすれば、それは早苗がその光景に混じっていることだろう
昨晩ジョセフが連れて帰ってきたのだ

咲夜からすれば、「面倒なヤツを連れて帰ってきた」という嫌な意見の一点張りなのだが

419:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:20:49.950 gpgbqe4F0.net
咲夜「……そう、あなたにも紅茶の味くらいはわかるのね」
早苗「そ、そんなに喧々としないでくださいよ…」
パチュリー「…ジョジョ、どうして彼女を連れてきたのか、そろそろ理由を話してくれるかしら」
ジョセフ「……言っただろ、こいつが信仰を増やすために人間の里と比較的近いここを拠点にしたいって言ったからだよ」
レミリア「本当にそれだけ?もしかして、あなた早苗のことを気に入ったんじゃない?」
ジョセフ「……あー、そうかもね、そーだったらどうすんだよ」
レミリア「全力で追い返すわよ」
ジョセフ「……」
咲夜(……なんだか、ジョジョの表情が昨日から険しいわ…)

420:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:23:23.542 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「……咲夜、この近くに滝がある場所はあるのか?」
咲夜「た、滝?観光でもするつもり?」
ジョセフ「…そうだな、まぁそんなところだ」
咲夜「あるにはあるけど……でも、あまり観光には向かないわ、周りを渓谷が囲んでいるもの」
レミリア「それこそ、あなたが昨日向かった妖怪の山の方向よ」
パチュリー「そうね…わざわざ行くようなところでもないわ」
ジョセフ「高さはあるのか?」
咲夜「えぇ、相当高いわ」
ジョセフ「……」
がたっ、と椅子が音を立てる
ジョセフは立ち上がり、テラスから館の中へと向かおうとしていた
早苗「ジョセフさん、どこか行くんですか?」
ジョセフ「………滝に行ってくる」

421:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:23:44.837 ujezd2aO0.net
ジョセフは信頼に足る人物という見解であるはずなのに妙に信頼されなかったりするよな
うまい描写だと思う

422:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:23:58.510 gpgbqe4F0.net
レミリア「ちょっと、聞いてた?面白味もないただの滝よ」
咲夜「それに、昼間は妖精たちがたむろしてるから…絡まれると面倒よ?」
ジョセフ「…」
その制止に耳も傾けず、ジョセフがそのまま紅魔館を後にした

423:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:24:18.181 gpgbqe4F0.net
咲夜「…」
レミリア「なんだか……ジョジョのヤツ、ちょっと暗くなかった?体調でも悪いのかしら」
パチュリー「それだったら、滝を見に行ったりしないわよ」
早苗「あ、あの……私は何をすれば」
咲夜「とりあえず、私の手伝いをしなさい」
早苗「ひ、ひぃーッ!!!」

424:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:24:35.000 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「……」
紅魔館の門をくぐると、ジョセフは大きく息を吸い込んだ
DIOは永遠亭にいるはずだ……白玉楼、そし永遠亭
もしもこのままDIOが順調に交友を深めていったら…


ジョセフ(…絶対、あの野郎は何か厄介ごとを起こすに違いないッ!!)
ジョセフ(そうなったとき、唯一あいつのスタンドに対抗できるのは俺だけだ……スタンド使い同士!!)
ジョセフ(そして、その場合、俺はあいつを波紋で片付ける必要になるッ!!!)

425:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:24:37.124 XrAwh50Nd.net
くっさ

426:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:25:15.67


427:0 ID:gpgbqe4F0.net



428:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:25:19.063 nmdbaotrd.net
おもしろい

429:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:25:37.831 gpgbqe4F0.net
波紋の修業

430:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:25:43.675 8fuznpzc0.net
修行編か

431:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:25:58.814 gpgbqe4F0.net
ジョナサン「アリス、この幻想郷って、意外と狭いのかい?」
アリス宅で、ジョナサンは幻想郷の地図と思われるものを広げていた
アリス「えぇ、山と言ったら妖怪の山、ってくらいよ…山なんて目立ったのは一つしかないし」
ジョナサン「へぇ……」
アリス「あなたも探検してみたら?中々目新しいんじゃない?」
ジョナサン「いや、僕はここで人形を作るのを手伝うよ」
アリス「そう、ありがとう」

432:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:26:10.503 XrAwh50Nd.net
中学生かな

433:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:26:15.507 rISdkHdw0.net
どうせならジョナサンとも修行してほしいな

434:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:26:21.689 gpgbqe4F0.net
アリス「…それにしてもジョジョ、あなた意外と器用よね」
ジョナサン「そうかな?」

435:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:26:42.428 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「……妖怪の山にある滝、か」
妖怪の山に続く道を歩き、ジョセフはつぶやいた
そこを通っている人間は、いないのだ……ジョセフだけが歩いている
それだけ、この道が危険なのだと言うことだろう
もしも一人で歩いていれば、妖怪に殺されるかもしれない
もちろん、今の幻想郷はそこまで物騒ではないらしいが
ジョセフ(…滝に打たれて修業、なんてちーっと前時代的すぎるかと思ってたが…)
ジョセフ(だが、自分自身の鍛錬になるなら、時代遅れとか古臭いとか、いちいち文句も言ってられねーぜッ!)
ジョセフ(……シーザーとかつて行った柱の修業のように……この修業で、俺はDIOを倒せるほどの波紋を身に着ける必要がある!)

436:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:27:03.670 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…なるほど、確かにこいつはでかい滝だな……」
一時間ほど歩いただろうか、ジョセフの目の前には高さが30mはあるだろう滝がそびえたっていた
水の勢いもかなりのものだ、もしも滝の真下に行こうものなら水の勢いによって、相当なダメージを受けるだろう
下手をすれば気を失ってしまうかもしれない、それほどの勢いだ
ジョセフ(……俺の波紋は、リサリサに鍛えられてそれなりの物にはなった、だが…それも、結局はおじいちゃんやリサリサに敵うような強さではない!)
ジョセフ(それを補ったのは俺が得意としていた戦略だったが……DIOには、それが通用しない)
ジョセフ(だとすれば、俺は波紋を強めねばならないッ!たとえ、それがどんなに辛い修業だとしてもッ!)

437:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:27:27.372 gpgbqe4F0.net
チルノ「んー?あー!そこにいるのは誰だ!?」

ジョセフ「……ん?おめー、たしかチルノとか言ったな」
チルノ「あたいのことを知ってる!?何者だ、名を名乗れッ!」
ジョセフ「……そういやぁ、咲夜が妖精たちがたむろしてるって言ってたな…」
チルノ「無視すーるーなー!!!!」
ジョセフ「……ジョセフ・ジョースター…ジョジョだよ、ジョジョ」
チルノ「ジョジョ?変わった名前だな」
ジョセフ「…っと、お前と話してるヒマはないんだ」
滝の方に進んでいくジョセフの背中に、チルノが声をかける
チルノ「そっちに行っても面白い物はないぞ!!ここであたい達とかくれんぼでもしないか!!」
ジョセフ「断る、俺はおめーほどヒマじゃないんだ」

438:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:27:51.796 gpgbqe4F0.net
近づけば近づくほど…その滝は、相当な角度で聳え立っていた
ジョセフ(あ、当たり前だが……直角に聳え立っている)
ジョセフ(…水流に逆らって上ることで、きっと波紋の強さも鍛えられるはずだッ!!)
波紋の呼吸を整え、水の中に進んでいく
奇妙な形の波紋が水面に広がる
ジョセフ(……す、すごい勢いだ、この水流はッ!!)
体に打ち付ける水は、ジョセフの体を水面に叩き伏せようとしているかのようだったッ!
必死に体勢を維持するが、それで精一杯!!とても波紋の呼吸を整え、岩肌に張り付くなどできなかったッ!!
ジョセフ「お、ぉぉおおおおおおお!!」

439:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:28:56.264 gpgbqe4F0.net
文(…面白い記事になりそうなネタもないですし…)バサバサ
文(…あやや?あ、あれはジョセフさん!?な、なんで滝に突っ込んでるんですか!)
文(ま、まさか自分の将来に絶望して……!!!)

440:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:29:19.455 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「ぐぉおおおお……く、くそぉ~~…あと少しで岩肌に手が付くッ!!も、もう少しだッ!!!」


文「ジョセフさん!!そ、それだけはダメです!!早まらないでェェェ!!!」
ジョセフ「あ、文!?て、てめー何しに…ちょ、ちょっと待てッ!!」


文「ダメですよ、滝に突っ込むだなんて!!!」ガシィッ
ジョセフ「や、やめろ!!やっと岩肌に手が届くのにィィィ!!!!」
文「ほら、こっちに来て話をしましょう!!!」


文の怪力によって、ジョセフは滝の外へと連れて行かれた…

441:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:30:04.484 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「なんてことしてくれたんだてめーッ!!!お、俺は滝で波紋の修業をしなきゃならなかったんだよッ!!」
ジョセフから事情を聴いた文は、平謝りしていた
文「す、すいません…まさか修業していたなんて」
ジョセフ「ちくしょーッ………せっかくやっとこさ岩肌に手が届きそうだったのに…」
文「で、でもこの滝を上ったからって、波紋が強くなるんですか?」
ジョセフ「正確には、より細かいコントロールできるようになりたいんだよ」
文「コントロール…」

442:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:30:32.035 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「昔俺が教わったのは、水鉄砲は出口が小さいほど水がよく飛ぶ、ってことだった……波紋も同じだ、指先から一点集中で打ち出すことで大きな威力になる」
ジョセフ「だが、俺の波紋はおじいちゃんのそれに比べると、そもそもの強さが違うんだ」
ジョセフ「…コントロールを上げてないと、とてもDIOには対抗できねぇ」
文「……波紋の強さを上げることは無理なんですか?」
ジョセフ「そ、それも出来るかもしれねぇけど……こう、そういうのは実戦で磨いていくものなんだ、走り込みしたりとか、相手に波紋をぶつけまくるとか…」
ジョセフ「でもよ、そんな相手…」


文「…私が修業の相手になりますよ」
ジョセフ「にゃ、にゃにィー!?お、おめーがッ!?」

443:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:31:17.509 gpgbqe4F0.net
文「波紋を喰らっても、私ならすぐに回復できますから」
ジョセフ「で、でもよ……いいのか?おめー、記事のネタ探ししてるんじゃ…」
文「大丈夫、ジョセフさんにあとで目一杯取材しますから」
ジョセフ「…わ、分かった……手合せ願うぜッ!!!」

444:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:31:32.806 gpgbqe4F0.net
滝の飛沫が、ジョセフの背中を冷たく濡らす
視線の先には、仁王立ちする文がいた
彼女の実力はどれほどの物なのか……
ジョセフ「……行くぜ…」コォォォオオオオオオ



ジョセフ「波紋疾走、オーバードライブのビートッ!!」

445:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:31:48.849 gpgbqe4F0.net
駆け出したジョセフが、文の体に向けて波紋を打ち込むッ!!
それを、体をひるがえして避けた文が、すっと拳を打ち出した
ジョセフ(!?は、速いッ!)
咄嗟に「隠者の紫」を文の腕に絡め、その軌道を少しだけずらした
だが、肩を軽くかすめただけのその拳の一撃は、ジョセフの体を滝の下まで吹き飛ばしたッ!!!

ジョセフ「な、なんだこの力はッ!!」
バッシャアァァン!!!
派手に水しぶきを上げ、ジョセフが水面に叩き付けられたッ!!
ジョセフ(な、なんて力だ……こ、これは吸血鬼以上かもしれねェ!!!)

446:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:32:13.575 gpgbqe4F0.net
文「…うーん、ジョセフさん……拳からの一撃は、たぶんですけど十分な威力があるんじゃないでしょうか」
ジョセフ「な、なんだってー?」

水面から立ち上がったジョセフが、文の顔をじっと見つめる

文「ジョナサンさんの波紋の強さを知らないので、なんとも言えませんが……少し前に天狗達に喰らわせた波紋は、彼女たちを気絶させたじゃないですか」
文「それって、結構驚異的なことなんですよ?その点から考えても、一発一発の威力は問題ないはずなんです」
ジョセフ「じゃ、じゃあどうしろって言うんだよ……」
文「…DIOさんの驚異的なところは、そのスタンド…『世界』に凝縮されています」
ジョセフ「…」

447:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:32:50.190 gpgbqe4F0.net
文「本体から10m以上離れる、しかもパワーもスピードも精密さも一級品のスタンド、それが脅威なんです」
文「ですが、逆にそこが弱点でもあるはずなんですよ」
ジョセフ「弱点?」
文「魂魄妖夢を知っていますか?彼女の体の外には、彼女の半身と言える半霊が浮いていますよね」
文「あの半霊にダメージを与えると、魂魄妖夢自身もダメージを少なからず受けるのです」
ジョセフ「!!スタンドと同じだ……」
文「特に、DIOさんのスタンドは人間の形そのものをしています、恐らくなんですが、あのスタンドにあなたの『隠者の紫』を触れさせることが出来れば…」
ジョセフ「!!そ、そこからの波紋で倒せるってことか……」
文「つまり、あなたが身に着けるべきなのは二つ、一つは効率のいい波紋の生成法、もう一つはその波紋を一瞬の判断で流せる、反射的な反応です!」
ジョセフ「そ、そんなのどうすりゃいいんだよ!?」
文「波紋は、呼吸法によるエネルギーの生成で行われるんですよね?つまり、簡単に言えば肺活量を上げることイコール効率のアップにつながります」
ジョセフ「た、確かに……」
文「1呼吸でも波紋は練られるはずですよね?となると、波紋を相手に打ち込んで、その隙に攻撃されるのが一番恐れるべきことです」
文「体内に溜めた波紋を一気に放出し攻撃する、ということは一瞬ですが体の中に波紋が溜まっていない状態になる、ということ…」
文「水鉄砲はすべて打ち終わったら、水を補給しないといけない……それと同じです」

448:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:33:32.735 gpgbqe4F0.net
文「となると、ですよ?出来る限りその隙を減らせれば、あなたは少なくともDIOさんに直接攻撃されることはないんじゃないでしょうか」
ジョセフ「そ、そんなことはわかってるけどよ……」
文「それともう一つ、あなたが波紋を打ち出すのは、相手の急所に当てられるときだけです、それ以外で打ってしまうのは無意味と言えます」
文「……呼吸というのは、100%自分で掌握することはできないものです、今どうやって呼吸をしているのか、それをずーっと意識していたら疲れのほうが溜まりますからね」
文「重要なのは、ここぞと言う時のために波紋を溜め込んでおくこと…」
ジョセフ「……ど、どうすりゃいいんだよ」
文「私が思うにですが、波紋は体の末端からしか出せないんですよね?となると、しばらくの間末端以外の場所に波紋を溜めればいいんじゃないですか?」
ジョセフ「そんなことできるかよォー!!!お、おめー!自分の体の中の赤血球を右手だけに集めろ、って言うのと同じくらい難しいんだぜッ!」
文「そうじゃないですよ、末端以外ならどこでもいい、つまり波紋を外にまき散らさないことが重要なんです……」
文「さっきあなたが水面に浮かんでいたとき、体の周りに波紋が出来ていました、それじゃあダメなんですよ」
文「水に触れていても勝手に波紋が流れて行かないようにする……それができれば、戦闘の合間に体の中で強力な波紋を練られるはずです」
文「あなたのおじいさん…ジョナサンさんは、それを身に着けているのではないでしょうか?」
ジョセフ「そ、そうなのか……?た、確かにおじいちゃんは波紋の強さは相当だと聞いたが…」

449:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:34:49.601 AIusCAeZ0.net
完全に師匠

450:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:36:08.480 ALAr3Y3/a.net
古来から天狗って人に妖術とか武術とか教えるの好きだし

451:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:36:22.856 gpgbqe4F0.net
文「……ですが、ジョナサンさんと接触するのはできるかぎり避けた方がいいですね、DIOさんに警戒されてしまうかもしれません」
ジョセフ「じゃ、じゃあ……」

文がすっと、右手を前に差し出す
ジョセフの嫌な予感は当たった
満面の笑みを浮かべて、文が言うのだ



文「私が鍛えてあげますよッ!!!!」

452:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:37:02.659 gpgbqe4F0.net
ジョセフ(こ、こうなったらやるしかねぇッ!!)
ジョセフが、滝の下の湖に足を突っ込む
もちろん、今波紋の呼吸をすれば、そのすべての波紋が水の中へと逃げ�


453:トいく ジョセフ(よ、よく考えてみろ……波紋を体から外に出さない方法があるはずなんだ) ジョセフ(常に体の中に波紋を溜める……俺が拳での波紋疾走を使うときはいつも、少しだけ「溜め」を作っていた) ジョセフ(DIOとの戦闘で、立ち止ってゆっくり溜める時間はねぇッ!ほんの一瞬で、溜めを作る必要がある……それがもし、あいつから逃げるために走っているときにできたらッ!) ジョセフ(振り向きざま、あいつに波紋を喰らわせられたらッ!だ、だが走っている疲労を消すにはやはり波紋を使ってしまう…) ジョセフ(お、おじいちゃんはどうしてあのDIOを真正面から倒すことが出来たんだ!?き、きっと常に波紋を生成し続けていた、そして溜め続けていたッ!) ジョセフ「や、やってみるか……!!」コォォオオオオオ 文(…)



454:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:37:21.087 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「く……くそォッ!!だ、だめだ、波紋が水に流れていく!!」
ジョセフが湖の淵の地面を殴る
本来なら、波紋が地面を駆け巡り、周りの石や落ち葉が跳ねるはずだろう
だが、今は波紋はより流れやすい水面のほうに向かっているのだ
ジョセフ(避雷針をも無視できる雷のように!俺も、この水面に奪われない波紋を使ってみせなければならないッ!!)

455:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:37:59.531 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…く、くそぉ……」ハァハァ

既に1時間はこうやって地面に拳を突き立てている
だが、一向にその効果は表れない
文「…ジョセフさん、大丈夫ですか?」
ジョセフ「な、何かがあるはずなんだ……俺の波紋疾走には、まだ伸びしろがあるハズなんだ!」
ジョセフ(か、考えろ……水の中に波紋を逃してはいけないッ!!そのコントロールさえできれば、空中にも波紋を逃さず、100%相手にぶつけられるッ!!)
ジョセフ(…そして、呼吸も効率よく、一番上手に練れる呼吸のリズムを体で覚えるッ!)
ジョセフ(おじいちゃんの波紋は恐らくそれだ、最速のスピードで波紋を練れる呼吸のリズムを、常に行っているッ!)
ジョセフ(俺の波紋は修業によって、どうにか戦えるレベルにはなったッ!拳から叩き付ければ吸血鬼や柱の男も倒せるほどには…)
ジョセフ(だが、まだダメなんだ!!相手は、あのDIO……そう簡単に打ち込めるわけはない!俺がエシディシやワムウを倒せたのも、それは相手の油断を誘い、相手を最弱の状態にしたうえで、だった!!)
ジョセフ(……常に最高の波紋を練った状態を維持し、さらにはそれを100%相手に伝える…)

456:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:38:25.953 gpgbqe4F0.net
文「……ジョセフさん、あなたは波紋をどの程度コントロールできるんですか?」
ジョセフ「……くっつく波紋ならできるぜ、ただ弾く波紋とくっつく波紋の二つを同時にコントロールはできねぇし…」
文「そ、それもできないんですか……」
ジョセフ「お、おめー!!知らないだろ、くっつく波紋と弾く波紋!!」
文「なんとなく想像つきますよ、あの滝をくっつく波紋で上りつつ、落ちてくる水の勢いを弾く波紋で殺そうとしていたんじゃないのですか?」
ジョセフ「あ、当たってやがる……」
文「……ジョセフさん、波紋を使うとき、どういうイメージで波紋を使ってますか?」
ジョセフ「……こう、指先から出すって……」
文「…ジョセフさん、波紋は体の末端から出すんですよね?つまり、手足の4つの出口があります」
ジョセフ「な、何を言ってる?」
文「…水面に触れているのは、そのうちの2つ、足なんですよ?腕から出せば問題はありません」
ジョセフ「だ、だが…はッ!!」
ジョセフは、そこでかつてのシーザーを思い出したッ!!

457:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:38:40.480 bpdxRdZ5d.net
今のところジョナサンの存在が足枷にしかなっていないが果たしてどうなるか

458:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:39:01.824 gpgbqe4F0.net
ジョセフ(シーザーは、あの柱の修業の時……足で、足で柱にくっついていた!!も、もしも少しでも弾く波紋があしから流れていれば、体勢を崩し柱の下に落ちたはずなのにッ!)
ジョセフ(つ、つまりあいつは足からは「くっつく波紋だけ」を、そして腕……油との接触部には、「弾く波紋だけ」を流していたッ!)
ジョセフ(じゃ、じゃああいつは、もしかして波紋を手と足、どっちから出すかをコントロールできたってことじゃないのか!?)
ジョセフ(そ、それはつまり!!あいつの波紋は完全にコントロールされたものだったということッ!ど、どうりでシャボンの全てを完全に形を保ったまま飛ばせるわけだッ!)
ジョセフ(拳の先から、強い波紋を確実に流せるようになっていたんだ、シーザーはッ!)
ジョセフ(そ、そしてシーザーの波紋の強さは俺とほとんど変わらないッ!!俺も、もしもあいつほどに上手く波紋をコントロールできればッ!!)

ジョセフが足元の水面を見つめる
そこに「波紋を流さないように」というイメージで、今まではやってしまっていた
だが!!もしも、足ではなく、腕だけに集中すればッ!!足は、ただの飾りだと考えてしまえばッ!!

ジョセフ(……「腕だけから波紋を流す」 そのイメージだッ!!)
ジョセフ(やってみる、やってみせるッ!!)

459:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:41:03.750 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「オォォォォオオオオオ!!!波紋疾走!!!」
拳を地面に打ち付けるッ!!!
その瞬間ッ!!わずかだったが、周りの石が跳ねたのだッ!!!
ジョセフ「で、できたッ!!!」
文「!!い、今確かに波紋が地面を……!!!」
ジョセフ「よ、よし、この調子だ!!!」
再び、間髪入れずにジョセフが地面をたたくッ!
今度は、先ほどよりさらに激しく石が跳ねた!!
ジョセフ「よし、コントロールは身についたッ!!そして、恐らくだが一番効率よく波紋を練れる呼吸法も!!この呼吸が一番俺にはあっているッ!」
ジョセフ(そうだ、俺は今まで、波紋の修業ではリサリサに教えられるだけだったッ!メッシーナとロギンズに教えられるだけだったッ!)
ジョセフ(だが、シーザーは違った!!シャボンランチャーは、あいつ自身が考えた技、自分の波紋を最も上手く使える方法をあいつ自身が考えた、そして恐らくッ!あいつは、あの柱の修業で、自ら二つの波紋のコントロールを身に付けたッ!)
ジョセフ(そうだ、俺に合っている呼吸法は、俺にしか分からないッ!!そして、恐らくだが俺は今までそれを見逃していたッ!!だが!!)



ジョセフ「波紋疾走!!!刻むぜェェ!!!血液のビートッ!!!!」

460:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:41:30.529 gpgbqe4F0.net
文「!!」
文は、その言葉を聞いて地面から飛び上がった!!
地面を駆け巡り、波紋が周りの落ち葉や石、木々の枝を吹き飛ばしたッ!!
文(こ、これは……なんて威力の波紋ッ!!椛達を撃退したときと、比べ物にならないほどに感じる……!!)

ジョセフ「こ、これだ……これで、俺の波紋はまた一段と強くなったってわけだぜ!!」
ガシィッ!!と拳を握り、ジョセフが笑う

ジョセフ(ありがとよ、シーザー!!!!)

461:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:42:11.529 gpgbqe4F0.net
文「……ッ!!」
ジョセフと再び組手を始めた文の顔は、真剣そのものだった
先ほどまでのジョセフとは違う
文(本能的に、この波紋は危険だと分かるッ!!く、くらってしまえば一日は気絶したままになりそうですッ!)
ジョセフ「オラオラァ!!!」
文(しかも、確実に私に隙が生まれた時だけを狙っているッ!)
文が腕を振るった、ジョセフが「隠者の紫」でそれを受け止める
文(う、受け止めたッ!?ま、まずい、波紋が伝わって…)
ジョセフ「やりィー!!!今ので一本だなッ!」
満足げに笑い、ジョセフが「隠者の紫」を収める
文「…す、すごいですよジョセフさん……ま、まさかこの短時間でここまで成長するなんてッ!」
ジョセフ「かなり急ぎ足だったし、そこまでの成長ではないけどな……ただ、普通の波紋使いなら出来ることを、俺はまだ未収得だっただけだ」
ジョセフ(おじいちゃんは、もうとっくにこんなことは出来るんだろうな……だからこそ、俺だって少しでも修業しなきゃならないんだッ!)
文「ジョセフさん、そろそろ取材を……」
ジョセフ「いや、また頼むぜッ!」
文「ひ、ひィー!!!!」

462:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:42:39.678 gpgbqe4F0.net
日が暮れた……
文「……もうそろそろいいんじゃないですか、ジョセフさん」
ジョセフ「すみませんでした……」
地面に倒れているジョセフを、上から文が見下ろす
ジョセフ「て、天狗が本気出すとこんなに強いのかよ……」
文「…ったく、手加減して戦ってたのに、あなたが本気で来いって言うのですからね」
ジョセフ「も、もう疲れたぜ…」
文「はぁ、DIOさんとの戦いはこんな温くはないんですよ?まぁ、戦いになれば


463:、ですが」 ジョセフ「……あ、パンツ見えた」 文「!?」バッ!! ジョセフ「冗談だよ冗談……」 ムクリ、と体を起こしたジョセフが空を見上げる



464:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:42:57.071 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「そろそろ帰らないとな……文、お前もそうだろ?」
文「そうですね、今日は取材は勘弁してあげます」
微笑みながら言う文に、ジョセフは軽く頭を下げた
ジョセフ「…助かったぜ、今日は」
文「……ジョセフさん、無理だけはしないでくださいね」
ジョセフ「あぁ、明日くらいはゆっくり休むぜ」
文「そうしてください!」

文と固く握手をしてから、ジョセフが紅魔館へと帰る…

465:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:43:18.637 gpgbqe4F0.net
DIO(ヌゥッ……?)

永遠亭から外へ足を踏み出したDIOは、違和感を覚えた
また、咲夜が時間を止めているのだ
DIO「……」
くるり、と後ろを振り返ると、見送りのために出てきた永琳や輝夜が動きを止めていた
DIO(…この二人も、止まった時の中では動けない……か)
DIO(……つまりだ、もしもこの二人がこのDIOを裏切ったとしても……少なくとも、時を止めれば私は負けはしないというわけだ)
DIO(フフフ……)

466:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:44:04.543 6emR6Ndur.net
みつけましたが?を思い出す

467:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:44:19.480 gpgbqe4F0.net
永琳「じゃあ、気を付けてね」
DIO「あぁ、夕方まで邪魔したな……輝夜、君にも世話になった」
輝夜「えぇ、面白かったわ」
永琳「……DIO、ごめんなさいね…あなたのことを最初、疑いの目で見ていて」
DIO「…このDIOが恐怖の対象なのは仕方のないことだ」
永琳「今度、また遊びに来てちょうだい」
DIO「…気が向いたらな」

それだけ言ってから、DIOは竹林へと歩き出した……
てゐが後ろから歩いてくるのは、道案内のためか
だが、妖夢と来たときは迷うことはなかったのだ

468:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:44:26.681 gpgbqe4F0.net
DIO(…運命というヤツか?このDIOが迷いもせず永遠亭にたどり着いたのは…)

てゐ「ほらほらこっち!!」
DIO「……あぁ」

竹林を抜け出したDIOが空を見上げると、美しい月が浮かんでいた

469:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:44:29.980 u5K7PADw0.net
ジョナサンがヒロイン化してるのか

470:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:44:50.820 gpgbqe4F0.net
DIO「…君にも礼を言わないとな、助かったよ…」
てゐ「お師匠様が気に入ったアンタなら仕方ないさ」
DIO「それではな、みんなによろしく言っていてくれ」

ひらり、と身をひるがえし、DIOは闇夜の中を歩いていく……白玉楼の入口へと


DIO(……時は…もう少しで満ちる、このDIOが幻想郷の世界を支配する瞬間が近づいているのだッ!!)



DIO(…世界の頂点に立つのは…このDIOだッ!!!)

471:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:45:00.014 fyoKSdcMp.net
本当に咲夜とDIOだけが時を止めているのか、そこが一番気になる。

472:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:45:55.444 rISdkHdw0.net
>>452
…………!!気付かなかった
さらに時を止める第三者がいるかもしれない……!

473:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:46:33.988 5L0OeOlE0.net
展開予想はやめたれよ

474:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:47:13.930 JqrlIE6i0.net
まぁこんだけ話進めてて、いくら何でも承り登場は無いだろもう
(チラッ

475:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:47:21.474 lJJlY6D50.net
ブログのやつか

476:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:50:54.577 nXTk7K7S0.net
このスピードだど今書いてるわけじゃないんだろうから変な欲だすなよ
展開予想で改変されたものほどつまらんものはねぇし

477:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:52:33.038 8zFrdnL4d.net
これからバイト行くから誰か終わっても保守しといてくれると有難いです
>>1も頑張ってくれ

478:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 16:55:08.416 gpgbqe4F0.net
私にとって…この幻想郷というのは非常に興味深い場所だった
住人は人間だけではない……
妖怪や天狗、さらには吸血鬼までいたのだ……
そして信じられないことに、ここにいる者達の中には、幽波紋と同じように、不思議な能力を持つ者がいたのだ
霊夢や魔理沙、アリスを始めとして…私が交友を深めたのは、それらの者達だった
とりわけ……白玉楼の西行寺幽々子と魂魄妖夢、そして永遠亭の八意永琳と蓬莱山輝夜…彼女たちとは交友を深めることにした
それは決して、プッチのように信頼できる友人が欲しかったからではない
あくまでこの幻想郷で行動を起こした時に、強敵が増えないようにするためだった……


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch