ジョセフ「幻想郷で交わる血の運命」at NEWS4VIP
ジョセフ「幻想郷で交わる血の運命」 - 暇つぶし2ch200:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:17:42.006 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「な、なんだなんだ?なんで文が門にいるんだ?」
窓から門を見てみると…美鈴と話し込んでいる文が目に飛び込んできた
しかし、ジョセフには心覚えがない
レミリア「ジョジョ、あなた文と待ち合わせでもしたの?」
ジョセフ「よ、よぉレミリア…してねーよ、俺だって咲夜から聞いて驚いたんだからさ」
パチュリー「そうなの?でも彼女、美鈴にあなたが起きてるかどうかってすぐに尋ねたみたいだけど」
ジョセフ「お、おいおい…マジかよ、なーんか怒らせるようなことでもしたのかぁ?俺…」
咲夜「とりあえずすぐに彼女のところに行きなさい、美鈴もあれだと門番の仕事できないし」
ジョセフ「い、いや…もともとしてねーだろ」
咲夜「そういう問題じゃないの、私が気に食わないってだけ」
ジョセフ「あ、そー……ま、まぁいいや…ちょうど俺も出かけようと思ってたところだしさ、今日はたぶん夕方くらいに帰ってくるから昼飯はいらねぇよ」
咲夜「分かったわ、気を付けて」

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15/07/22 14:18:42.406 gpgbqe4F0.net
文「あ!!ジョセフさん!!!」
ジョセフ「お、おはよー文…」
門でジョセフの顔を見た文は、嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねた
ジョセフ「ど、どうかしたのか?なんか一時間前から待ってるって聞いたけどさ…」
文「いえ、た、ただ…昨日の宴会からの帰り道、今度一緒に出掛けようって約束したじゃないですか」
ジョセフ「…きょ、今日?いきなりぃ!?」
文「い、嫌だったらいいんですよ!!一人で記事のネタを探しに行きますから!!!」
ジョセフ「おいおい、誰も嫌とは言ってねえだろ……ただちょっと驚いただけなんだよ」
文「そ、それなら…!」
ジョセフ「夕方くらいには帰ってくるけど、それまでなら時間あるぜ」
文「な、ならまずはどこから行きます!?景色のいい場所もありますし…」
ジョセフ「お前の住んでいるのは、たしか…妖怪の山だったよな」
文「?は、はい」


ジョセフ「そこに行ってみようかな」
文「」

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15/07/22 14:19:00.243 gpgbqe4F0.net
ジョセフ・ジョースター 誇り高き人間

203:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:19:30.785 gpgbqe4F0.net
文「あ、あの…ジョセフさん、いまさらなんですけど…」
妖怪の山に向かう道中、文が心配そうな顔で声を掛けてきた
文「…妖怪の山には、人間嫌いな妖怪が多く住んでるんです」
ジョセフ「へーっ、でもお前も住んでるだろ?」
文「…ジョセフさん、正直なことを言います……妖怪の山に行ったが最後、あなたは生きて帰れないかもしれません」
ジョセフ「…」
文「あなたが弱いと言っているんじゃなくてですね……いいですか?どんなに強い人間でも、河童や天狗には敵わないんですよ、それに最近は神様も居ついてますし」
文「で、ですからッ!!できれば行先を変えたほうがいいと思うんです、別に妖怪の山じゃなくても…」
ジョセフ「いや、俺は一度行くと言って逃げ出すようなまねはしない」
文「ジョセフさん…」
ジョセフ(…あぁ、知ってるさ…天狗やら河童やら、そんなやばそうな連中がうじゃうじゃいるってことはなァ!!でもな…そういうヤツを味方につけなきゃいけないくらい、今の俺は追い込まれてるんだ…)
ジョセフ(そして逆に言えば……それを味方に出来れば、俺は大きな収穫を得たことになる…)
ジョセフ「……俺は絶対に帰らない、何がなんでも妖怪の山に行ってやるッ!!」
文(うぅ…一度こうなると、聞かない人ですよね…)

204:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:20:01.616 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「う、うひょーっ!!な、なんてでかい山だ…」
文「それだけじゃないですよ、ほとりには…」


にとり「ん?文さんじゃないですか、どうしたんですか?記事のネタ探しに行く時間だと思ったのですが」
文「あぁ、にとりさんこんにちは……」
ジョセフ「にとり?誰だそりゃ、昨日の宴会には来てなかったよな」
にとり「……あの、文さん?こちらの方は」
文(う…い、嫌な顔してますね…)
ジョセフ「俺はジョセフ・ジョースター!!ジョジョって呼んでくれ」
ジョセフ(なんだか分からないが…こいつも人間じゃないんだろうな!どう見ても見た目の年齢と雰囲気が釣り合わないもんな)

205:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:20:27.234 8fuznpzc0.net
河童の謎テクノロジーならDIO倒せそう

206:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:20:44.619 gpgbqe4F0.net
にとり「…ジョジョさんですか、それで?なぜわざわざこんなところに?」
ジョセフ「…あれ、なんか不機嫌じゃないか?」
にとり「…失礼ですが文さん、彼は…」
文「に、人間です……」
にとり「…ジョジョさん、あまりこの山に人間が近づくのはやめたほうがいいですよ、私もあまり好きではないですが…中には、人間を殺したいくらいに憎んでいる者やえさだとしか思っていない連中もいますから」
ジョセフ「そ、そんなおっかねーのか……てっきり文の冗談だと思ってたんだがな…」
文「冗談ではないですよ……」
にとり「しかし意外ですね、文さんが人間の方と仲良くされるなんて」
ジョセフ「なに?」
文「に、にとりさん!!」

207:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:20:54.661 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「どういうことだよ、そりゃあ」
にとり「彼女も、あまり人間を好いてはいないので」
ジョセフ「にゃにぃー?」
文「ご、誤解ですよジョセフさん、そ、そのですね……」
ジョセフ「なんだ、お前人間嫌いなのか?だったらなんで俺に話しかけてきたんだ?」
にとり「どうせ、記事のネタになりそうだったから、でしょう」
ジョセフ「ひ、ひでーっ!!」

208:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:21:24.681 gpgbqe4F0.net
文「ち、違いますよジョセフさん!!最初はそうでしたけど、でも…」
ジョセフ「ま、そんなことはどうでもいいんだよ……で、にとりだっけ?おめーは妖怪なのか?」
にとり「……えぇ、まぁ」
ジョセフ「へぇ……」
文「ジョセフさん、その訊き方はちょっと……」
ジョセフ「俺は回りくどい言い方なんてしないぜ、俺達人間と妖怪は別の種族なんだろ?だったら、別にそれに気を遣う必要なんてねーさ」
ジョセフ「それに、だ……俺は別にこいつが妖怪だからどうってことを言いたいわけじゃないのよ、それに人間嫌いなのもな、知ってるぜ…人間って、昔から妖怪退治とかしてたんだろ?だったらむしろ嫌ってない方がおかしいもんなー」
ジョセフ「台所に湧いたゴキブリと同じように扱うなんて、そりゃ嫌うに決まってる」
にとり「…」
ジョセフ「でもな、だからって最初から人間全員がそういう連中だって思わないでほしいのよ、中にはまともなヤツだっているんだぜ」
にとり「確かにそうかもしれません、でも私はそれを見分けられませんから」
ジョセフ「相手のことなんて最初からわかるやつがいるかよ、仲良くなって知り合って行くんだぜーッ!!」

209:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:21:49.473 gpgbqe4F0.net
にとり「ふふっ……あなた、ちょっと変わってますね」
ジョセフ「そ、そうか?なーんかここに来てからそんなことばっか言われるな…」
文「ジョセフさん、そろそろ登ってみますか?ここまで来たならもう行くんでしょう」
ジョセフ「そうだな…じゃあにとり、またな」
にとり「…ジョジョさん、気を付けてくださいね」
ジョセフ「おう」
文「行きましょうか」

210:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:22:06.603 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「な、なんていうか…山自体は普通のとおんなじなわけね」
文「…気を付けてくださいね」



椛「!!!文さん!!ジョセフさん、こんなところでなにを?」


ジョセフ「ん?どっかからか声が…」


ジョセフ「げ、げげーッ!!!上!?し、しかも一人じゃあねぇッ!椛と同じような格好をした天狗が何人も!!」
文「あー、早速面倒なのが…」

211:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:23:40.405 gpgbqe4F0.net
椛「文さん!!どうしてここにジョセフさんを連れてきたんですか!!!!!」
文「そ、それがですね…」
椛「ジョセフさん!!!ここにあなたが来たことは見逃します、だから…」
ジョセフ「目が血走ってるぜ椛、昨日とはまるで違う雰囲気だな」
椛「!!わ、私はあなたを気に入っているから忠告しているんです、もしもここに上ってしまえば…」
ジョセフ「…なぁ椛、その天狗の連中は自警隊ってヤツか?」
椛「…そうですよ、あなたみたいな人間や、一部の変わった妖怪が入り込まないように警備しているんです」
ジョセフ「へぇ」
文「も、椛……別にジョセフさんはここを荒らしに来たわけでは…」
椛「そんなことが問題ではないんです!!いいですか、ここの」
ジョセフ「『妖怪は人間が嫌いなんです』という」
椛「妖怪は人間が嫌いなんです…!!!」
ジョセフ「知ったことかよーッ!!!片方が嫌ってるからってもう片方が近寄らなければ、いつまでも距離が縮まることはないんだぜーッ!!!」

212:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:24:00.986 gpgbqe4F0.net
椛「あ、あなたって人は!!!」
ジョセフ「うるせぇ、知ったことかッ!!てめぇらが人間嫌いかどうかなんてどーでもいいんだよッ!!」
文「ジョセフさん!!!あ、あまり彼女たちを挑発しないでください!!」
ジョセフ「けっ、そんなに人間が嫌いなら俺になんて関わらなくていいんだよ、さっさと仕事に…」
ヒラヒラと手を振ったジョセフの頬を、一筋の矢が掠めた
たらり、と垂れた血が地面にぽたぽたと落ちていく
文「!!も、椛!!!」
椛「……これが仕事なんですよ、ジョジョさん」
ジョセフ「…そうかい、そりゃあ大層なこった」

213:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:25:08.325 gpgbqe4F0.net
文(ま、まずい…今のは椛の警告ですむしろ彼女がいきなり攻撃を仕掛けないだけでも、ジョセフさんに好意を抱いているのはわかる!!で、でも今のはジョセフさんには逆効果なはず…)
ジョセフ「でもなぁ椛、俺は決して面白半分でここに来たんじゃあねぇぜッ!!大事な理由があってやってきた、お前たちが止めるってなら俺はお前らを倒すまでだ!!」
椛「なら」

ずっと剣を取り出した椛が、ジョセフを冷めた目で見降ろす

椛「でしたら、私も…あなたをここで止めるだけです」

214:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:25:26.128 gpgbqe4F0.net
文「ジョセフさん…」
ジョセフ「文、お前は手を出すなよ……お前が俺の味方をすれば、ここでのお前の立場はまずいことになる」
文「!!」
ジョセフ「来いよ椛ッ!!!俺の覚悟を見せてやるッ!!」
椛「でしたら、行きますよ!!!」

椛が小さな翼をはためかせ、ジョセフの隣に移動する!!
一瞬の出来事ッ!ジョセフが気づいた時には、すでに椛の一撃がジョセフの脇腹に決まっていた!!!

ジョセフ「ぐへぇ!!!」
文「ジョ、ジョセフさん!!!」

215:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:25:45.250 gpgbqe4F0.net
椛「……ただの蹴りですよ、どうしました…?まさか今のでノックアウトなんかじゃあないですよね」

ジョセフ「う…て、天狗ってのは本当に怪力だな…い、いかに今まで文が俺の手を握ったりするときに手加減してくれてたが分かるぜ…」
椛「ふん、まだ私は堪忍袋の緒が切れていないですからね…今降参するなら」
ジョセフ「『見逃してあげ�


216:ワすよ、宴会の件もありますし』という」 椛「見逃してあげますよ、宴会の件もありますし…ハッ!?」



217:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:25:55.092 8fuznpzc0.net
白狼天狗にも翼ってあったのか

218:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:26:19.335 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「てめぇ何もわかってないな?俺が今何を思って、わ・ざ・と、蹴りを受けたのかがッ!!」
椛「わ、わざと!?」
ジョセフ「へっへーん!!安心したぜ、俺はなぁ…今、お前の蹴りを掌でガードしてみた、そして…波紋によってそのダメージを最小限に抑えたんだ!」
すっと立ち上がったジョセフは、蹴りなどくらわなかったかのようにピンピンとしていた!!
椛(!!い、いくら私が手加減をしていたとはいえ、まともにくらえば呼吸が苦しくなるはずなのに…ッ!!)
ジョセフ「へへへ……どうした?お前は俺の今の行動に焦っている?まさか、自分がいきなり試されてたことに驚いてる?」
椛「そ、そんなことはありませんッ!!!」
椛が指を鳴らすと、他の天狗達が一斉にジョセフを囲んだ
円形の陣、どこにも逃げられないッ!!
文(こ、これが彼女たちのやり方……こうやって確実に追い詰めてから、相手に攻撃するッ!!こ、このやり方から免れた者を私は知らない…)

219:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:26:55.586 gpgbqe4F0.net
椛「……ジョセフさん、あまり調子に乗らない方がいいですよ…」
ジョセフ「調子に乗る?調子に乗るだと?この俺が…まさか、お前、ほんのちょっとでも今の俺が強者に見えているのか?」
椛「!!か、かかれッ!!!」
一斉に天狗達がジョセフに飛びかかる!!
円の線上にいた天狗達が、中心のジョセフの点をめがけて飛びかかる!!


椛「これでおしまい……」


ジョセフ「そこでだ文…次のおめーのセリフはッ!!!『ま、まさかこんな避け方!!!』だ!!!!!」
文「!?」


ジョセフ「『隠者の紫』ッ!!!!」

220:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:27:31.652 gpgbqe4F0.net
ジョセフの腕から伸びた蔦が、近くの木の枝に巻きついたッ!!
椛たちがその体を抑える一瞬前、ジョセフはその蔦を利用して、一気に木の上へと飛び乗ったのだッ!!!


文「ま、まさかこんな避け方!!!」

椛「ば、馬鹿な…!!!」

ジョセフ「お前達にとって、人間は『飛ぶことさえできない弱い生き物』なんだろ?でもなー、俺にはそんな小細工通用しないのよーん!!!」
椛「くっ、攻撃に備えろ!!!」
ジョセフ「攻撃?俺がお前達に攻撃すると思ったのか」
ニヤリ、と笑ったジョセフは


ジョセフ「いいや、逃げるんだよォ~~~~~!!!!!!」

221:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:28:00.530 gpgbqe4F0.net
くるりと背を向けて、逃げ出したッ!!!

椛「な…」
文「な、なんなんですかあの人はァァァ!!!!!」

222:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:29:06.371 gpgbqe4F0.net
ジョセフ(ち、ちくしょォー…椛一人ならともかく、あんな数を相手にはできねぇ…)
ジョセフ(……どうにかして、一人ずつあいつらを倒す必要がある…)
ジョセフ(だ、だがそんなにうまくいくのか!?椛はともかく、周りの連中は至って冷静って感じだ…)
ジョセフ(こ、このままじゃあ…)


椛「!!見つけましたよッ!!」

ジョセフ「!も、もう来やがった!!」
森の中を駆けるジョセフ……そのすぐ後ろから、天狗達が追いかけてくる!
文の姿はそこにはない
ジョセフ(そ、それでいい……文はこのことには巻き込んだらいけねぇ…)

223:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:29:41.013 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…も、椛ィ!今俺に近づくのは、つまりおめーの敗北を意味するぜッ!」
椛「フン、そんなはったりには乗りませんよッ!」

バン、と足を踏み鳴らし、椛が空中へと飛ぶ
ジョセフ「!」
椛「恐らく走りながら、地面に波紋でも伝えていたんでしょう?それを使って、私たちが走ってきたときに何かしらの攻撃を仕掛けるつもりだったのでしょう…こんな風にっ!!」
椛が地面に向けて矢を射った!!!
その矢が地面に触れた瞬間、周りの石や葉っぱが一斉にその矢をめがけて飛び跳ねたッ!
椛「なるほど、逃げることと攻撃がイコールになっている、素晴らしい攻撃です…ですが、あなたの狡猾さは先ほどの時点でもう見抜いたんですよ!!」
ジョセフ「へ、へぇ…本当にそう思うの?」
椛「なに?」
椛がピタリと歩を止める
周りの天狗達は、それを追い越してもっと先へ……


椛「ハッ!!!み、みんな、止まりなさいッ!!!」

224:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:30:34.448 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「へへへ、椛…お前は確かに俺の狡猾さに気付いたみたいだな、ただ周りがマヌケだぜーッ!!!」

「ハッ!!こ、これは!!!」
天狗達が止まろうと思った時にはもう遅かった!!!
木々の間に、「隠者の紫」の結界が張られていたのだッ!!!

椛(か、彼が立ち止ったのはこのため…あのスタンドは恐らく、30mくらいは普通に伸ばせるタイプ、この距離からなら地面にいながら、木々の間に結界を張れるッ!!!)

「ぐぁぁぁッ!!!」
椛「!!!」

ジョセフ「『隠者の紫』には波紋を流してた、いくらお前らでも波紋を直接喰らえば少しはダメージあるだろォ!!!」

225:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:30:44.545 gpgbqe4F0.net
バチバチ、と火花を散らしながら、天狗達が地面へと落ちていく
その全部が、小さく呻いていた

ジョセフ「気絶しただけだぜ、お前らの回復力だ…どーせ一時間もすれば目を覚ます」

ニヤリと笑って、勝ち誇った顔でジョセフは椛一人を見上げる


ジョセフ「へっへっへ、やらせていただきましたァン…!!!」

椛「ジョセフさん……!!!!!!」

226:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:32:11.184 NBLbJTLJ0.net
DIOがどう頑張ってもBBA達に勝てる未来が見えない

227:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:33:15.288 gpgbqe4F0.net
文(ジョセフさんなら、簡単には負けないはず…)
文(た、ただ!!!ここは妖怪の山、仮に椛たちを倒しても、その後も問題は続く…)

椛のすぐ後に、文はジョセフの元にたどり着いた

ジョセフ「遅かったな文…」
文「!!ジョセフさん、よくぞご無事で…」
椛「……文さん、一つ頼みごとがあります、私に協力して、彼をこの山から追い出してください」
文「!」
ジョセフ「……」

228:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:33:34.906 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…文、おめーが自分で決めることだ」
文「で、ですが…」
椛「文さん、これはジョセフさんに仲間をやられた逆恨みからではありません…彼の身を守るためでもあるんですよ、このまま進んでいけば…下手をすれば、他の、もっと危険な連中に襲われる可能性だってある」
文「…」
ジョセフ「ぐだぐだめんどくせーッ!俺は前に進むからなッ!一時的な撤退はあったとしても、絶対に逃げ出すことはしねぇ!!」
文「ジョセフさん…どうしてそんなに、あなたは…」
ジョセフ「……俺は、強い味方がほしいんだ」
椛「強い味方?」
ジョセフ「…馬鹿な考えだと思うだろうけどな……だが、俺は真剣なんだよ」
椛「…一体何を企んでいるんです?」
ジョセフ「企みを邪魔することを企んでるんだよ」
椛「……意味が分かりませんね」
ジョセフ「分からなくたっていいんだよ」

229:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:33:54.836 gpgbqe4F0.net
「隠者の紫」を手元に戻し、ジョセフが椛を睨み付ける
ジョセフ「頼む、椛……おめーは話が分かるやつだと俺は信じてる。だからこうやって一度お前と話をする機会を作ったんだ、それでもダメならしょうがない」
椛「…一つだけ聞いてもいいですか」
ジョセフ「なんだ」
椛「……あなた、他の天狗達に手加減して波紋を流しましたね?それはなぜですか」
ジョセフ「…」

230:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:34:14.048 wkQ2eHTl0.net
>>218
それ以前にさとりたちに勝てない

231:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:34:20.149 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「こいつらは…人間が嫌いだって言ってた、そりゃ理由はわかる……文も前にあったが、人間の中には天狗を嫌ってる連中が山ほどいる」
ジョセフ「だからな、俺が手加減してやったくらいで、人間に対する評価が変わるとは思えねぇ」
椛「なら」
ジョセフ「でも、俺はこいつらのことなんて嫌いでもなんでもねぇ、俺は自分の信念がある、そしてそれと同じように、こいつらにだってこいつらの信念があって俺を止めようとしたんだ」
ジョセフ「自分の意志を持っているヤツに、俺は敬意を表したいんだ」
椛「……」
ジョセフ「…それに…俺までこいつらを無駄に傷つければ、一層こいつらは人間を嫌いになるだろ…それが、なんか寂しかったんだ」
椛「ジョセフさん、あなたは間違ったことをしていると思いますか?それとも正しいこと?」
ジョセフ「やりたいことをやってんだよ」

232:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:35:23.831 gpgbqe4F0.net
椛「…分かりました、文さんに警護してもらって行ってください」
ジョセフ「!!」
文「み、見逃してくれるんですか?」
椛「…ちょうど味方がやられたので、その治療に専念していた、という言い訳もありますし」
ジョセフ「た、助かるぜ…」
椛「…ジョセフさん、本当は」
ジョセフ「ん?」
椛「本当は、私だって……仕事がなければ、あなたに味方したいんですよ」
ジョセフ「…」
椛「ですから気を付けてください、もしも何かあったら…文さんに頼んで逃げてもいいんですよ」
文「ちょ、ちょっと…」
ジョセフ「逃げはしないぜ、俺はよ~~」
椛「……じゃあ、あとは文さんにお願いしますよ」
ジョセフ「そいつらが起きたら謝っててくれよなッ!」
椛「えぇ」
駆け出したジョセフと文の背中を見送りながら、椛は小さくため息をついた

椛「こんなの上司にバレたらしこたま叱られますね……」

233:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:35:46.544 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「なぁ文!!この妖怪の山で一番強いのは誰だ!!」

文「す、萃香さんじゃないでしょうか!!」
走りながら、ジョセフは辺りに目を配らせる
よくよく見てみると、弱そうな妖怪が茂みの奥からジョセフを見ている
だが、「文」という天狗が一緒にいることで、それらが攻撃を仕掛けてくることはない
ジョセフ(文ってもしかして結構強いのかもなー……こりゃ心強いぜ)
文「ですが、萃香さんはあんまり面倒なことには協力してくれませんよ!ジョセフさん、あなたはどうして味方を…」
ジョセフ「DIOと戦うためだ!!!!」
文「!!DIOさんと!?」

234:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:36:41.416 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「あいつはぜってーに何かしら問題を起こす!!!お前には分からないだろうが、あいつは絶対に危険なんだ!!おじいちゃんの昔馴染だとか、そんなことはどうでもいい!!!」
文「DIOさん…ジョセフさん、あなたはどうしてそう思うんですか!?」
ジョセフ「……俺のおばあちゃんから聞いた、DIOってのは相当に狡猾な性格なんだ、あいつは汚い人間だ!紳士的な態度を装い、相手に近づいてから本性を現す!!!」
ジョセフ「文、おめーにも忠告しとく、絶対にDIOにだけは心を許すな!!!」
文「……ジョセフさん、それは友人としての忠告ですか!?」
ジョセフ「それもある、だが俺はDIOにおめーみたいな強い味方ができるのを恐れてる!!」
ジョセフ「そして何より、お前があいつの味方になったとしたら…俺は、お前を敵として傷つけることができる気がしないんだ!」
文「!!」

235:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:37:02.553 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「いいか、俺はこの山で一番強いヤツを味方につける!!恐らくだが…そろそろDIOのヤツも幻想郷で味方を増やそうとしている頃だろう、本格的にあいつが動き出す前にッ!!俺も動かなければならないんだ!!!」
文「…分かりました、協力します!!!恐らくですが、山の頂上の神社のみなさんが味方になってくれるはずです!」
ジョセフ「!宴会に来てた連中か、それなら話が速い!!」
文「た、ただ…私だけならともかく、ジョセフさんがあそこまで登るには2、3日はかかると思いますよ!」
ジョセフ「構わない、DIOに対抗できる味方を作れるならそれくらい我慢するぜーッ!」
文(…ジョセフさんって、なんていうか…)
ジョセフ「ってわー!!!!!あ、文!!い、今俺変なキノコ踏んじまったぁ!!き、きもちわりーッ!」
文「…ホント、よく分からない人ですね」

236:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:37:38.945 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「はぁ……く、くそ…ただ登るだけなら波紋の効果で疲労なんてどうにでもなるがよぉ…」
額の汗を拭い、ジョセフが目の前にそびえる山の先を見る
高く聳え立った山の頂上は、まるで先ほどと距離が変わっていないように見える
文「…まったく、私がいるのに喧嘩を挑んでくる妖怪がいるとは思いませんでしたね」
文の足元に転がっているのは何の変哲もない妖怪だった
それが、いきなりジョセフに飛びかかってきたのだ
咄嗟の判断でどうにか勝つことは�


237:ナきたが、しかし波紋の呼吸が乱れてしまった 一瞬のうちに、どっと疲れがきてしまったのだ ジョセフ「…ち、ちかれたーッ!!!もうダメだ、ちょいと休憩させてくれよ…」 文「きゅ、休憩って……」 ジョセフ「お、おめー達天狗とは体力が違うんだよッ!だから…」 文「ジョセフさん、さ、さすがに無理をしすぎですよ!!この距離、もう今日はここで野宿をしてもいいくらいにあなたは歩いているんですよッ!」 文が山の前方を指差す…気が付けば、だんだんと西の空が夕焼け色に染まってきていた ジョセフ「…そうか、もう半日近く登ってたんだな」



238:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:38:02.936 d2Zy4Zf20.net
UDKは?

239:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:38:07.249 gpgbqe4F0.net
文「…ジョセフさん、今日はもう休みましょう、また明日…」
ジョセフ「もう少しだけ進んでから休みたいんだ」
文「!!」
ジョセフ「……大丈夫、俺は波紋が使えるから、疲労なんて…」
文「そういう問題じゃないんです!!妖怪の中には、夜に活発な活動を行う者もいるんですよ!!」
ジョセフ「お、大声出すなようるせぇな!!」
文「……ジョセフさん、確かにあなたが焦るのも分かりますけど…自分の体も大切にしてください」
ジョセフ「…分かったよ、今日はここでやめだ」
近くの木を背もたれにして、ジョセフが一息つく
ジョセフ「…なぁ文、どうやって野宿すんの?ま、まさかテントも張らないとか言わないよなぁ…」
文「そんなものあるわけないじゃないですか、幸いこの時期は山菜がありますし」
ジョセフ「オーノーッ!!!マジかよ、俺そんなの聞いてないよーッ!!」
文「大声出さないでくださいよ…」

240:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:38:32.750 gpgbqe4F0.net
完全に日が沈んだ……
先ほどまでは道の先も見えていたが、文の警告の意味が今になって分かった
この山は、日が落ちるとほとんど視界がなくなってしまうのだ
もしも闇雲に進んで斜面をすべり落ちて行ったら
それを想像すると、背筋がゾゾゾッと凍ってしまいそうになる
ジョセフ「…なぁ、前が見えないんだけどさァ…ど、どうやって山菜とか探すんだ?」
文「私は夜でもある程度見えますけど…ジョセフさんはそういうわけにはいかないですよね」
ジョセフ「な、なぁ!!俺の手でも引いて案内してくれよ」
文「!?い、いいいいいいいいいですよ、私一人で行きますからッ!」

241:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:38:42.321 1ewNvr7Ir.net
全然関係ないけど「しこたま」って性に目覚めることによって見方がかわるワードトップ5くらいにはランクインすると思ってる

242:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:38:54.190 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「だ、だってさー…一人になったら退屈で退屈で死にそうになるんだよォ!!」
文「で、でも手を引いてなんて…」
ジョセフ「早く早く、俺腹減ってやばいんだよ…」
文「波紋でなんとかなるんじゃないんですか…」
ジョセフ「そうだけど、気を抜いたらダメになるんだよ…」
文「…わ、分かりましたよ…」
文に手をつながれたジョセフが、ふとこんなことを言った


ジョセフ「なーんか学校帰りの小学生みたいな気分だな、オレ」
文(…私は母親ですか……)

243:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:39:41.300 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…文、おめーってさぁ」
山菜を拾い上げながら、ジョセフが文の背中をつつく
そのくすぐったい感触に一瞬体を震わせてから、文が振り返る
文「な、なんですか?」
ジョセフ「男に恋をしたりとかするのか?」
文「!?」

244:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:39:46.492 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「咲夜にも訊いたんだけどさー、あいつなーんか堅物っていうか、恋愛に興味とかなさそうでさ」
文「あ、あややややややや!!!!!」
ジョセフ「だから、おめーはどうなのかなと思ってさ~~っていうか、幻想郷のヤツってどいつもこいつも色恋沙汰とは無縁なのか?」
文「わ、私が誰のこと好きかとか知ってどうするつもりですか!!き、記事にするつもりですか!?」
ジョセフ「オーッ!?ということはだ、おめー、好きなヤツがいるってことかぁ!!」
文「ち、違いますッ!ちょっとした言葉の…」
ジョセフ「なぁなぁ誰誰ェン?」
文「う、うるさいですねッ!!それより山菜を集めてください!!!」
ジョセフ「ん?あぁ、これくらいでいいのか?」
両手いっぱいの山菜を差し出したジョセフを見て、文はぽかんとした

245:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:40:05.114 gpgbqe4F0.net
文「い、いつの間にそんなに集めたんですか…し、しかもちゃんと食べられる物だけを…」
ジョセフ「紅魔館の図書館でいろいろ本読んだからな、山菜の種類とかも知ってるんだぜー」
文「…なんというか、器用と言うべきか…」
ジョセフ「これだけあれば、どうにか腹も膨らむだろ」
文「そうですね、じゃあ眠れそうな場所を探しますか」

246:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:40:23.785 gpgbqe4F0.net
小さな洞穴、ジョセフと文はそこで腰を休めた
ジョセフ「これ使えよ」
ジョセフが、首に巻いていたマフラーを文に差し出す
文「?」
ジョセフ「それ敷いてから座れよ、スカート汚れるぜ」
文「あ、ありがとうございます…」
少し顔を赤らめてから、文がそのマフラーを敷いて座る

ジョセフ「しっかしさみィな~~……この時期冷えるのは、幻想郷でも変わらないんだな…」
文「そうですね……もうそろそろ秋も終わる頃ですから……」

247:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:40:55.381 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「……なぁ、木の枝落ちてるだろ、それこっちによこしてくれよ」
文「?」
ジョセフに文が木の枝を渡す
すると、どこから取り出したのかジョセフはライターを手にし、持ってきていたハンカチに火をつけた
ジョセフ「こうやってこうやって…できたーッ!!たき火の完成だよーん」
文「…あ、確かにあったかいですね」
ジョセフ「だろだろ?それに山菜も焼けるぜー」
文「山菜って焼くより天ぷらのほうが美味しいんですけどね」
ジョセフ「この状況で言うなよ…そうだ、帰りに山菜採って帰るかな、咲夜が調理してくれるかもしんねーし」
文「…私も、一応ちょっとなら料理できますよ?」
ジョセフ「あー?でも咲夜のほうが上手いだろ」
文「そ、そうですけどね……」
ジョセフ「…」
たき火をじーと見つめながら…なぜかジョセフは笑っていた

248:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:41:19.066 gpgbqe4F0.net
文「?どうかしたんですか?」
ジョセフ「いや、ちょっとな」

ジョセフ(そういやぁ、ワムウと戦った時も……こーんなたき火を焚かれてたなぁ…)
ジョセフ(…)

249:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:41:35.780 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「なぁ、文」
文「なんですか、ジョセフさん」
タラの芽を焼きながら、文が首をかしげる
ジョセフ「…悪いな、こんなことに巻き込んで」
文「…」
ジョセフ「別におめーには関係ないことだったんだ、俺が無理やり巻き込んだ…すまねぇ」
文「ジョセフさん、私は好きでここに来ているんですよ?人間が嫌いだった私に…霊夢さんや魔理沙さん、そして何よりもあなたがその誇り高いところを教えてくれた」
文「私は、今の幻想郷が大好きです……だから、DIOさんが何か問題を起こそうとしているなら止めなきゃならないんです」
ジョセフ「お前…」
文「…だからそんなこと言わないでください、さぁさぁ!早く食べて、ゆっくり休みましょう!!」
ジョセフ「そうするか!」

250:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:42:18.807 Fr31WDfC0.net
ずりあやで抜いてくる

251:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:42:26.998 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「……」
食事を済ませ、ジョセフは近くの岩を背もたれにして仮眠を取ろうとしていた
近くでは、文がたき火に木を足し続けている
ジョセフ「なぁ、お前も寝たらどうだよ?天狗でも疲れるだろ」
文「ね、寝るだなんて…ま、まさかジョセフさん、獣のような行為に出るつもりではッ!」
ジョセフ「なんだよ、こっちが親切で言ってやってるのによォ~~……」
文「…冗談ですよ、ジョセフさんはそんなことしませんからね」
ジョセフ「おやおや~~!?本当に?本当にそうかなァーン!!!」
がばぁっ、と起き上ったジョセフが文の元に近づく
文「ちょ、ちょっと!?」
ジョセフ「ふっふっふ、俺だって男なのには変わりないんだぜーッ!!!!」
文「ひっ!?」

252:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:44:11.698 kbhHh3ao0.net
よっしゃ

253:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:44:42.274 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「……なーんてね」
文「あ、あやや…?」
ジョセフ「冗談だよ冗談、そんなことするほどこのジョジョは野蛮じゃないぜ…」
いそいそと先ほどの岩のところに戻ったジョセフは、着ていた上着を布団代わりにした
ジョセフ「……おやすみーッ」
文「あ……」
ジョセフ(……一日でこの山の半分くらいまでは登り切った…明日か、最悪でも明後日には頂上につく)
ジョセフ(山の上にいるっていう神様を味方にしておかなきゃなんねーな)
ジョセフ(…)

254:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:45:58.208 gpgbqe4F0.net
文「…あの、ジョセフさん」
ジョセフ「なんだよ、たき火なら消していーぜ」
文「いえ、私寒いので…その上着、入ってもいいですか」
ジョセフ「えーっ、これなくなると俺寒いんだよ」
文「そ、そうではなくてですね……」
ジョセフ「なんだよ」
文「…一緒に入ってもいいですか?」
ジョセフ「あぁ、いいけど」
きょとんとしたような声のジョセフ
文はその上着の中に入った
筋肉質な腕が、文の細い腕に当たる
こうしていると、ジョセフにはどうしても敵わないような気がするのだ
ジョナサンから受け継いだのだろう、恵まれた体格
さらに波紋とスタンドもあり、頭もキレる
幻想郷で、恐らく彼ほど上手な戦い方をする者もいないだろう
文「…あったかいですね」
ジョセフ「う…お、おめーが入ってきたせいで左半身が風に晒されてるんだぜ、俺はーッ!」
文「私はあったかいですけどね」
ジョセフ「おめーは全身入ってるからだろッ!ち、ちくしょーッ!!

255:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:46:24.772 gpgbqe4F0.net
文(…寝れませんね)
隣でスヤスヤと寝息を立てているジョセフの顔をちらりと見て…文はため息をついた
彼のようなタイプは、文が出会ったことはなかった
魔理沙に似ているような態度だが…しかし違う
彼は、自分自身に誇りを持っているタイプだ
そして何より、人間だけでなく妖怪にも、愛情を抱く人間なのだ

初めて自分を見た時も、彼は決して差別的な目では見なかった
文(…本当に、優しい人ですね)
自分は寒い、なんて言いながら結局上着から文を追い出しはしなかった
文(…だから……)

ジョセフ「ん……」
文「?寝言ですかね」

256:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:46:39.333 JqrlIE6i0.net
まぁスージーQにまた半殺しにされたくないだろうしなー…
仗助の件で相当懲りてるだろうし

257:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:47:20.141 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「……シー…ザー…」
文(シーザー……?前に聞いた、ジョセフさんの友人ですよね…)
ジョセフ「……最後の最後まで…キザな野郎だ…」
文「…」
ジョセフ「…スージーQ……浮気したけどよ…俺はおめーを一番愛してるんだぜ…」
ジョセフ「リサリサ…もうちょっと…優しくしてくれよ…」
ジョセフ「花京院…アヴドゥル…イギー…」
文「…ジョセフさんは…私の知らない、たくさんの仲間がいたんですね」

258:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:47:29.628 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「ん…?あれ、俺…寝てたのか」
文「あぁ、目が覚めましたか…」
ジョセフ「……変な夢を見た……昔の仲間たちの夢を」
文「…スージーQって、奥さんの名前ですよね」
ジョセフ「ゲゲーッ!?お、俺そんなこと言ってたのか!?」
文「えぇ」
ジョセフ「あちゃーっ……な、なんか恥ずかしいぜ…」
文「……ジョセフさん、その…奥さんが幻想郷に来てなかったら、どうするんですか」
ジョセフ「どうって…そりゃあ、さみしいけどよ、別に俺は悲しまないぜ」
文「?」

259:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:47:59.075 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「きっとあいつはこことは違う、もっと素敵な場所に旅立ったんだ…俺がここにいるのは、あのDIOの野郎をぶっ倒すためだからな、こんな危険なとこ、天国とは思えねーぜ」
ジョセフ「それに、俺はここで生まれ変わったと思うわけよ、なら新たな恋をしてみてもいいと思うなーッ!」
文「そ、そんなこと言うから浮気性なんですよ」
ジョセフ「オーノーッ!確かにその通りだぜ……」
文「…くだらないこと言ってないで、そろそろ出発しましょう」
ジョセフ「ん?もうそんな時間か…」
立ち上がったジョセフが洞穴の外を見る
美しい朝日が、山の向こうから顔を出していた
ジョセフ「……まさに旅立ちの朝って感じだな」
文「さぁ、行きましょうか」
ジョセフ「あぁ」

上着を羽織り、ジョセフが一歩踏み出した

260:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:48:16.530 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「?なんか文、ちょーっとうれしそうだけどよ、どうした?」


文「なんでもないですよ、なんでもっ!」

261:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:51:04.092 fyoKSdcMp.net
そうだ!花京院が出てくれば敵なしじゃん!なんで今まで気がつかなかったんだろ

262:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:52:10.024 6lxwZOQU0.net
清々しい朝日にはパンツを替えたくなるものだ

263:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:52:25.220 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…長い道のりだな……」
波紋の呼吸により、疲労も空腹も感じていない
だが、時間の経過だけは当たり前の物だ
ジョセフの目の前には、山の頂上が見えいてる…だが、さきほどからそことの距離は変わっていないように感じられる

264:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:52:49.707 gpgbqe4F0.net
文「…もう少しですよ、たぶんあと5時間ほどです」
ジョセフ「5時間…な、長いけど…今日のうちに着けるのはありがたいな」
山の向こうの太陽が、ちょうど今が正午あたりなのだと知らせてくれる
ジョセフ(…昼飯、どうすっかなぁ…)
文「ジョセフさん、お昼ごはん、食べますか?」
ジョセフ「ん、そうだな……俺は空腹は波紋でなくせるから大丈夫だぜ」
文「無くせたとしても、体に悪いですよ?」
ジョセフ「……今は時間が惜しいんだ、早くその神様ってのと話をしないといけねぇ」
文(…そんなに、焦っているなんて…)

265:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:52:57.938 gpgbqe4F0.net
文「分かりました……ジョセフさん、私が結構疲れるから昨日はやめといたんですが、この距離なら大丈夫です」
ジョセフ「?何が」
文「私に捕まってください、山の上まで一っ飛びしますよ」
ジョセフ「!!そうか、その手があったのかッ!」
文の言うがまま、彼女の体に抱き着く
ジョセフ「へっへっへ、これなら隠れてセクハラもできるぜッ!!」
文「や、やったら叩き落としますよ!!」
ジョセフ「じょ、ジョーダンだよ……頼むぜ、文」
文「じゃあ、行きますよッ!!!」

266:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:53:12.761 gpgbqe4F0.net
文の翼が風を切る
ジョセフと文は、一迅の風になった

267:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:53:23.336 gpgbqe4F0.net
山の神 ジョセフ・ジョースターとの遭遇

268:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:53:49.661 gpgbqe4F0.net
早苗「…神奈子様、諏訪子様、お茶が入りましたよ」
守矢神社
妖怪の山の頂上にある、三人が暮らす神社だ
神奈子「ありがとう、早苗」
諏訪子「神奈子、昨日のジョナサンは私達に信仰しないかな」
神奈子「しないんじゃないの?外の人間は神様を信じるか信じないかの二極だからね、ジョナサンは信じてなさそうだ」
諏訪子「…だろうね、つまんないの」

269:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:54:06.606 gpgbqe4F0.net
早苗「…ですが、まだわかりませんよ?それに、外から来た人はあと二人いたじゃないですか」
神奈子「あのDIOってヤツもそのうちの一人に入ってるのか?だとしたらそれはないわよ」
諏訪子「他人に自分の運命をゆだねるようなヤツじゃないよ、どう見ても」
神奈子「そうね……つまんないわ、これじゃああいつらが来た意味なんて全くないと言っていいわ」
早苗「ま、まぁまぁ…外からのお客さんなんて、面白いじゃないですか」
神奈子「そうだけど……ン?」

神奈子が耳を澄ませる
外から、何かがやってくる音が聞こえた
それは、鳥が飛んでくるような…

270:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:54:30.128 gpgbqe4F0.net
神奈子「諏訪子、何かが近づいてきてるわ」
諏訪子「分かってる、なんか怪しい音がするね」
早苗「ま、まさか敵襲ですか!?」
神奈子「さぁね」

立ち上がった神奈子が、外へと向かう
空の彼方から、小さな人影が近づいてきている
神奈子(…天狗か?)

271:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:55:00.305 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「うわぁぁぁあ!!!!な、なんだよ文、こんなに速いなんて聞いてねぇぞッ!!ジェットコースターより怖いじゃあねぇかッ!!」
文「うるさいですよ、男のくせにッ!!」
ジョセフ「は、離すなよ文ッ!!!」
文「!!!!いました、あれは神奈子さんですね!!」
ジョセフ「な、なんか言ったかぁ~~?」
文「着地します、舌を噛まないでくださいねッ!!!」
ジョセフ「あ、あぁッ!!!」


神奈子「……」
ズドォォォォォォン!!!!

272:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:55:14.923 gpgbqe4F0.net
文「着地成功ッ!!ジョセフさん、大丈夫ですか?」
ジョセフ「ぐぁぁぇぇぇ………」
文「大丈夫ですね」
ジョセフ「どこをどうすれば大丈夫になるんだよ……」


神奈子「お前達、この守矢神社に攻め込んでくるとはいい度胸じゃないか」
文「はっ!!神奈子さん、こんにちは!!!」

273:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:55:36.010 gpgbqe4F0.net
諏訪子「神奈子、誰だった…?なーんだ、ただの天狗か」
早苗「あ、でもそっちにいるのは


274:ジョナサンさん!!!」 ジョセフ「ち、ちげーよ……俺はジョセフだ…」 早苗「あぁ、ジョセフさんでしたか」 ジョセフ「…はッ!!そんなこと言ってる場合じゃあねぇッ!お前達に頼みごとがあって来たんだッ!」 神奈子「へぇ………人の家の敷地を荒らしといて、その上頼み事だと、中々わがままで貪欲な人間だな」 ジョセフ「!!わ、悪い、そのことなら謝るからよ…」 神奈子「謝罪だけで済むと思うのか?私たちはそんなので許すほどは善人じゃあないんだよ」 文「か、神様のくせに……」



275:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:55:56.410 gpgbqe4F0.net
神奈子「…とは言ってもだ、私だって鬼じゃあない」
諏訪子「お、神奈子…もしかしてあれを?」
神奈子「あぁ」


神奈子「早苗、ジョセフと戦え」


早苗「は、はい?」

276:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:56:21.348 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「ゲーッ!?な、なんだよそれッ!こっちは大事な話があるんだよ!!」
神奈子「お前の理由など知ったことか、こっちは別に聞かないでもいーんだよ」
諏訪子「そうそう、もし早苗に勝ったら話くらいは聞いてやるよ」
ジョセフ(!!ち、ちくしょーッ……一刻も早く味方にしておきたいが、今のこいつらの態度だと、絶対に仲間にはなってくれねぇ…)
ジョセフ(ここは、この早苗ってのと戦うしかないか)


ジョセフ「い、いいぜ…その代わり、ちゃんと勝ったら話を聞けよなッ!!!」
諏訪子「いいぞ、なら話は決まった」
神奈子「早苗、守矢の名前がかかってるんだ、負けるなよ」
早苗「は、はぁ…」
文(…ジョセフさんは、非常に実力がある……椛たちを一人で蹴散らしたことからもそれはわかる…)
文(で、ですがこの早苗さんは恐らく彼が幻想郷で戦った全ての相手よりも強いッ!)
文(か、勝てるのでしょうか……?)

277:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:56:46.831 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…早苗だったよなぁ、ルールとか必要かぁ?」
早苗「いりませんよ、私がもう戦えないと思ったら私の負け、あなたが無理ならあなたの負け…それだけです」
ジョセフ「…単純なルールだな」
早苗「手加減はいりませんよ」


神奈子「…DIOは相当な実力の持ち主だった、ジョナサンも中々と思われる」
諏訪子「じゃあ、ジョセフはどうかなってことか…ま、三人も同時に強者がやってくるなんてことはないでしょ」

文(ジョセフさん……勝てるはずです、あなたならッ!!!)

278:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:57:11.755 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「ま、最初はそっちがどう出るかを見るけどよーッ」
早苗「…」
ジョセフ「おやぁ?どうした、まさかこの俺が何かしているんじゃあないかと不安になっている?」
早苗「いいえ、ちょっと……なんていうか、馬鹿っぽい人だなぁと思って」
ジョセフ「ば、馬鹿だと!?」
早苗「あなた、たしかジョナサンさんのお孫さんでしたよね?それにしては、どうも軽い人ですし」
ジョセフ「て、てめぇ……少し可愛い顔してるからってナメるなよッ!!」
早苗に向かって、ジョセフが走り出す
ジョセフ「そう馬鹿にされたんじゃあ、俺も黙っちゃいられねぇなッ!!『隠者の紫』ッ!」シュルシュル
早苗「ふふ、引っかかりましたねッ!」
ジョセフ「!!」

早苗が、小さく何かを呟いた、その瞬間ッ!
ジョセフ「うおおお!?」
ジョセフの体を、突然突風が薙いだッ!

279:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:58:13.657 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「ば、馬鹿な……い、いきなりこんな風が起きるなんてありえねぇッ!」
早苗「ジョセフさん!!ここは幻想郷、常識は捨て去るべき場所ですよッ!!」
ジョセフ(ま、まずい……こいつ、風を操る能力だッ!!)
それは、ワムウを思い出させる能力ッ!!

280:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:58:44.801 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「くっ、でもなぁ!!!風だけでこの俺をどうこうしようなんて考えは甘いんだぜ!!」
早苗「!?」
気が付けば、早苗の体に「隠者の紫」が絡みついていたッ!!
早苗「ば、馬鹿な…い、今の風で吹き飛ばされないなんてッ!」
ジョセフ「俺の『隠者の紫』に触れられるのは、同じスタンドだけッ!!てめぇの風なんて、何の問題もないんだよッ!」
早苗「……」
ジョセフ「ほらほらぁ、どうしたのーン?このまま俺が波紋を流せば、お前は少しの間気絶しちまうぜ?」
早苗「…」ボソッ
ジョセフ「なに?」バキバキ


ジョセフ「ぬ、ぬぉぉおおお!?な、なんだこれはッ!!」
先ほどの風によって巻き上げられた石が、ジョセフの脇腹に次々と突き刺さるッ!

281:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:59:17.118 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「お、おかしいぜ…こ、こんなのおかしい!!い、石が空中で横に向かって飛んでいる!!い、今!風はやんでいるのにッ!」
早苗「…」ボソボソ
ジョセフ「く…は、波紋を流してやるぜッ!!!」

ジョセフが波紋を練った、その時ッ!!

突如、ジョセフの頭上にだけ雨が降り始めた!!

ジョセフ「あ、雨…!?お、俺の頭上にだけなぜかッ!!」
早苗「ジョセフさん、私の能力を何か勘違いしていませんか?風を操るだけなんていう、ちゃちな能力じゃあないんですよ」
ジョセフ「ま、まさか…さ、さっきから自然のありとあらゆる現象を操っている!!い、石まで思い通りに操るなんて、そんなの奇跡みてぇなもんだッ!」
早苗「そう!!正にそれです、私の能力は『奇跡を起こす程度の能力』ッ!」
波紋が、雨を伝わり空中へと分散していくッ!!
かつてストレイツォが、特殊なマフラーによって波紋を受け流したのと同じようにッ!!
「隠者の紫」を伝わることなく、波紋は無様に散ったッ!!

282:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 14:59:43.655 gpgbqe4F0.net
早苗「ふん、そしてもう一つ気づきましたッ!あなたがその『隠者の紫』で私を縛り付けようと…つまり、相手に干渉しようとしているときだけッ!私もそのスタンドに干渉できるッ!」
両手をがばっと広げると、植物の蔦が引きちぎられるように「隠者の紫」がほどかれたッ!!!

ジョセフ(ま、まずい……こ、こいつ戦い慣れてるぞッ!!)


文「ま、まさか…ジョセフさんが圧されるなんてッ!!」
神奈子「ふーん、あのジョセフっての、中々やるじゃない」
諏訪子「まぁ、早苗には敵わないかもね、あれじゃあ」

283:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:00:11.481 gpgbqe4F0.net
早苗「あなたは、幻想郷での戦い方というのを知らない!!そうやって単純な能力を相手にすぐ見せると、簡単に対策を練られてしまうッ!」
早苗の起こした雨が、そのまま巨大な渦となってジョセフの体を吹き飛ばすッ!
ジョセフ「う、うわぁぁああああああああ!!!」
早苗「単純な能力を、少しずつ見せることによって相手に勘違いを起こさせるッ!私がそうしたように!」


早苗「そして喰らいなさい…大奇跡!!!」


神奈子「!!ま、まさか早苗ッ!」
諏訪子「い、いきなりあれを喰らわせるとは、本当に手加減してないんだね」
文「ジョセフさん!!そ、それは危険です、避けてください!!!」



早苗「『八坂の神風』ッ!!!!」

284:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:01:16.802 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「な………んだこりゃあああああああ」ズッガァァァァァァァン!!

身長195㎝、ジョセフの巨体が軽々と宙に浮かんだッ!!
その時、一瞬のうちにジョセフの脳裏をよぎったのは、かつて戦った「ワムウ」の『神砂嵐』だったッ!!
ジョセフ(こ、この風は……あ、あいつが起こしたのかッ!!!)

早苗「私の持つ、最強のスペルカード!!そして、あなたの体を吹き飛ばすには十分な能力ッ!!!」
ジョセフ「こ、これはまずいぃぃぃぃ!!!」

ドッシャァアアアアアン!!

ジョセフ「ぐ……」

文「ジョセフさん!!」
空中高く放り投げられたジョセフは、そのまま地面に叩き付けられたッ!!
石畳に、ジョセフの口から吐かれた血反吐が赤い模様を作っていく!

285:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:01:17.579 ujezd2aO0.net
編集的焦らし

286:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:01:58.170 gpgbqe4F0.net
神奈子「あーあ、こりゃあもしかして内臓やられたんじゃあないの…」
諏訪子「いくら殴り込みに来たとはいっても、こりゃやりすぎだよ」
早苗「そ、そんな、お二人が本気でいけと言われたので…」



ジョセフ「う……」

早苗「!?い、今あの人…動いたのですか?」
神奈子「?でも今は動いてないわよ」
諏訪子「あれでしょ、気絶する前に痙攣起こすっていうじゃん」
早苗「は、はぁ……」

ジョセフ「うぅ…」


文(!!う、動いたッ!!ジョセフさんは、まだ無事です!!こ、ここは私が助け…)

287:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:02:51.655 gpgbqe4F0.net
神奈子「フン、でもその程度の実力でここにやってくるなんて、大概な勘違い野郎だね」
諏訪子「まったく…何か頼みごとがあるとか言ってたけど、この程度の男ならどうせつまらない頼みごとだろうね」


文「そ、そんなことはありません!!ジョセフさんは……」


ジョセフ「……お…俺のことを、今…この程度と言いやがったな…」


神奈子「お、生きてたか」
諏訪子「よかったよ


288:かった、うちの敷地内で死なれたら迷惑だからね」



289:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:02:58.923 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「……次のお前らのセリフは順番に『そんなこと言ったらかわいそうですよお二人とも』『本当のことを言ったまでさ』『さて、それじゃあお帰り願おうか』だ」

早苗「そんなこと言ったらかわいそうですよお二人とも」
諏訪子「本当のことを言ったまでさ」
神奈子「さて、それじゃあお帰り願おうか…」


三人「ハッ!!」

290:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:03:34.224 rISdkHdw0.net
次にお前らは「さすがジョセフ!」と言う……

291:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:04:09.161 ujezd2aO0.net
さすがジョセフ!

292:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:04:13.971 JqrlIE6i0.net
やったッ!!さすがジョセフ!!

…はっ!?

293:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:04:49.065 bBWOOTzf0.net
さすがジョセフ!...はっ!ま

294:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:05:11.697 oquhiHWN0.net
くっさ

295:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:05:48.231 PwqFqrJIr.net
現行でスレ見てる奴に言われたくないゾ

296:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:05:50.960 bBWOOTzf0.net
>>282
最後のまってやつは誤爆

297:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:06:11.395 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「へ、へへへ……分からない?俺の……俺の目的が分からない?なんで俺は、わざと、わざと!!早苗の攻撃を喰らってやったのかをッ!」
ジョセフ「わざと攻撃され吹っ飛んでいく俺に目を向けさせてる間に、俺が進めていたもう一つの作戦がッ!!」

早苗「な、なんですって!?」


ジョセフ「俺は、手品が大好きなんだぜッ!!手品には種も仕掛けもある、それを上手く使うのが策士ってヤツよぉ!!」


その瞬間!!早苗の足の下の石畳から!!


早苗「こ、これは…『隠者の紫』ッ!?」


ジョセフ「次のてめぇのセリフは!!『ま、まさか私の攻撃の隙に忍ばせておいたのですか!』だ!!」
早苗「ま、まさか私の攻撃の隙に忍ばせておいたのですか!!」

298:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:07:25.450 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「そのとおりだよーン!!!てめぇの攻撃は広範囲だが、唯一の死角が、足元だったッ!!」
ジョセフ「石畳の下に何かを忍ばせるなんて思わなかっただろうが、スタンドはそんな常識なんて関係ないんだぜッ!」
ジョセフ「さらに!!お前が避けられない理由は、お前の後ろにある!!」


早苗(い、今ここで避けたら私の後ろにいるお二人に攻撃が…)

ジョセフ「へへへ、おめーさん達の信頼関係を利用するなんて悪人っぽいが……さっきのおめーらのセリフを聞いて、そんな罪悪感は吹っ飛んだッ!!俺のことを勘違い野郎だなんて、よくも言いやがったなァ!!」


早苗の体に巻きついた「隠者の紫」
それをひきちぎろうとした早苗だったが!!
その時スデにッ!!

ジョセフ「喰らえ、波紋のビート!!波紋疾走!!!!」

バチバチと火花を散らせながら、蔦を波紋が伝わっていくッ!!

299:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:08:24.554 gpgbqe4F0.net
早苗「ぐぁぁぁっ!!!」
ジョセフ「へっへー、決まったね!!波紋の伝導率は抜群よッ!!てめぇの風が、さっきの雨粒を完全に吹き飛ばしてくれたからなぁ!!」
早苗(ま、まずい…は、早く手を…)

ジョセフ「そして、これでおしまいだ!!」
駆け出したジョセフは、ほんの数秒で早苗の前にたどり着いた!!
拳を振り上げッ!!その顔に向けて、突き出す!!
早苗「ひっ………」
ジョセフ「喰らえ、波紋疾走!!!!」

300:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:08:31.558 t/q7+6Id0.net
なにこれ主の脳内小説?
くっさなんだけど

301:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:08:39.731 gpgbqe4F0.net
神奈子「そこまでよ!!!!」


静寂を突き破ったのは!!神社の主の声だったッ!!

302:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:09:28.941 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「ちぇーっ、いいとこだったのに…」
「隠者の紫」を解き、早苗を開放する
ヘナヘナと座り込んだ早苗に、ジョセフは先ほど流したのと正反対の波紋を流す
ジョセフ「これで体の痺れとかなくなったろ…ったく、俺が女の子相手に本気で波紋流すと思ったか!?気絶するようなほどの波紋をッ!!」

303:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:09:55.257 gpgbqe4F0.net
神奈子「…アンタが、波紋を流した時点ですでにうちの早苗の負けだったわ、しかもアンタは手加減をしていた」
諏訪子「やれやれ、早苗もまだまだだね…」
ジョセフ「相手が勝ち誇ったとき、すでにそいつは敗北しているのさ」
文「ジョ…ジョセフさん…」
ジョセフ「へへへ、どうにか勝ったぜ、文」
早苗「う……申し訳ありません、神奈子様…諏訪子様…」
諏訪子「いいってことよ……それでジョセフ・ジョースター」
ジョセフ「…ちゃんと俺の頼みごと、聞いてくれるんだろうな」
神奈子「話だけはね…それに乗るかどうかは、私たちの判断よ」
ジョセフ「…構わない」
神奈子「じゃあ、とりあえず中に入りな………茶くらいなら出してやるよ」
文「失礼しますね」

304:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:10:15.226 gpgbqe4F0.net
畳の上にこたつがあり…さらにその上にはみかんが
そんな、どこにでもありそうな日本的風景が神社の中にあるのは、なんとなく違和感を覚える
ジョセフ「こ、これが神社の中身か…」
早苗「大して仰々しいものではないでしょう?」
ジョセフ「へーっ…もっと、仏壇とか仏像とか、そういうのがあるのかと…」
諏訪子「おいおい、なんで本物の神様がそんなもの飾ってなきゃいけないんだい」
神奈子「そうそう、そんなの置くのは人間だけよ」
ジョセフ「ま、それもそうか……」

305:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:10:27.715 ujezd2aO0.net
むしろジョナサンのほうが勝ち目さなそうだな
相手が男で悪人ならいざしらず

306:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:10:51.004 gpgbqe4F0.net
早苗「…それでジョセフさん、話というのは?」
ジョセフ「あぁ、それだな…」
ずいっ、と身を乗り出したジョセフが笑う
ジョセフ「……簡単に言うと…だ、DIOのことなんだ」
早苗「!DIOさんですか?」
ジョセフ「あぁ…信じてもらえないかもしれないが…あいつは、絶対に近いうち、この幻想郷で問題を起こす」
諏訪子「なんだって?」
神奈子「どうしてそんなことが言える」
ジョセフ「……あいつは…俺のおじいちゃんを殺した野郎だ、おばあちゃんに対してもひどい行いをしたらしい」
神奈子「そりゃ、昔の話だろう?今はどうか分からないじゃないか」
ジョセフ「いや、あいつは人間じゃあねぇ、成長することを捨て、ただの安心という名の停滞を求めた野郎なんだ」
ジョセフ「あいつが昔から変わっていると思うか?」
諏訪子「…仮にDIOが問題を起こしたとして、それが私達に関係あるのか?確かにあいつは強いが、幻想郷では上の下くらいだ」

307:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:11:44.147 gpgbqe4F0.net
早苗「それに……彼がそんなことをするでしょうか?彼、私が少し見た限りでは相当注意深い人ですよ」
文「…ジョセフさん、そこのところどうなんですか?」
ジョセフ「……確かにそうだ、だが…俺はなんとしてでも、今は味方を集めたいんだ…あいつが何かしでかす、それは俺の中では絶対なんだ」
神奈子「…早苗、お茶」
早苗「あ、はい…」
神奈子がお茶をぐびっ、と飲み干す
そして、少しばかり不機嫌そうな顔でジョセフを睨み付ける
神奈子「…DIOが絶対悪だと、お前は言い切れるのか?」
ジョセフ「!!」

308:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:12:17.240 gpgbqe4F0.net
神奈子「…正直な話をしよう、お前のその判断基準だけでDIOが危険だとするのはどうかと思うぞ」
ジョセフ「あ、あいつは…この幻想郷を支配しようとするはずだ、いずれは…」
諏訪子「ずいぶんと、DIOのことを知ってるようだけど」
ジョセフ「…俺のおばあちゃんから聞いたんだ……」
神奈子「ふーん……でもね、幻想郷を支配するからってどうしたっていうんだい」
ジョセフ「なっ…」
神奈子「できるもんならやってみろってんだ、それにアンタ……簡単に味方になれだなんて、ナメてるだろ」
ジョセフ「わ、分かってる…そりゃあ、俺とアンタ達は初対面に近い…で、でもな!!これはお前達のためでもあるんだ」
諏訪子「ジョセフって言ったね、アンタは人生経験が少ないのさ……世界は再生と破壊によってできているんだよ、この幻想郷の平和というのを破壊する存在が現れたとしても、それは世の常」
神奈子「DIOが何してくれようと、どうでもいいよ」
ジョセフ(ち、ちくしょう……こいつらのこの態度、ムカつくぜッ!!アイドルに興味ないヤツがいきなりプリンスのライブ会場に投げ出されたって感じだッ!!)
ジョセフ(ま、まるで興味を持ってくれちゃいねぇ……だ、だがなッ!!)

309:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:12:19.446 s+qAcge00.net
>>293
仏壇とか仏像は神社じゃなくて寺な
ストーリーには関係ないが

310:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:13:18.202 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「へ、へぇ、そりゃあ残念だ……上手くすれば、結構神社の信仰を集められると思ったんだが…まぁいいか、これじゃあしょうがないな、文!!!やっぱここは霊夢に…」

神奈子「ちょっと待ちな」

ジョセフ(かかった!!!)

神奈子「今…信仰を集められるかもって言ったか」
ジョセフ「んー?あぁ、言ったけど、でももうどうでもいーよなァ、お前達は俺に、この俺にッ!!協力する気なんざさらさらねーんだからなッ!!」
神奈子「ちょいと、詳しい話を聞かせてくれないか」
ジョセフ「いやぁね、DIOが吸血鬼ってことが、一番大事なわけよ」
頭を使えよ、という意味のジャスチャーで、こめかみを指でとんとんと叩くジョセフ

311:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:13:47.842 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「DIOの食糧ってのはなんだ?もちろん普通の飯も食えるがよ」
早苗「それは、やはり人間の血…ですよね」
ジョセフ「その通り……俺も昔、吸血鬼になった男と戦ったことがあるからわかるが…あいつらは、自分自身の生命力を維持するために人間の血を必要にするのよ」
ジョセフ「だが、恐らくだがここに来てから、DIOはほとんど人間の血を吸ってはいない…敵を増やさないため、ここでの信頼を得るためにな」
諏訪子「ふむふむ…一理あるぞ、今のところはな」
ジョセフ「それで、だ……もしもあいつが何かしらの問題を起こした時、まずは何をすると思う?味方を引き入れることと、人の血を吸うことだ」
神奈子「力を蓄えるため、か?」
ジョセフ「そう…さらに、だ…外の吸血鬼ってのは、人間をゾンビにする能力があるんだ」
早苗「ゾンビに!?」
ジョセフ「そう、恐らくだがDIOは里の人間に手を掛けるはずだ」
諏訪子「…なるほど、話が見えてきた!!」

312:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:13:55.009 kbhHh3ao0.net
>>298
ジョセフのイメージなんだからどうでもいいだろ

313:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:14:27.130 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「里がDIOに襲われた時、もしもお前らが人間を救い出してみろ、正真正銘、人間を救うために立ち上がったヒーローってわけだ」
ジョセフ「それがまして信仰を求めている神様だとしたら?そして、自分を信仰すればこれからも異変から守ってやると言えば?」
早苗「そ、そんなことがあったら、一気に信仰が得られますよ!!」
神奈子「な、なるほど……」
諏訪子「そうなったら、こんな辺鄙な場所以外にも神社の支所を作らないといけなくなるね!」
ジョセフ「おーっと、だがDIOが悪人で、吸血鬼ってのを知る人間なんていない、それに霊夢達他の連中からしたら、お前らが勝手に活躍して、あたかもDIOの謀反を利用して信仰を得たような形に見えるわけだ、そうなるとお前らはここでの居場所をなくす」
ジョセフ「だがどうだろう、このジョジョがお前達に仕方なく助けを求めたんだと連中に説明すれば?」
諏訪子「お前はここでの評判はかなりいいらしいな」
神奈子「私たちは、信仰を得るためではなく正義のために立ち上がり、その結果信仰を得ることになった…」
早苗「か、完璧なシナリオになりますね……」

314:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:15:01.770 JqrlIE6i0.net
>>298
世の中には『宮寺』ってのがあってだな…
>スレチ


315:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:15:17.546 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…こんな汚い方法を、と思うだろうがな…俺は、今の俺はッ!!それほどまでに窮地にある、もしもお前らが協力してくれるって言うなら、俺だってお前らの得になることをしてやるつもりだ!」
文(す、すごい……ここまでこの三人に対して、話を進めるなんて!!私が取材を申し込んでも、すぐに追い返されると言うのに…)
早苗「…ジョセフさん、一つだけ質問をいいでしょうか」
ジョセフ「あぁ、なんだ」
早苗「……あなたが、そこまでしてあのDIOさんを警戒するのは、本当に祖父の仇だから、というだけですか?」
神奈子「どういうことだ、早苗?」
早苗「それにしては、彼のパーソナリティを理解しすぎ�


316:トはいませんか?」 ジョセフ「…すまねぇ、今は言えないんだ…隠し事をするつもりじゃあねぇ、時が来たら話してやる、だが今は!!」 諏訪子「あー、そんなことどうでもいいよ」 ヒラヒラ、と手を振った諏訪子がジョセフの膝の上に座る



317:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:16:07.356 gpgbqe4F0.net
諏訪子「ジョセフ、気に入ったよ……ここまでずる賢く、しかし正義を感じさせる人間には久々に会ったよ」
ジョセフ「じゃ、じゃあ!!」
諏訪子「私は賛成だ、こっちにも十二分なメリットがあるしね」
神奈子「よし、そうとなれば協力関係を結んでやる」
ジョセフ「ほ、本当か!!恩に着るぜッ!!」
神奈子「そこでだジョジョ」
ジョセフ「お、おう」
神奈子「アンタ、いちいちここに上ってくることはできないだろ?妖怪の山なんて、山登りには向かないものね」
ジョセフ「あぁ、そこが問題…」
諏訪子「だったら、早苗を連れて行きなよ」
早苗「ちょ、ちょっと諏訪子様!?」

318:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:16:24.983 gpgbqe4F0.net
諏訪子「ジョジョ、アンタ今どこに定住してるんだい」
ジョセフ「紅魔館だけどよ…」
神奈子「アンタの客人なら断らないでしょう、行きなさい早苗」
早苗「そ、そんな…お二人はその間、大丈夫なんですか?」
神奈子「二人で暮らせるレベルだよ、お前はジョジョとの連絡係になってくれ」
文「……ジョセフさぁん、紅魔館にさらに女の子を増やすのってどうなんですかねー」
ジョセフ「ん?ま、まぁこんな可愛コちゃんが一緒にいてくれるってなら俺は嬉しいけどよーッ」
文「ふんぬっ!!」ガン!!
ジョセフ「オーマイガーッ!て、てめぇ足踏みつけるなよなッ!」
文「ふん、ジョセフさんはそうやって女の子ばっかりと…」

319:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:16:47.828 gpgbqe4F0.net
早苗「わ、分かりました……少し気が重いですが、お二人が言うなら」
ジョセフ「…じゃあ、少しばっか借りていくぜ」
神奈子「そうだジョジョ、もう一つ……もしもDIOが何か事を起こしそうになったら、まず私達に言う事だね」
ジョセフ「分かってるって」
諏訪子「アンタはずる賢そうだし…どうだい、私達と協力してこの神社の信仰を増やしてくれない?」
ジョセフ「そういうのは勘弁だぜ」
早苗「ほら、早く行きましょう…もう夕方ですよ」
ジョセフ「おっと、そうだな…じゃあな」
神奈子「あぁ」

320:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:17:15.247 gpgbqe4F0.net
守矢神社の敷地から外に出ると……夕日が沈んでいくのが見えた
昨日のあの辛い登山から、もう一日が経ったのだ
ジョセフ「…文、さすがに二人抱えて飛ぶのはきついよな」
文「あぁ、それなら大丈夫ですよ、早苗さんも飛べますし」
早苗「そうですよ、ジョジョ」
ジョセフ「あ、そーなのね……っていうか、もしかしてここの連中ってほとんど飛べるのか?」
文「はい」
ジョセフ「いーなぁ……俺も飛びたいぜッ!!」
早苗「ほらほら、そんなこと言ってるヒマがあったら紅魔館に行きましょうよ」
ジョセフ「そうだな…文、頼んでいいか」
文「まぁ、仕方ないですね」

321:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:17:32.352 gpgbqe4F0.net
妖怪の山を、文に捕まりながら下りていくジョセフ
だが…その降りていく途中ッ!!!彼は、ある男の姿を目の当たりにしたッ!!!



ジョセフ「!!あ、あれは…!!!!」





DIO「…ム……?」

322:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:17:51.357 UQ6EGXTk0.net
どこの世界でも早苗の扱いってこんなもんだよな
かわいい

323:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:18:24.439 gpgbqe4F0.net
早苗「あ、あそこにいるのはDIOさん!?」
文「おやおや…こ、これはちょっとまずい遭遇ですね…」
ジョセフ「…あそこに行ってくれ、文」
文「は、はい?」
ジョセフ「DIOのところに行けって言ってるんだ!!!」
文「は、はい!!!!」

324:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:18:46.371 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…」
DIO「…宴会の時以来だから…フフフ、二日ぶりか?こんな辺鄙な山で何をしていた、ジョセフ」
文(う……DIOさんの、ジョセフさんに対する目は…ひ、非常に冷たいッ!!!)
ジョセフ「…ちょーっとここの上の神社にお参りに行っただけよ、ここで争いごとが起きませんようにーってな!!」
DIO「…早苗、君はなぜここにいる?話に聞くと、ここの頂上に君の神社はあるんだろう…」
早苗「い、いえ…」
ジョセフ「こいつが人間の里で宣教したいって言うんだけどよ…ちょうど俺が泊まっている紅魔館ならこいつも泊められるって寸法よ」
早苗「そ、そうなんですよ!!」
DIO「…フフフ、そうか…それは大変だな」
ジョセフ「…てめぇこそ何しにこんなところにいるんだよ」

325:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:20:09.266 gpgbqe4F0.net
DIO「なに…私は、永遠亭からの帰りだ…少し散歩するのも悪くないだろう?」
ジョセフ「な、なんだって?」
DIO「いや、帰りというのはおかしいかもなぁ……今日は永遠亭で泊まらせてもらうのだからな…フフ」
文「DIOさん…え、永遠亭にはどのようなご用事で?」
DIO「あそこの永琳とは…どうも気が合うような気がしてなぁ…」
ジョセフ(こ、こいつも…なんだかんだで、味方を増やしてやがるッ!!)
DIO「…おっと、君たちは紅魔館へ帰る途中なんだろう?早く行ったほうがいいんじゃあないか…?」
文「そ、そうですね、ジョセフさん…」
ジョセフ「ちっ……おいDIO、あんまり出歩くと、妖怪に襲われるぜーッ!!!」
DIO「…」


DIO「くだらんことを言うなよジョセフ」ドーン

ジョセフ「…ハッ!?い、いつの間に後ろにッ!!!」
文「!!??い、今の今まで私達の目前にいたのに…!!!」

326:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:20:39.161 gpgbqe4F0.net
DIO「なに…君達には見えなかったのか?我が『世界』が私を運んだのが」
早苗「そ、そんなスピードがあるんですか!?」
DIO「…見えなかったのなら関係ない……フフ、ジョセフ」
ジョセフ(ち、違う……い、今は夕飯時!!お、恐らくだが咲夜がほんの数秒間だけ時間を止めたんだ!レミリアか誰かがいたずらで皿でも落としそうになったか!?い、いや、そんなことはどうだっていい!!)
ジョセフ(お、恐ろしいのは…こ、こいつ!!咲夜の停止した時間の中でも動けるってこと!!)
DIO「……それではな」

327:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:20:58.139 gpgbqe4F0.net
スタスタと去っていくDIOの姿が見えなくなってから…ジョセフは、大きく息を吐いた

ジョセフ「な、なんてこった……お、俺はあいつと戦う準備を着々進めていたが…ま、まるで安心なんてできねぇ…」
文「……ジョセフさん、今はこんなところで止まっているべきではないですよ」
早苗「……今はとりあえず、紅魔館に行きましょう」
ジョセフ「あ、あぁ…………」

328:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:21:13.367 gpgbqe4F0.net
紅魔館に帰り着いたジョセフは…勝手に早苗を連れてきた、ということで咲夜に少しだけ叱られてしまった
だが、そのお叱りの言葉も、ジョセフの耳には届かなかった



ジョセフの背筋には…先ほどDIOと出会った時の、嫌な寒気が残っていたのだ…

329:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:25:17.989 gpgbqe4F0.net
DIO「…朝か」
幽々子、妖夢との会話に花を咲かせ……気が付けば、夜が明けていた
恐らくだが、という憶測なのは、ここが冥界だからである
妖夢はすでに、畳の上に寝ていた
幽々子が優しく布団を掛け…DIOのほうを見て尋ねる
幽々子「DIO、あなたは今日はどうするの?一睡する?」

330:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:25:41.222 gpgbqe4F0.net
DIO「…そういう君はどうするんだ?亡霊には睡魔は襲ってこないのか?」
幽々子「あいにく、睡魔も亡霊が怖いみたいよ」

クスクスと笑う幽々子に、DIOは自分の予定を伝える
DIO「…今日は、永遠亭に行こうと思うのだ……」
幽々子「永遠亭ですって?」
DIO「…永琳という女と、少しばかり宴会で話に花が咲いてなァ……なに、私と同じようなタイプの人間じゃないか」
幽々子「…そうね、確かに不老不死で、しかも何かを悟っているような雰囲気はあるわ」
DIO「君もそうだろう」
幽々子「ふふふ……永遠亭への道はわかるかしら」
DIO「いや…分からないな、この幻想郷はどうも目印になるものがあまりない、どこも似たような…のどかな風景だ」
幽々子「そうね…じゃあ、妖夢が起きたら案内させるわ」
DIO「…助かるよ」
幽々子「…ねぇ、永琳を味方につけるつもり?ジョースターとの戦いのために」

331:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:26:13.713 gpgbqe4F0.net
DIO「………それもあるが…フフ、不老不死というヤツを見てみたいのだ…君のそれは、不老不死ではないと思う、私は」
幽々子「あら、どうして?」
DIO「君は不老でも不死でもない……すでに死んでいるんだ、それは老いないとか死なないとかではない、そもそも生物ではないのだ…失礼な言い方かもしれないがね」
DIO「金属を見て、不老不死と思うやつがいるか?いないだろう、それと同じさ…」
DIO「…だがあの八意永琳は違う…私と同じように、生きていながら不老不死よ……」
幽々子「そうね……」
DIO「別に悩みがあるとかではない……ただ、面白い話を聞くのは好きでね、フフ……それに、だ…ジョースターとの因縁に決着を着ければ…いずれは私もこの幻想郷で安心した生活を手に入れるのだ、住人と交友を深めねばならない」
幽々子「なるほど、そのための第一歩ってこと」
DIO(フン……たしか、永琳達は月の人間だったなぁ…そういう連中には、肉の芽は効くのだろうか)
DIO(…いや……今はそんなことはどうでもいいのだ、ジョースター共との戦いの時に、ヤツらの味方につかれることさえなければな)

332:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:26:32.009 rISdkHdw0.net
BBA共に毒牙が……

333:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:26:33.504 gpgbqe4F0.net
DIO「…妖夢が起きるまで…ここで待っているよ、君はどうするんだ」
幽々子「そうね、妖夢が昨日作ってたお菓子をちょこっとつまむわ」
DIO「…なぁ、どうなのか知らないが……亡霊は太ったりしないのか?それとも、君だけが食べても食べても太らない体質なのか?」
幽々子「分からないわ、私は太らない、ってのは確実だけど」
DIO(……)

334:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:26:52.291 gpgbqe4F0.net
妖夢「ん……」
妙に誰かの視線を感じ…妖夢は、二時間ほどの短い睡眠から目を覚ました
ぱちり、と目を開けるといつもの天井が映っているはずだったのだが
DIO「…」
妖夢「う、うわああああああああああああああああああ!!!!!」

妙に妖しげな色気を持つ男が、妖夢の寝顔を覗き込んでいたのだ

335:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:29:33.647 gpgbqe4F0.net
妖夢「D……DIO殿ッ!?び、びっくりしました…」
DIO「…驚かせるつもりはなかったのだ、すまないな」
妖夢「え、えっと……私は、昨日の話の途中で寝てしまって、それで…」
DIO「昨日、というよりは今朝になるがな…フフフ」
妖夢「!!な、なぜ私の寝顔を!?」
髪の乱れを直しながら、慌てたように妖夢が尋ねる
DIO「…いや、幽々子が言うには…人の寝顔というのはその人間の邪悪なところも善良なところも見えず、ただ純粋な人という形だけが見えるのだとな…」
妖夢「は、はぁ…」
DIO「…君の寝顔を見ていると、それがなんとなくわかったよ」
妖夢(ま、まさか寝ている間ずっと見られていたんでしょうか…?)

336:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:29:49.910 gpgbqe4F0.net
DIO「…ところでだ、妖夢……君は、永遠亭への道を知っているか?」
妖夢「永遠亭ですか、知っていますよ…前にお世話になったことがありますので」
DIO「…案内してくれないか、永遠亭に行きたいんだ」
妖夢「!い、今からですか?幽々子様の昼食を作らないといけないので、それまで待っていただけませんか」
DIO「あぁ、構わない……すまないな、私の興味本位のために付き合わせて」
妖夢「いえ、それもお客様のためですので」
DIO「……」

337:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:30:16.718 gpgbqe4F0.net
幽々子「あ、妖夢~……おはよう」
妖夢「おはようございます……すいません、途中で寝てしまったようで」
和室のど真ん中で、幽々子は団子を頬張っていた
非常に満足げな彼女の顔は、どう見ても10代半ばの少女だった
幼稚、というわけではないが菓子の一つや二つでそこまで笑顔になるなどくだらない、とDIOは鼻を鳴らした
DIO「……幽々子、君の昼食を作り終えたら、妖夢を少し借りるぞ」
幽々子「ふふふ、妖夢、あなたDIOに気に入られたみたいよ」
妖夢「そ、そんなことないですよ…ね、DIO殿」
DIO「……君みたいな優秀な人間は、私は尊敬するさ……」
妖夢「う…」カァッ
幽々子(もう、妖夢ったら可愛いわね)

338:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:31:05.768 gpgbqe4F0.net
DIO「…幽々子、君には少しばかり迷惑をかけるな…夕方までには妖夢を帰らせる」
幽々子「あら、あなたは?」
冥界の階段の前で、DIOと幽々子が顔を見合わせていた
まるで映画のワンシーンのようだ、と


339:妖夢は思う 愛する二人のしばしの別れのように見える…尤も、そのようなことはないのだが DIO「…もしかしたら、永遠亭に今日は世話になるかもしれないな…彼女たちが歓迎してくれれば、だが」 幽々子「そう、それじゃあ気を付けて…」 DIO「あぁ……」 妖夢「では、行きましょうか」 妖夢の先導で、冥界の階段を下りていく… この階段を下りれば、外の幻想郷と繋がっているのだ



340:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:33:35.374 gpgbqe4F0.net
この冥界に来る時も、階段を通った
だが…なぜだか、何度通ってもここの不気味な雰囲気には慣れないだろう
恐れているわけではない、居心地が悪いという程度の話だ
DIO「…妖夢、ここから永遠亭まではどれくらいかかるんだね」
妖夢「意外とすぐ着きますよ…30分ほどもあれば大丈夫です」
DIO(…なるほどな、近いというほどではないが…フフ、中々いい場所じゃないか、この冥界というのは)

341:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:33:49.875 gpgbqe4F0.net
DIO「…竹林…だと?」
DIOが案内されたのは、妹紅が住んでいるのと非常に近い竹林だった
妖夢「えぇ、この奥に永遠亭があるんですよ」
DIO「ほほう……ここには藤原妹紅も住んでいるよなァ…」
妖夢「えぇ、よく御存じで」
DIO「…なに、ちょっとな」
妖夢「さて…これから、私とはぐれないようにしてください、DIO殿」
DIO「…」
妖夢「一度迷うと、中々帰れませんので」
DIO「あぁ…気を付けるよ」

342:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:34:06.064 gpgbqe4F0.net
妖夢「……おかしいですね、ずいぶんと今日は静かです」
DIO「…どういうことだ」
妖夢「いえ…昨日の宴会のせいでしょうか、いつもならここにいそうな妖怪たちも姿を潜めてます」
DIO「…ほう」
妖夢「この様子だと、面倒には巻き込まれずに永遠亭にたどり着けそうです」
DIO「…」

343:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:34:31.ウンコ gpgbqe4F0.net
永遠亭

永琳「…はぁ、人間ってのはどうも脆くていけないわ、頭痛や腹痛…関節の痛み、どれも私達には無関係なのにね、ねぇ優曇華」
鈴仙「そうですね…でも、私達も時々体調を崩すことはあるじゃないですか」
永琳「それとは違うのよ、私たちはすぐに治るじゃない?一日寝ればすっかり元通り…人間は違うわ」
鈴仙「師匠、それは仕方ないことですよ」
永琳「そうね……次の患者は?」
鈴仙「あ、待っててください…今連れてきますから」


鈴仙が永遠亭の外へと向かう
先ほどまでは患者の列があったのだが、永琳の治療の腕前は相当なものだ
すぐに効果抜群の薬を渡すのだ
全く、医療ミスなどとは程遠い
鈴仙(す、すごい…30分も前には長蛇の列だったのに、もういない…)

344:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:34:54.546 gpgbqe4F0.net
妖夢「!無事に抜けましたね、いや…幸運でしたよ、思ったより早く着きました」
DIO「……ヌゥ?」


鈴仙「ん……?あ、あなたは」
DIO「…君はたしか…鈴仙…とか言ったな」
鈴仙「あ、あはは……こんにちは…昨日ははしたない姿を見られてしまいまして」
DIO「…酒は飲んでも飲まれるな、ということだ…覚えておけ」
鈴仙「う…それと、妖夢…」
妖夢「こんにちは、今日は治療じゃないの」
鈴仙「あれ、そうなんですか?」
DIO「今日は…私が君たちに会いに来たのだ」
鈴仙「は、はぁ…DIOさんが」
DIO「…お邪魔してもいいかな、永琳はいるのか?」
鈴仙「あぁ、どうぞ、師匠もいますよ」

345:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:35:18.366 gpgbqe4F0.net
永琳「鈴仙、遅かったわね……あら?」
がらっ、と開けられた扉の向こうには、妖夢とDIOがいた
鈴仙が少しばかり小さく見えるのは、DIOがあまりに大きいからだろう
DIO「…宴会以来だな、永琳…フフフ」
永琳「いらっしゃい、あなたも体調が悪いの?まさかね」
DIO「いや、なに……少し暇になってしまってね、妖夢に案内してもらってここに来た次第だ」
妖夢「DIO殿は白玉楼に泊まっているのですよ」
永琳「あら、幽々子にでも気に入られた?」
DIO「いや…私が気に入ったのだ、彼女をなぁ…」
永琳「あら…ちょっとだけ嫉妬しちゃうわ、あなたみたいな素敵な人に気に入られるなんて」
妖夢「!?」
鈴仙「ちょ、ちょっと師匠…」

346:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:35:41.583 gpgbqe4F0.net
DIO「フフフ…なに、君のことも気に入っているさ…だからこうして会いに来ているんだ 興味がなければ来るわけないだろう」
永琳「それもそうね…歓迎するわ、DIO」
聴診器を耳から外し、永琳が椅子から立ち上がる
DIO「…いいのか?君は医者の仕事をしているんだろう、患者というのは君の都合でよくなったり悪くなったりするわけじゃあないだろう」
永琳「いいのよ、来たら来たで対処するから…それに、私も少し疲れたわ、鈴仙」
鈴仙「は、はい」
永琳「せっかくのお客様よ、お茶でもお出ししなさい」
鈴仙「は、はい……」
背中を丸めてお茶を淹れに行く鈴仙の後ろ姿を見て、妖夢はなぜか親近感を覚えた

347:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:35:58.613 gpgbqe4F0.net
永琳「…さて、改めてようこそ、永遠亭へ…」
DIOの前にいるのは…「永遠」を生きてきた永琳だ…
DIO「…そう改まることはないだろう…フフフ、君と一度話をしてみたかったんだ」
永琳「……そう、私も、ジョナサンやジョセフよりも、あなたに興味を持ったわ」
DIO「…」
妖夢(な、なんというか………この二人の会話に入り込める気がしません…)
DIO「……さて…だ、私が君にあれこれ質問することも出来るが…君だって私のことを知りたいだろう、その点で…だ」

DIOがチラリと睨んだのは、茶を運んできたあとの鈴仙だった
なんでも、ついでに輝夜を起こしに行ったらしく、後ろには眠そうにしている輝夜がいた

348:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:37:11.297 gpgbqe4F0.net
DIO「…そこで、鈴仙…君に話の仲介をしてほしいんだ」
鈴仙「わ、私ですか?」
DIO「それと妖夢、君もだ……二人の客観的な視点から、私と永琳のことを語り合っていこうというわけだ」
永琳「賛成ね…その方法が一番手っ取り早いわ」
妖夢「そ、そうですね……で、ではまずDIO殿…」
DIO「…」
妖夢「簡単に尋ねますが……ジョナサン・ジョースターとはどのような経緯で因縁の相手になったのですか?」
鈴仙(い、いきなりそこに突っ込みますか!?)

349:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:37:27.725 gpgbqe4F0.net
DIO「…私の……父親が、ヤツの父親と知り合いでなぁ…父親が死んだときに、ジョースター家に養子にいったのだ」
妖夢「よ、養子ですか…?」
DIO「…飲んだくれで、吐き気のするような父親だった…フン、父親というのも気に食わんほどにな」
鈴仙「え、えっと…それで、どうして吸血鬼に?ジョースター家はお金持ちだったと聞きましたけども…」
妖夢「…そうですよね、それがなぜ吸血鬼に?裕福な家庭なら、幸せな人生も…」
DIO「…俺は、ジョースター卿を殺そうとしたのだ」
鈴仙「!?」
突然の告白!!鈴仙と妖夢の顔つきが、少し厳しいものになったッ!
紳士的だったはずのDIOが告白したのは、およそ今の彼からは想像できないほどの悪行!!

350:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:37:55.108 gpgbqe4F0.net
DIO「…簡単な話だ、ジョースター卿を殺せば遺産が転がり込む…貧民街で飲んだくれの父親に殴られる生活を繰り返していた私にとって、それはなんと甘美な響きだっただろうか」
永琳「環境が悪にした…ということ?」
DIO「フフフ…そんなのは、弱者の言い訳だ………私は自らこの道を選んだのだ、だが…とにかく、私はその計画に失敗してしまった」
DIO「それがヤツ……ジョナサンに、気づかれたのだ」
鈴仙「…ジョナサンさんに」
DIO「…警察に突き出される、そう知った時に…私がとったのは、吸血鬼になるという行動だった」
DIO「…その時の私は、もはや遺産だとか金だとか地位だとか、そんなことには興味がなくなっていた」
DIO「…石仮面……人間の脳を刺激し、吸血鬼に変える道具に私は人間の…いや、生き物の進化の先を見たのだ」
DIO「…それを被った私はジョースター卿を殺害し……そして、ジョナサンとの戦いの道へと進んだ、というわけだ」
鈴仙「……」
永琳「…ありがとう、DIO…そんなことを話してくれて」
DIO「フン、隠すことだってできるがな…だが、それだとどうも後味が悪い」

351:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:39:26.128 gpgbqe4F0.net
妖夢「…DIO殿、一つだけ尋ねてもよろしいですか」
DIO「あぁ」
妖夢「…私達を殺そうと、考えてはいませんか」
DIO「…」
鈴仙「よ、妖夢さん!!それはあまりに失礼……」
DIO「フフフ……君は優秀な従者だ、幽々子が殺されるのではないのか、と…そう考えているわけか」
妖夢「…私やここの住人全員、黒い過去を持っています、あなたのその過去も、正直な話…よいとは言いませんが、決して私は否定はしません」
妖夢「ただ、今の私達の平穏を崩すのではないか、と危惧しています、それだけが心配なのです」
DIO「…君たちを殺して、私に得があるのか?私の真の目的は…永遠なる安心を得ることだ、ジョナサンとの戦いもそのためよ…」
DIO「…むしろ、だ……君たちといることが、意外と私は平穏につながると思っているよ…言っておくが、私は一人だけで生きていけるとは思わんのだ」
DIO「……君達だってそうだろう、人と話すということは面白いものだ」
妖夢「…つ、つまり…我々を傷つけるようなことはしない、と」
DIO「そうすることでメリットが生まれるならするだろうがね」

352:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:39:44.241 gpgbqe4F0.net
鈴仙(い、意外…この人は、自分の危険性を相手に見せている…ま、まるで自分を心の底から信用させるように…)
永琳「分かったわ…次は、私のことについて話しましょうか」
DIO「あぁ」

353:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:40:22.187 gpgbqe4F0.net
DIOは…永琳の身の上話を聞いた
輝夜と、月から逃げてきたこと
そして…蓬莱の薬を、妹紅が飲んだこと
それによって、輝夜と妹紅は天敵のように戦うようになったこと

DIO「…つまり……だ、君たちは月を追われて逃げてきたわけだ」
永琳「えぇ、そうよ…ふふ、懐かしい話だけれど」
DIO「…」
鈴仙「え、えっとですね、DIOさん……師匠は、薬を売ることで…」
DIO「不老不死を醜いと思ったことはあるか」
永琳「…」
鈴仙(わ、私の言葉は無視ですか…)
DIO「……もう一度訊くぞ…君はさっき、不老不死なんて空しい、というようなことを言っていたな」
永琳「えぇ、いつかは終わりがあるからこそ、輝けるはずなのに……私も姫も、そして藤原妹紅も…」
DIO「私はそうは思わないな」
DIOの言葉に、永琳が初めて不快の表情を浮かべる
永琳「…なぜ

354:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:42:56.307 gpgbqe4F0.net
DIO「…君たちのいう不老不死とは、いわば完璧に近い存在だ…フフフ、なぜそれに不満を持つのだ」
永琳「……完璧だなんてさみしいわ」
DIO「……君は…輝夜を守るためにこの地上にやってきたのだろう」
永琳「えぇ、そうよ」
DIO「…それなのに、だ……死なない体で輝夜を守れると言うのに、なぜ不満を持つのだ」
妖夢(…DIO殿の言葉は、あまりに現実的だ……永琳も、輝夜も…死を望んでいるのに)
永琳「…そうね、実際に暮らしてみればわかる……人間達が死んでいき、自分だけが取り残される気持ちが」
DIO「私にはわからんな」
輝夜「あら……たった百数十年生きただけの若造が、中々言うわね」

355:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:43:03.090 gpgbqe4F0.net
初めて口を開いた輝夜のほうに、DIOが冷たい視線を送る
DIO「……人間の…いや、生き物の人生というのは長さではない、密度だ……どれほどまでに密度の濃い人生を送ったかが重要なのだ」
鈴仙「…」
DIO「そして、私はこう思うのだ……君達は成長できる生き物じゃあないのか?今日の失敗を教訓に明日に進める生き物じゃあないのか」
永琳「…」
DIO「……成長し続けることが、素晴らしい生き方だ………そして、成長した先に自分自身が平穏を抱ける天国があるのだ…」
永琳「そうね、そうすれば……不老不死を嘆くこともなくなるのかしら」
DIO「永琳、君はそうやって毎日死にたいと考えているわけではないだろう……今日一日が面白ければそれでいい、なんて考えをしたことがないのか?」
輝夜「そうね…ないと言えば嘘になるわね」

356:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:43:37.844 gpgbqe4F0.net
DIO「それでいいじゃないか……くだらんぞ、死を恐れる人間と同じくらいばかばかしい行動だ」
妖夢「え、永琳殿も、輝夜殿も!!け、決してDIO殿は悪気があるわけでは…」
永琳「DIO、あなた面白いわ……どうかしら、白玉楼じゃなくてここで暮らしてみない?」
DIO「…あいにくだがそれはやめておくよ……ここはどうも明るすぎる」
鈴仙「明るい?そうですか?竹林があって結構暗いですけど…」
永琳「馬鹿ね鈴仙は、その意味じゃないのよ」
鈴仙(ば、馬鹿って言われた…)
DIO「……気持ちはありがたく受け取っておくよ……そうだ、この近くに妖怪の山があるか?」
永琳「妖怪の山?えぇ、結構近いけど……なぜ」
DIO「……少しばかり見てみたいものでな……どんな場所なのか興味深い」
妖夢「あぁ、では私が案内を……」
DIO「一人で構わない…ここまでの道は覚えたからな…」
輝夜「……一つ言っていいかしら」
DIO「なんだ」
輝夜「あなた、もしかして好奇心旺盛なほうなのかしら?だとしたら注意しなさい、好奇心は猫を殺すわよ」
DIO「……あぁ、胸に留めておくよ」

357:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:44:02.431 gpgbqe4F0.net
内心くだらない、と思いつつDIOはそっと立ち上がった
DIO「妖夢、君は白玉楼へ帰るだろう?永琳、私は今日くらいはここで世話になりたいのだが」
永琳「えぇ、歓迎するわ」
DIO「そういうことだ妖夢……途中までは同じ道だろう、一緒に行こうじゃないか…」
妖夢「は、はい!」
世話になりました、と鈴仙に頭を下げてから妖夢も駆け出す


鈴仙「…なんていうか、DIOさんって…不思議な人ですよね」
輝夜「少しばかり、生き急いでいる気がするわ」
永琳「姫、彼は死なない体なのですから……生き急ぐ、という表現はおかしいですよ」
輝夜「…えぇ、そうね」

358:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:44:22.615 gpgbqe4F0.net
DIO「…」
妖夢「あ、あの…DIO殿」
妖怪の山へ向かう…というDIOの後ろを、妖夢は少しばかり背を丸めながら歩いていた
その理由は、DIOの表情にあった…
彼の表情は今ッ!!公開されたばかりの映画の列に並ぶ若者のように、期待に満ちていたのだッ!!
そして、DIOのその期待は、どこかどす黒いのだ!!
妖夢「妖怪の山に向かわれるのは、少し危険です…あ、あそこには私や幽々子様でも少し手間取る妖怪がごろごろと…」
DIO「…妖夢、君は白玉楼にまっすぐ帰るんだろう?なら関係ない話じゃあないか」
妖夢「う…」
DIO「…いや、許してくれ……ちょいと厳しい言い方をしてしまったな」

少し遠くに見える妖怪の山を指差して…DIOはニヤリと笑った

359:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:46:07.219 gpgbqe4F0.net
DIO「あそこは…人間を嫌う妖怪が多く住んでいると聞いた………フフフ」
DIO「…どこか、面白いじゃあないか…人との関わりを嫌う仙人、なんていうのは外の世界にもいたが…」
妖夢「……あ、あの…それでも、かなり危険ですよ」
DIO「…なら君が護衛についてくれればいいさ」
妖夢「わ、私がですか!?え、えっと…」
DIO「冗談だ……君がついてきたところで、あまり意味はないだろう…何しろ、君はこの幻想郷でもう長く暮らしているのだからな、いまさら妖怪の山の連中と厄介ごとを起こしたくはあるまい」
妖夢(うぅ…役立たずなんだ、とストレートに言われた方が気楽…)
DIO「………私は、あの山を見てみたいのだ…そこに住む連中などどうでもいいのかもしれない、よく聞くだろう?ピラミッドはただの墓であるにも関わらず、そこにファラオが埋まっているだけでさまざまな現象が起きるのだ、と」
DIO「だとすれば、だ……あの妖怪の山にも何か不思議な雰囲気や現象があってもおかしくはないだろう」

360:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:46:24.444 gpgbqe4F0.net
妖夢「…そうでしょうか?私は普通の山だと思いますが……」
DIO「それと、ただの探検気分もあるなぁ…幻想郷は面白い場所が多いからな、退屈しないで済むよ…」
妖夢「……わ、私もついて行きますよ」
DIO「…幽々子が腹を空かせて待っているはずだ、帰ってやれ」
妖夢「ですが……」
DIO「君はあの亡霊を、何事も飲み込む怪物にでも変えるつもりか?」
妖夢「わ、分かりました…では」
くるりと方向を変えた妖夢が…心配そうに、一度だけ振り返った
妖夢「…DIO殿、お気をつけて」
DIO「あぁ…君もなァ……」

361:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:46:44.776 gpgbqe4F0.net
DIO(フン…気をつけろだと?一介の剣士如きがこのDIOに随分な口を叩くものだ…)
妖怪の山を目の前にし、DIOはそっと空を見上げた
もうすぐ日が落ちるのだろう……今からこの妖怪の山を登る気にはとてもなれない
かといって、ここまで来て本当に見て終わるだけ、なんてもったいない
DIO「……」
ちらり、とDIOが見たのは、妖怪の山のふもとにある小さな小屋だった
そこに誰かが住んでいるのだろうか、中から小さな明かりが漏れているのが見える
もしもDIOがそこで一週間暮らせ、と言われたら不機嫌になってしまうだろう、それほどに簡素な小屋だ
DIO「……」
気が付けば、その小屋のほうへ足が向いていた

362:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:47:04.870 gpgbqe4F0.net
にとり「……やはり、非常に難しい…ウーム、星どころかその先の銀河まで見える望遠鏡…それも、超小型…」


DIO「…失礼するよ」

にとり「ん?」

DIOが見たのは、おおよそ子供としか思えないほど背の低い女の子だった
本当に、女の子という表現がぴったりくるのだ

363:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:47:25.979 gpgbqe4F0.net
DIO「…失礼するが…君はここの住人だな」
にとり「おや、たしかあなたは……最近幻想郷に迷い込んだという、DIOさんでは?」
DIO「……私のことを知っているのか?」
にとり「えぇ、文々丸新聞でも話題になっていましたから」
DIO(あの馬鹿天狗……このDIOのことを勝手に記事にするとは、いい度胸だ…)
DIO「……そうか」
にとり「それで、その吸血鬼さんが何の御用で?私に発明してほしいものがあると?」
DIO「発明だと?君は科学者か何かか」
にとり「えぇ、いろいろな物を作れますよ」
DIO「ほほう…中々興味深いな…これはなんだ」
DIOが、机の上に置かれている置物を指差す
にとり「それは置物に見えますが、中身は爆弾なのですよ」
DIO「爆弾だと?」

364:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:48:08.073 TffytEL5a.net
カービィェ

365:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:48:14.097 gpgbqe4F0.net
にとり「あぁ、安心してください、あくまでそれは見本というか……爆発はしませんので」
DIO「…これはなんだ?見たことのない形の物だ」
にとり「それは持ち運び可能な映像再生機器ですよ」
DIO「映像だと?これで映像が見れるのか?」
にとり「えぇ、最もその映像は、このカメラを使ってディスクに焼きこまなければならないのですがね」
DIO「…私にはさっぱりわからんな…」
にとり「…あの、こんな辺鄙なところになぜ?私に発明してほしいのでなければ、本当に理由が…」
DIO「いやなに……ちょいと妖怪の山を見てみたくなってね…それで、ちょうどその麓にこの小屋を見つけたから立ち寄った、それだけだ」
にとり「なるほど…ですが、この山にはあまり見ものなんてないですよ」
DIO「あぁ、それは知っているさ」
笑いながら…DIOが、小屋の中にあるものを次々と眺めていく
DIOの見たことのない機械ばかりだ……中には、用途どころかそもそもの構造さえ理解できないものもある
DIO「…ここは面白いな……」

366:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:48:52.322 gpgbqe4F0.net
笑いながら…DIOが、小屋の中にあるものを次々と眺めていく
DIOの見たことのない機械ばかりだ……中には、用途どころかそもそもの構造さえ理解できないものもある
DIO「…ここは面白いな……」
にとり「そうですか?よかったら、何かほしいものがあれば言ってくださいよ」
DIO「…君には何の得もないじゃないか」
にとり「いえいえ、作ることそのものが趣味なのですよ」
DIO「…変わったヤツだな」
ちらり、と小屋の外を見る
夕日がそろそろ沈む…それを見たDIOが、ぽつりとつぶやいた


DIO「…あの太陽を消す機械を作ってくれよ」

367:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:49:34.456 gpgbqe4F0.net
にとり「…は、はい?」
DIO「フフフ…冗談だ、吸血鬼だからね、太陽は天敵なのだよ」
にとり「あ、あぁ……そういう意味ですか」
にとり(吸血鬼ジョークなのだろうか?)

368:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:50:03.712 gpgbqe4F0.net
DIO「…すまないな、急に邪魔をして……本当はもう少し話をしたいのだが…フフフ、ここは興味深いからな…だが、さすがにこの時間までいては邪魔になるだろう」
にとり「そうでもないですよ、幻想郷の中にはあなたのような知的なタイプなどほとんどいないもので、私も意外とあなたに興味があったりするのです」
DIO「…」
にとり「私の機械作りの話など理解してくれる人もいないですから、あなたはそれをもしかして理解してくれるかも、と…」
DIO「…そうだなぁ…もしも私に何か作ってほしいものができたら…報酬代わりに君の話を聞いてやるよ…中々面白そうだ」
にとり「本当ですか!!」
DIO「それじゃあ、今日は邪魔するよ…そうだ、君の名は」
にとり「にとり…河城にとりと言います」
DIO「にとりか…よろしく」
妖しげな笑みを浮かべながら……DIOは、小屋の外へと足を踏み出した

369:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:50:21.758 gpgbqe4F0.net
空から姿を消そうとしている太陽を睨み付け�


370:ネがら、DIOは再び永遠亭へ向かおうと、踵を返し… ジョセフ「て、てめぇ…!!」 ジョセフ・ジョースターを見つけたのだ…



371:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:50:49.474 gpgbqe4F0.net
DIO「…」
ジョセフ「…」
文と、早苗も一緒にいた
どうも、妖怪の山から下りてきたようだ…なぜ?


DIO「…宴会の時以来だから…フフフ、二日ぶりか?こんな辺鄙な山で何をしていた、ジョセフ」

372:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:51:07.212 gpgbqe4F0.net
DIO(…ここの連中を味方につけようと、登っていたのか?フン、ご苦労なことだ)
DIO(…まさか、このDIOが幻想郷の中で少しずつ信頼を獲得しているとは思っていないだろうな…美しい絹に少しずつ水が吸い込まれていくようにな…)

DIOの問いに、ジョセフはしばし睨みを利かせ、そして答えた

ジョセフ「…ちょーっとここの上の神社にお参りに行っただけよ、ここで争いごとが起きませんようにーってな!!」
DIO「…早苗、君はなぜここにいる?話に聞くと、ここの頂上に君の神社はあるんだろう…」
早苗「い、いえ…」
ジョセフ「こいつが人間の里で宣教したいって言うんだけどよ…ちょうど俺が泊まっている紅魔館ならこいつも泊められるって寸法よ」
早苗「そ、そうなんですよ!!」
DIO「…フフフ、そうか…それは大変だな」
DIO(フン、わざわざそんなごまかし方などしなくてもいいものを…この早苗とかいう女…ジョセフを信用しているようだな、こいつは要注意だ…)

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15/07/22 15:51:24.043 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…てめぇこそ何しにこんなところにいるんだよ」
DIO「なに…私は、永遠亭からの帰りだ…少し散歩するのも悪くないだろう?」
ジョセフ「な、なんだって?」
DIO「いや、帰りというのはおかしいかもなぁ……今日は永遠亭で泊まらせてもらうのだからな…フフ」
文「DIOさん…え、永遠亭にはどのようなご用事で?」
DIO「あそこの永琳とは…どうも気が合うような気がしてなぁ…」
そのセリフに、ジョセフは顔色を変えた
DIO(恐怖しているな…ジョセフ…)
DIO(そうだろうな、自分だけではない、このDIOも味方を作っているのだ…それも、貴様のなんかよりもよっぽど強力な味方をな…フフ)

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15/07/22 15:51:42.646 gpgbqe4F0.net
DIO「…おっと、君たちは紅魔館へ帰る途中なんだろう?早く行ったほうがいいんじゃあないか…?」
文「そ、そうですね、ジョセフさん…」
ジョセフ「ちっ……おいDIO、あんまり出歩くと、妖怪に襲われるぜーッ!!!」
DIO「…」
DIO(妖怪に襲われるだと?全く逆だな…私を襲ってきた妖怪など、もはやそいつの命など保証できん…)


その時だったッ!!


DIO「!!」

突然!!時間が止まったのだッ!!
この感覚、DIOは馴染み深い物!!目の前のジョセフや文達の動きは止まっている!
DIO(ほほう…咲夜のヤツが時間を止めたか?そういえば、今はそろそろ夕飯という時間か…)
DIO(フフフ…フハフハフハハハハハハハ!!このDIOの『止まらない世界』…ジョセフ、貴様にもほんのちょっぴり味わわせてやる)

375:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:52:03.740 gpgbqe4F0.net
止まった時の中、DIOがジョセフの後ろにくるりと回り込む

DIO「…ジョセフ、お前はこの止まった時の中での私に動きに気づいていない…気づくわけはない」
DIO「文、早苗…お前達もそうだ…そして、フフ…もしも私が『世界』の拳で貴様達の胴を貫けば、一貫の終わりなのだが…あいにくと、それはやめておいてやろう…」



時間が動き出した

ニヤリと笑ったDIOが、ジョセフに言う




DIO「くだらんことを言うなよジョセフ」

376:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:52:27.374 gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…ハッ!?い、いつの間に後ろにッ!!!」
文「!!??い、今の今まで私達の目前にいたのに…!!」
ジョセフはもちろん、文と早苗さえも驚愕の表情を浮かべていた

DIO「なに…君達には見えなかったのか?我が『世界』が私を運んだのが」
早苗「そ、そんなスピードがあるんですか!?」
DIO「…見えなかったのなら関係ない……フフ、ジョセフ」
DIO(…驚愕しているなァ、ジョセフ…このDIOが、咲夜の止めた時の中で動けると、初めて体験したか?フフ)

DIO「……それではな」

377:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:52:47.942 gpgbqe4F0.net
驚愕の表情を浮かべる三人に背を向け…DIOは、再び永遠亭へと歩を進めた

DIO(……フフフ…白玉楼、幽々子と妖夢…)
DIO(その幽々子と親交の深い八雲紫……今度はそれとも親交を深めるべきか)
DIO(いや…とにかく、今日は永遠亭の連中の信用を得るとするか)

ニヤリ、と笑ったDIOが、小さくつぶやく



DIO「ジョセフ…貴様の、私に対するそんなちゃちい対抗など…無駄なことよ、無駄無駄」ニヤリ

378:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:54:18.556 gpgbqe4F0.net
DIO「……」
再び竹林の前にたどり着いたDIOは、ちょうど見知った顔を見つけた

妹紅「…ん?なんだ、DIOじゃないか」
DIO「…妹紅……何をしている?君は竹林の中に住んでいたじゃあないか」
妹紅「何も、一日ずーっと竹林にいるわけじゃないさ…ちょいと外に用事があったんだよ」
DIO「…」
妹紅「お前こそ何してたんだ?こんなところで」
DIO「…永遠亭に行くところなんだ」
妹紅「…永遠亭だと?」

眉をひそめた妹紅の理由を、DIOは知っている
DIO「…輝夜のことだな……フフフ、聞いたぞ…君と彼女は因縁の相手なのだ、とな」

379:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:54:34.975 gpgbqe4F0.net
妹紅「…DIO、お前が連中と絡むのを咎める気はない…だが、一つ警告しておくよ、あいつらは決して真っ白なヤツらではない」
DIO「……そんなことはわかっている…フフ、何しろ私も真っ白とはとても言えないのでなぁ…」
妹紅「…永遠亭への道は?わかるか?」
DIO「あぁ、もちろん……君はどうするんだ」
妹紅「途中まで私も同じ道だ……気に食わないけど、連中と住んでる場所が近いからね」
DIO(……永遠亭組と手を組むとなると、妹紅は少しばかり味方に加えにくいか…まぁいい、不老不死なだけの人間などに興味はない…)
妹紅「…じゃあ、行こう」
DIO「あぁ」

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15/07/22 15:54:58.495 gpgbqe4F0.net
妹紅「……ん?」
突然妹紅が足の動きを止めたのは、竹林をしばらく進んでからだった
足元に、小さな毬が転がっていたのだ
妹紅「こ、これは子供の遊ぶ毬だ……な、なぜこんなところに…」
DIO「……それがここにある、ということはここに子供がいた、ということだろう…別に驚きではない、この近くには人里があるじゃあないか」
妹紅「こ、この時間に私の案内もなしに!!こ、子供がここに迷い込んだのだとしたら!!」
DIO「…」
妹紅「竹林の中で迷っているかもしれない?そんなことならまだマシだ!!こ、ここには危険な妖怪が多数生息しているんだ!!」
焦ったように、妹紅が大声を上げる
妹紅「おい!!!どこにいる!?だ、誰か!!!この毬の持ち主はいるか!!!」
DIO「…妹紅、あまり大声を出すなよ………その程度のことで」
妹紅「な……なんだと!?」

381:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:56:53.269 gpgbqe4F0.net
どこ吹く風、といった顔のDIOに、妹紅が詰め寄る

妹紅「お前!!!子供が一人、もしかしたら妖怪の餌食になっているのかもしれないんだぞ!!そ、それを…その程度だと!?」
DIO「…それは、人間の立場に立って考えた場合のことだ…だがなァ、妖怪の立場になって考えろ、それは仕方のない捕食なのではないのか?」
妹紅「私は人間だ!!!!」
DIO「……昔から…ずっと思っていた、人間はいつも弱い者ばかりの味方になろうとする…それが気に食わないのだ、強い者を憎むのは、自分自身も弱者だからだろう?弱者同士が集まって強がる…フン、哀れな犬と同じよ、一匹では獅子に立ち向かえない」
妹紅「DIO……!!!それ以上言ってみろッ!!いくらお前が吸血鬼だとしても!!私は、お前を叩きのめすッ!!!」
DIO「だから落ち着けと言っただろう……毬の持ち主が見つからない……そして、ここに血の跡はあるのか?」
妹紅「!?」
妹紅が地面を見渡す
だが、血の跡と思われるものも、引きずられたような跡もない

DIO「……どう思うのだ、君は?まさかその妖怪が一瞬にして、その人間を丸呑みしたとでもいうのか?」
妹紅「そ、それは……」

382:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/07/22 15:57:10.739 gpgbqe4F0.net
DIO「私の推測はむしろこうだったのだ……その毬の持ち主は、わざとその毬を置いて『逃げた』のではないのか?先に妖怪を見つけてしまい、自分は慌てて隠れたのではないか?そして、お前の呼びかけに出てこないのはただ一つの理由」




DIO「…まだこの近くに妖怪がいるからこそ、怖くて出られなかったのではないのか、となァ」
妹紅「!!」


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