12/11/21 03:47:20.56 0
そもそも今回「国民の信を問う」ことになった直接のきっかけは、消費税率の引き上げである。増税で合意した民主、自民、
公明の3党は、その必要性を国民に丁寧に説明しなければならない。
ところが、気がかりな動きがある。増税で負担増を国民に求めようという時に、財政をさらに悪化させる政策が散見されることだ。
自民党の「国土強靱(きょうじん)化計画」はその代表格だろう。「災害に強い国づくり」を大義に、10年間で200兆円もの公共投資を提案している。
当然、財源が問われる。安倍晋三総裁の発言からうかがえるのは、政府が建設国債を発行し、それを日銀に直接買ってもらうシナリオだ。
国の借金を日銀が直接引き受けてはならないとした財政法に抵触しそうで実現は不確かだが、問題なのは背後にある考え方である。
国債を誰が買おうと、借金を子孫に残すことに変わりはない。子孫へのツケを減らそうという消費増税と逆行する。最悪の場合、
「政府が日銀を打ち出の小づちにして野放図な借金を始めた」との観測から、国債価格が暴落(借金に対する金利が急騰)する恐れがある。
超低金利の今でさえ、過去の借金の利払い費が年間約10兆円という日本にとって、万事休すだ。
財政健全化でもう一つ心配なのは、「デフレ」や「景気」を理由に14年4月予定の消費税引き上げが延期される余地が残っている点だ。
昨年まで20年間の実質GDPの伸び率は平均0.9%程度である。高める努力は必要だが、
成長率が2%に届かなければ消費税を上げないという理屈が通れば、いつまでも増税は不可能で、財政は遠からず破綻するだろう。
リーマン・ショックのような極端な場合を除き予定通りに増税する方針を明確にすべきだ。
財政再建に次ぐ2番目の軸として問いたいのは、デフレや経済成長に対する各党の考え方である。何かと物価に焦点が当たりがちだが、
そもそも物価は経済活動の体温のようなものだ。経済活動が停滞したまま物価だけ無理に上昇させても、かえって家計は苦しくなる。
ソース 毎日新聞
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(続)