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おならの臭いを消したい。そんなきっかけで生まれた「瞬時に消臭する肌着」が、介護の現場などで好評だ。
肌着の布の糸に張り付けたセラミックスと、糸の中に浸透している金属イオンの効果で「30秒後に80%以上の
消臭効果」があるといい、施設に暮らす高齢者だけでなく、下痢や便秘を繰り返す過敏性腸症候群(IBS)で
悩む人々にも人気を呼んでいる。11日は「介護の日」−−。
パンツの発案者は、広島大の大毛宏喜(おおげひろき)教授(消化器外科、感染症)。病気の症状の変化と
おならの臭いの関係に関心を持ち、臭いの原因となる硫化水素を研究している。
研究で滞在した米国で、消臭効果のある活性炭を使った座布団やショーツのパッドなどが売られているのを見て
「パンツ型にしてお尻を包めば臭いが逃げない」と考え、帰国後に繊維メーカー約50社に消臭用の布の開発を提案。
繊維総合メーカーのセーレン(東京都港区)が興味を示し、共同開発が始まった。活性炭は炭が落ちるなど実用に向かず、
試行錯誤の末、セラミックスの無数の穴が臭いのもとを閉じ込め、金属イオンがそれらを分解する方法で、瞬時の消臭を実現。
08年に「瞬感消臭」のブランド名で商品化した。
「排せつ物などの臭いに悩む介護現場なら効果が分かりやすい」(大毛教授)と、介護施設で暮らす高齢者向けに
販売を始めたところ「体臭が軽減された」と歓迎する声が寄せられた。その後も、人工肛門を使う患者用の消臭腹巻きなど、
商品数はどんどん増えた。
排せつ物や加齢臭など、臭いの原因はさまざまだが、セーレンの今井暢之部長は「セラミックスの種類や配合を変えることで、
さまざまな臭いに対応できる」と語る。
大毛教授は「自分の臭いに過敏になって悩んでいる人も多い。こうした消臭商品があれば安心感につながる」と力説。
セーレンでは現在、ビジネスマン向け靴下や女性用ショーツなど、計22アイテムを販売している。ネット通販などを通じ、
今年はシリーズ全体で約3万枚を売り上げている。
ソース:URLリンク(news.nicovideo.jp)