18/12/25 17:11:57.28 .net
>>406ゴルゴが搭乗手続きをしている間、今西刑事は相棒の吉村刑事とともにパトカーに乗り込み
首都高を羽田に向かう。
今西は今一度、>>406ゴルゴが幼かった頃、業病の父親とともにたどった巡礼の旅を思い返していた。
海からの風と雪が容赦なく父子を襲い、病気の進行とともに衰弱していく父はよろめき、杖にすがり、
しかし片手はしっかりと息子を寒さからかばうように抱き寄せながら、夜の宿は寺の床の下、あるいは
村の端に捨てられたような小屋とし、祠がある場所ある場所で治癒の希望なきの承知でそれでもすがる
ように親子で手を合わせる姿…、過酷で哀しい、しかし親と子の絆はしっかりと結ばれていた旅の様子
を思い描くと、今西は>>406の手首にこれから手錠を落とさなければならない自分の仕事を呪った。
「本人が本人になりすまし病」という難病がゆえに人々の攻撃にさらされ、しかし自業自得がゆえに「業
病」と云われる所以だが、吉村は屈託なく「今西さん、やりましたね。田町操車場で三木元巡査が残した
『かめだ』の一言から、秋田県から島根県まで飛び、ようやく犯人にたどり着きました。総監賞間違いなし
ですよ」とはしゃいでる。
今西は相棒の能天気さに思わずカッとなり「そんな言い方は砂の器！」と言いかけたが、あほらしなった
ので止めた。羽田のターミナルビルが見えてきた。