17/08/13 16:30:03.54 .net
「アルフレッド・ドパニオン……。この辺りで活動している、S級冒険者です。数少ないS級の中でも、飛び抜けた存在だと……」
リーフがそう説明してくれた。
アルフレッド・ドパニオン……そうか、あいつがか。
名前は聞いたことがあった。その功績とは裏腹に、横暴で我儘、自己中心的で器量の低い人物だという噂である。
自分の女が不躾な目で見られたというだけの理由で、酒場で魔法を使って男を殺し、店を壊したと聞いたことがある。
「なんだお前らは? 今俺を、ジロジロと見ていただろう?」
アルフレッドが隻眼で俺とリーフを睨んできた。
俺は小さく頭を下げ、リーフの手を引いて逃げようとした。
アルフレッドの姿が消え、一瞬で俺の前へと移動した。
速い……それに、動きに乱れがない。
足の速さは、確実に相手の方が上だ。
「頭を下げたってことは非を認めたんだよな? だったら相応の態度ってもんがあるだろう? なんだ、今の頭の下げ方は? 言葉が話せないわけではないだろう、何か言ってみやがったらどうだ?」
「正論……です」
アルフレッドと歩いていた金髪の少女が、舌足らずにアルフレッドの言葉に追従した。