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◆課題
ただ、主力の鉄道事業では、運賃引き下げやサービス向上など利用者にとって目に見える効果が出ているとは言い
難い。
例えば、大阪・梅田などで阪急と阪神を乗り継ぐ場合、同じグループでありながら、一部の例外を除いて運賃の割引
はない。これについて、男性株主が総会で不満を訴えたのに対し、会社側は「（阪急、阪神の）それぞれが適正な収入
を得る制度を作っている」と答えるにとどまった。
プロ野球・阪神タイガース戦の指定席券を贈る株主優待制度が統合後に廃止されたことに対しても、株主から再開
を求める声が寄せられたが、会社側は株主数の増加などを理由に「収支に与える影響が大きい」として、再開の考え
がないことを明らかにした。
最も統合効果を出しやすいとされた車両の共通化も、「駅と駅との距離の違いから、車両に求められる加速度も異
なり、共通化の利点は少ない」（阪急幹部）と棚上げされたままだ。約１００年間競ったライバル同士が、村上ファンド
による阪神株買い占めという“偶然”をきっかけに統合しただけに、「効果を出すのは容易ではない」（在阪私鉄幹部）
との声は根強い。
（2010年6月17日 読売新聞）
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