10/01/17 05:17:31 RFnpGjX1
親愛なる兄上様
最近は酷く冷え込みますが、お元気にしていらっしゃいますか?
しんしんと……療養所の壁も暖房も通り抜けて忍び寄ってくる寒さに、
わたくしは独り、ケープの襟をきゅっと詰めて、夜を過ごしています。
準夜から夜勤へと、看護婦さんの交代があって、その後の巡回の時……
眠られないでいるのを悟られないように、わたくしは毛布をきっちりと被ります。
そんなとき……いつも思うんです。
兄上様は、今、ゆっくり休まれているかしら、どんな夢をみていらっしゃるのかな……って。
わたくしがまだ小さくて、元気だった頃……あの頃だったら、兄上様のベッドに、
潜り込んで、びっくりさせたりしたこともあったんですもの♥
ウフフ、わたくしが兄上様にイタズラもするような元気な妹だったのは、もうずいぶん昔のことですね……
兄上様、治るのにだいぶん時間がかかる……そんな煩わせるばかりの妹のわたくしに、
本当にいつも優しくしてくださって、ありがとうございます。
もしかしたら治るなんて日は来なくて、兄上様はわたくしのことなどお忘れになってしまうかもしれませんけれど……
わたくしは、兄上様がいつもいつまでも大好き……です♥
兄上様の足枷にならないように……わたくしも、頑張りますね。
もう、夜が明ける時間です。どうぞお体ご自愛ください。
兄上様 お許に
鞠絵