11/08/23 14:19:40.21
日本料理は、美しい盛り付けと個々の素材の繊細な味わいを堪能することに
重きを置く料理のように思う。それに対して韓国料理は渾然一体が持ち味だ(あくまで主観だが)。
ビビンバはその良い例。盛り付けの美しさは日本料理に引けを取らないが、そこに躊躇なく
スッカラ(韓国風スプーン)を入れ、これでもかというほどよく混ぜる。素材の持ち味を
溶けあわせることで、極上のおいしさを作り出すのである。
自分の場合は、この"渾然一体"に慣れるまでにずいぶんと時間がかかってしまった。
混ぜる食文化になじむ前は、ビビンバをまるでちらし寿司を食べるように、それぞれの
具とご飯をそのまま口に運んでいた。それはそれでおいしいのだが、やはりなんだかパンチに欠ける。
転機となったのは韓国を訪れた時だ。食堂で周りを見回せば、地元の人々は一心不乱に混ぜている。
そこで意を決して思い切り混ぜてみた。美しい盛り付けが跡形もなく崩れていく様子に、少しの罪悪感を覚えながら。
そうして出来上がったものを口に運ぶと、おぉ!うまい!! 牛肉、ほうれん草やもやしなどのナムル、
コチュジャン、ごま油がご飯と混ざり合い、引き立て合い、単品では決して味わえない複雑なおいしさを生み出していた。
韓国の方と結婚した女性から聞いた話では、食材については韓国でも国産を重視する傾向が強いとのこと。
地産地消、韓国で作る料理をおいしくするのは韓国国内で作られたもの、という考えだ。ならば日本で
作る韓国料理は日本産の素材がいいのかも? ということで、国産素材を使った手軽なビビンバの素を
探してみたら、国産の大豆もやしを使った"ビビンバ丼の素"を発見。しかも、具材がはじめから
混ざっている。これに好みのナムルを加えたら、奥深い味わいが気軽に楽しめそう。
さて、韓国の混ぜる食文化はカレー、オムライス、パフェなどにも浸透している。
それを目の当たりにした時は、さすがに絶句。日本だったらお行儀が悪いと怒られそうな……。
でも韓国ではノー・プロブレム。文化の違いというのは本当に面白い。(
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)