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レヴァインが1987年と1990年にベルリン・フィルと録音したシューマンの交響曲全集。
思索的・哲学的な深みや青春の苦悩などはまったくない代わりに、まるでギリシャの彫刻のような
完璧な美しさを誇る。あるいはどこまでも青く、どこまでも明るいエーゲ海のような演奏。
これはこれでシューマンの交響曲のひとつの極限の演奏だと思う。
シューマンの交響曲全集の名演を探す方には、たいていこの録音を薦めていたが、
なぜかこの数年ずっと廃盤の憂き目に遭っていた。ELOQUENCE シリーズでもなんでも復活して
くれたのはありがたい。 このアポロ的な美しい演奏を聴くと、ある日のレヴァインを思い出す。
六本木のWAVEのクラシック売り場. そこに巨体をゆすりながらやってきたレヴァイン。
その背後には目も覚めるような金髪の美しい青年が二人付き従っていた。 ガードマンなのか、
ほかの目的なのかは知らない。しかしあの彫刻か絵画から抜け出てきたような美青年たちの姿が、
このシューマンの演奏とダブって仕方がないのである。