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長澤まさみが、本谷有希子とタッグを組んで初舞台に挑む。8月5日から東京・渋谷のパルコ劇場で始まる
「クレイジーハニー」(本谷作・演出)で、ファンに暴言を吐きまくる落ち目の作家を演じる。「振り切れた役
を思い切り演じたい」と、清純派のイメージとは真逆の新境地にのぞむ。
長澤演じるひろみは純真な内容の携帯小説でデビューしたが、実体験を赤裸々につづる路線に転換。リリー
・フランキー演じるゲイの悪友とトークイベントに出演したことから、暴走に拍車がかかっていく。本谷は「舞
台を生き生きと跳ね回る、まさみさんを見てみたかった」とキャスティングの理由を語る。
本谷作品には、過剰な自意識にさいなまれ、人間関係をうまく築けない女性がよく登場する。今作のひろみ
も、他人に口を挟まれる人生にうんざりし、行く末を案じるファンを敵と思い込んで壊れていく。
出演者が台本を声に出して読む稽古の段階で本谷は、まだ長澤が自分のセリフの意味を理解していないと感
じ、演技できるのか心配したという。「でも、ひろみの心情が分かり始めてからはグングン良くなった。いい意
味で好き勝手に、大胆な攻めの演技をしている。意外と舞台に向いているんじゃないかな」と太鼓判を押す。
長澤は、ひろみの人物像を「態度や行動はかわいくも何ともないんだけど、内心は意外と素直で純粋。『私
を知って』と必死なところがかわいい」と分析。自身、ファンの評価が気になった時期もあったといい、「すご
く共感できるし、寄り添ってあげたいと思える」と話す。
相棒役を演じるリリーとは、役作りのために毎日、交換日記をしている。「お互いの良いところ、悪いとこ
ろを、全部さらけ出してます。重くて暗い内容で、人にはとても見せられないですけど」と笑う。
長澤は「舞台でのびのびお芝居できるように、自分自身を高めていきたい。本谷さんは私に『まだ色がつい
てない』と言ってくれるし、色々挑戦することに気負いもなければ怖さもない。何でもやります、という気持ち
です」。
劇中、ひろみが「人が人とつながりたいなんて暴力です」と言う場面がある。東日本大震災後、絆や団結が
強調される風潮に対して、本谷は「あえてこの時期に『そんなにつながるなよ』って言う人間が、一人ぐらいい
てもいいのかなって。それで救われる人もいると思うんです」。
8月28日まで。共演は成河(ソンハ)、安藤玉恵、吉本菜穂子ら。前売りは完売。当日券7350円、2
5歳以下5千円。問い合わせは03・3477・5858(劇場)。9月には金沢・福岡・大阪・名古屋でも上
演する。(神庭亮介)
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