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GERALD F. SEIB 2014 年 5 月 27 日 11:11 JST ウォール・ストリート・ジャーナル
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↑写真、極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首 ZUMAPRESS.com
過去10年間にわたって過激なイスラム主義が世界的な悩みの種だった。過激なナショナリズムが今後10年間の世界の悩みの種になるのだろうか。
そうなり始めているようにみえる。ロシアで、欧州全域で、そしてアジアで、ナショナリズムの運動とそれをかざす政治家が台頭している。
何十年も前にさかのぼる民族同士の敵対関係や不満が再び噴出しており、国際的に認められた国境や制度に疑問が投げ掛けられている。
これを如実に示す最も新しい動きが先週末に表面化した。25日まで投票が行われた欧州議会選挙で、欧州統合に反対するナショナリスト諸政党が劇的に躍進したのだ。
最も顕著なのはフランスで、激烈なマリーヌ・ルペン党首率いる極右の国民戦線(FN)が投票の4分の1以上を確保し、政権与党の社会党と、
中道右派野党でライバルの国民運動連合(UMP)をいずれも下した。
しかし、ナショナリズムの流れが見られるのはフランスだけではない。それは自国民ないしエスニック(民族)グループは保護されなければならないし、
他者よりも優れているとの古典的な信念を掲げるナショナリズムだ。
(中略)最近まで米国の国務次官(経済、エネルギー、環境問題担当)を努めたロバート・ホーマッツ氏は「欧州の多くの地域で、こうしたポピュリスト
(大衆迎合)的、ナショナリスト的政党の台頭がみられ、その一部は極めて過激だ」と述べた。そして「これは、高失業、移民に対する嫌悪感、国家主権を
侵害しているかにみえる(欧州連合=EU=の)規制への怒り、そして強烈な反グローバリゼーション感情などの要因を受けた結果だ」と語った。
欧州におけるナショナリスト運動の復活は、1940年代の世界大戦につながった諸勢力の記憶を必然的に呼び起こす。しかし西欧版ナショナリズムの傾向は、
最も危険ですらない。それは他の地域にある。
ロシアでは、プーチン大統領が、クリミア編入とウクライナいじめを正当化するにあたってナショナリズム感情をあおった。
同大統領は、母なるロシアには本国以外のどこであってもロシア語を話す人々(民族)の権利を保護する義務があると暗に示唆した。
それは、国際的に認知された国境を踏みにじることの正当化につながる恐れもある。とりわけバルト諸国との国境だ。
プーチン大統領のこうしたごり押し的態度は、古典的なナショナリスト運動の特徴を備えている。それは、民族の起源に対する誇りの感情の復活であり、
アウトサイダーの手にある屈辱感に対する憎悪の念だ。
一方、アジアでは、日本の安倍晋三首相が20年間にわたる経済的、政治的な停滞から日本を脱却させようと努力しているが、ナショナリズム感情の復活も
その推進の一要素にしようとしている。そうした努力には、60年間続いた日本の軍事力(自衛隊)の制約要因の撤廃も含まれている。
それは米国を喜ばせる動きだが、アジア地域の他国に不安感を投げ掛けている。
>>2に続く
★1 2014/05/27(火) 15:29:41.25