18/05/25 00:25:00.77 0.net
>>725
沖田 痴小説「死にたひ」
しかし、ここは地獄と呼ばれた四舎二階。社会の電波など、ぶっちぎりの圏外だ。取るに足らないことでさえ、即刻、死活問題に発展していった。
人道にもとる行為をさんざん繰り返しておいて、よくもまあ、おめおめと笑ったり、哀しんだり、勝手気ままに生きられるものだ、と社会の人たちには怒られるかもしれないが、死刑囚とはいえギリギリ人間だ。感情はある。
母からは「鬼の子」と言われてしまっているが、鬼ではない。
血も涙もない獣に限りなく近いとはいえ、改後の見込みもまったくなし、と裁判官から太鼓判を押された身とはいえ、それでもかろうじて人間の気持ちを持っている。踏み外してしまった人の道の重大さに、
処刑台へと上がるその瞬間まで苦しみ、何度も何度も後悔して後悔して後悔して、結局、殺されていく。死ぬ瞬間まで、殺されるぎりぎりまで、後悔を引きずる。それが、死刑という極刑の重さだ。
URLリンク(r-zone.me)