14/10/07 02:25:21.90 0
平壌市の中心・中区域に位置する北朝鮮最大のデパート「平壌第一百貨店」。
30年以上の歴史を誇り、故金正日総書記が生前、何度も訪れたことでも有名な
この百貨店にカメラが入った。三階の一角には、壁にところ狭しと色とりどりの
ブラジャーがデコレーションのように飾られていた。(取材 ク・グァンホ 文 ペク・チャンリョン)
ブラジャー売り場の壁面をよく見ると、花形やV字、Z字のように飾られていることが分かる。
数は優に数百を超えるだろう。こんなブラジャー売り場は、日本にも韓国にもないに違い
ない。確かに、訪れる人々の目を引くには十分な効果があるように思える。
だが不思議なのは、ブラジャーを手に取る客が一人もいないことである。ある女性客が
販売員にブラジャーを買えるかどうか尋ねているが、販売員は知らんぷりだ。「わかり
きったことを聞くな」という態度である。
ブラジャーの価格表には「300ウォン」とある。これは社会主義計画経済にのっとった
国定価格である。撮影当時の実勢レートでは約8円ほどだ。いくら物価が安い北朝鮮と
いえども、こんな、ただのような超安値で生産・販売することは不可能だ。大赤字を
垂れ流すことになる。そう、アートのように飾られたブラジャーは、陳列用で一切販売して
いないのである。
◇市場では中国製ブラジャーが席巻
平壌市内には、区域ごとに公設市場=ジャンマダンが設けられている。90年代後半の
経済麻痺の中から生まれた闇市場が発達したものだ。いわば自由市場である。この
ジャンマダンでは、ブラジャーはいくらでも買うことができる。
ただし、値段は百貨店の「見せかけ国定価格」の10倍以上だ。2012年まで平壌で暮ら
した脱北女性によると、当時、ジャンマダンではブラジャー一着が4000ウォンから5000
ウォン程していたとのことだ。それらはほぼ全てが中国製である。実質的に生産供給能力
を失った国営企業になり代わり、中国から輸入されたものが市場に溢れているのだ。
この女性は平壌第一百貨店の実態について次のように言う。
「平壌市民にとって、第一百貨店に陳列された商品が宣伝用に過ぎないことは常識。
百貨店に来るのは、地方から上京してきた見物人くらいだ」
ただ、非常に限定された商品が、国定価格で販売されることがあり、そんな場合には
店内に長蛇の列ができ警備の警察官が立つほどだという。
国に頼っていては、ブラジャーはいつまで経っても手に入らない。女性たちの需要を
満たすため、中国から多種多様なブラジャーが輸入され、市場で売られている。一方で
国営百貨店は、民衆にとって、今やただの展示場に成り下がっている。美しすぎる
ブラジャー売り場は、「社会主義はまだ死んでない」という北朝鮮政権の宣伝のために
あるのである。
※映像撮影が行われたのは2011年8月である。
URLリンク(www.asiapress.org)
URLリンク(www.asiapress.org)
URLリンク(www.asiapress.org)
URLリンク(www.asiapress.org)