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・米、高濃縮ウラン580キロ搬出 日本から核兵器20発分
核物質のテロ組織などへの拡散を警戒する米政府が1996年から今年夏までに、
京都大や日本原子力研究開発機構(本部・茨城県東海村)が保有する研究用
原子炉から、核兵器約20発分に相当する高濃縮ウラン計579・7キロを搬出、
米国へ移送していたことが27日分かった。米核安全保障局(NNSA)高官や日本
側関係者が明らかにした。
冷戦時代に原子力の平和利用を促進した米国から日本に輸出された研究炉用の
高濃縮ウランが、核テロなどに利用されるのを防ぐため徐々に米国に移送されて
いたことは一部関係者に知られていたが、搬出総量や事業の全容が判明したのは
初めて。
これで日本にあった主要研究炉から、ほぼすべての高濃縮ウランが回収された。
核不拡散を重視するオバマ次期米政権も核テロ対策強化のため、主要研究炉
以外の小型研究炉に残る高濃縮ウランの保全を日本側に促していくとみられる。
米政府の核不拡散事業「地球的規模脅威削減イニシアチブ(GTRI)」を主宰する
ビニアウスキNNSA副局長補によると、米国は冷戦後、テロリストや第三国への
核物質の拡散を恐れ、世界に点在する研究用の高濃縮ウラン燃料の回収に着手。
96年以降、作業を本格化させ、使用済み高濃縮ウランを日本から米国に移送して
核研究施設内に保全した。
さらに高濃縮ウランを除去した日本原子力研究開発機構の4炉のうち、2つについて
低濃縮ウランを燃料とする原子炉に転換、残る2つを閉鎖した。京都大の1炉も来年
夏までに低濃縮ウラン型炉に転換の予定。(共同)
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