18/02/09 19:56:07.23 0.net
これはきっと、仮面を外した2人が心と心を通じ合わせている。
……と、いうわけではないんだろう。
ただ、仮面をずっと着け続けて生きる苦悩を共有できる相手を見つけてしまった2人が、
その苦しみをほんの一時だけでも忘れ去るために、お互い慰め合う。
きっと、それだけのこと。
でも、そうであっても全然構わない。
これが真莉愛の望みだというのなら、
似た者同士の春水にとってもきっと共有の望みであって、
それを拒む理由など何もない。
「こんなんじゃ……。全然わからへん」
春水の言葉をまるで待ち望んでいたかのように、
真莉愛がこれまで見たことのないような妖艶な笑みを浮かべる。
それは、真莉愛の仮面を外した本当の姿なのか。
それともまた別の仮面を着けただけなのか。
そんなことはもう、春水にとってどうでもよかった。
「じゃあ、真莉愛が丸ごとの愛でわからせてあげるね。
今日がまりあとはーちんの、にゃんにゃんの日だから」
再び重なり合うお互いの唇。
そのまま真莉愛が春水の身体をベッドへと押し倒し、
2人はゆっくりと暗闇に溶けていった。
(おしまい)