11/10/08 20:30:41.30 q++ZouiB0
「で、それがあんたにどういう関係が?」
「忘れたらあかんよ、あんたらマジ女のテッペンなんや。マジ女の平和の為にも
トップ二人が仲良うしてくれな、あかんやろ」
「…あっしらはマブダチなんで」
「そうや、羨ましいことに、あんたらマブダチや。だけど恋は別物やろ。人を
恐ろしい程に愚かにも賢くもするんや。
それにな、誰かを恋うる心の動きいうもんは、動き出したら止めようにも止め
られるもんではないと思うんや」
自分の全身に強い熱を感じた。いったいどんな顔を、今私はしているのだろうか。
「ネズミ!!」
私たち二人を見かけたセンターが、猛ダッシュでこっちに走ってくる。
なんて間の悪い。私は自分の顔に血が上ってくるのを感じた。一方おたべは、
さっきとは打って変わった楽しげな笑みを浮かべ、センターと私の姿をチラチ
ラと見比べている。
こういうところが憎たらしくて蹴りの一つでも入れたくなる。
~つづく~
おたべあやしい京都弁でしゃべりまくり(-"-;A ...アセアセ
517:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/08 20:35:56.09 iDGh1CLCi
何故か不覚にもおたべに萌えてしまったorz…
518:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/08 20:38:16.73 N1W4W5fAP
おたべのライバル宣言かと思ってしまったwww
519:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/08 23:56:05.65 rzx4SZNwO
同じくw
続き楽しみだな
520:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/09 01:38:41.88 e6qocRmG0
関西人だけどおたべのセリフ違和感なく読めるよ
続き楽しみにしてます
521:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/09 03:19:35.95 d+792LqP0
センターがAKB1/48の、まゆゆの神告、受けたらどうなるかな?
522:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/09 13:03:19.64 yYsI32Rj0
ネズミが日本にいないだとっ!?
523:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/09 15:20:34.52 Wu0THb1u0
>>521
ダンス以上の量の鼻血出して画面が真っ赤になるだろうなw
524:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/09 15:35:49.71 cP03uDdD0
URLリンク(pic.prcm.jp)
525:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/09 15:58:20.85 2IiRPTqWQ
>>524
これかわいいよね!何話してたんだろ
ほんとねずずはじゅり坊相手だと雰囲気がお姉さんだね
オフの様子を見ると三歳差があるのを思い出す
じゅりなの覗き込み方と顔の傾け方が可愛らしい
こういうのを集めたメイキングというかオフ映像集が欲しかったー
526:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/09 16:02:30.49 80Plled4O
スレタイの屋上ってルーキーズと同じ屋上だよな
527:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/09 16:23:27.80 5J+ZkQ+10
>>524
はううう
普通にしてると珠理のほうが上から見下ろしちゃうから、
目線落としてるのねw
ほんとこういうのもっと見たかった
528:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/09 16:47:01.97 qgs2KEdLO
『センターとネズミfromマジすか学園』
・センネズ対談
「あなたにとってセンネズとは?」
・スペシャル対談 センネズ×おたべ
「実は三角関係!?」
・おたべ持ち込み企画
「はんなりセンネズ観察日記」
・マジすか学園2メイキング映像~センネズ友情の軌跡~DVD
・センネズ握手会券
等々内容盛り沢山なセンネズ写真集が来春発売されることを信じてやまない
529:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/09 16:49:44.01 KIpXQkPFP
おたべ企画多いなwww
530:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/09 19:49:12.61 OVKBiAVLi
いや、おたべだからこその企画…w
531:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 01:03:02.95 Chxlr9u6O
センネズお休み
532:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 01:14:27.11 XYRiwtxL0
>>516
「おたべ、ネズミに何の用だ」
センターは庇うかのように間に入り、私の斜め前の位置に立った。
「なんも、二人で楽しくお話してただけや。なあネズミ」
「ネズミ、本当か?」
「…別に楽しい話ではない」
「うちは楽しかったんやけど」
「何の話だ?私にも聞かせてもらおう」
「センター、ゆるしてな。うちとネズミの乙女の内緒話なんや」
甘やかな音色で話すと、おたべはいたずらっぽい笑みで私に視線を送ってきた。
どこの誰が乙女なんだと皮肉の一つも言いたかったが、センターの手前言葉を発
することは出来なかった。
「ほな、また、お二人さん。ネズミ、おおきに」
ちょっと首をすくめて恥じらったようなそぶりを見せると、おたべは現れたときと
同じように、音もなく姿を消していった。
おたべが去った後、予想はしていたが私とセンターの間に微妙な空気が漂った。
今は何も聞かれたくないし、何も話したくない。出来れば顔さえ見られたくない。
だが走って逃げるわけにもいかないので、センターに背をむけて、パーカーのフ
ードを深めにかぶり直すと、ポケットに手を突っ込こんでゆるゆるとプールサイ
ドを歩き出だした。
センターはついてくる。
「わたしには言えないことなのか?」
どこか咎めるようなセンターの口調。背を向けていてもセンターがどんな表情を
しているか想像がつく。
「そういうわけじゃない」
「だったら・・・」
とにかくここを切り抜けるために、頭を働かせる。何かごまかしでも言い訳でも
気を逸らすことでもいいから、何か。
「おたべのことだ。おたべが…まぁなんだ、ラッパッパの部長としてそれなりに
気苦労やら悩みやらあるらしい」
センターと私の関係がラッパッパの部長として気になるというのだから、これは
全くの嘘ではない。むしろ正しすぎるくらい正しい。
「それを…ネズミに相談していたのか?」
「…まあそんなところだ」
「そうか」
急にセンターが足を止めた気配がしたので、私も立ち止まった。
「……そんなに、ネズミがおたべと親しいとは知らなかったな」
「え?」
振り返ってセンターを見ると、その表情は逆光ではっきりと読み取ることは出来
なかった。
~つづく~
今回は短いのですが
区切りなのでとりあえずここで
ラストはこういう感じで…というのはあるのですが
途中がイイカゲンなので、無駄に長くなりそうな感じです。。m(。_。;))m ペコペコ…
533:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 01:52:04.57 J5erLcACQ
URLリンク(ww2.sinaimg.cn)
優子パイセンとネズズw
534:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 01:57:32.08 xd47azHXO
これいつの時だっけ?
535:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 02:55:22.04 IgBT9E790
>>532
長いのは長く楽しめるし、自分は全然いいと思います
スレの繁栄的にもいいかも、保守にもなる
ちゃんと長くなるって予告してくれたから、嫌な人は避けることもできるし
個人的に、あなた様の作品、すごく好きですよ
そこはかとなく漂う上品な色気がある…w
楽しみに待ってます
536:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 03:48:14.64 BDXlpdaD0
ネズミ、早くベトナムから帰ってきてくれ
私にはお前が必要なんだよ!
537:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 04:20:25.05 gyZccWms0
>>536
会えない時間が愛を育てるんや。もうちょっと辛抱し
538:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 07:27:42.09 cFyHNu8Li
>>532
恋する乙女かわいいよ乙女
539:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 07:32:49.06 cFyHNu8Li
>>533
なんじゃこりゃあああああああ
浮気はいかんぜよおおおおおお
540:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 13:03:04.19 TzclMXdr0
スレの住人の皆さま、こんにちは
以前(8月)に、こちらで“真夏に咲く徒花”を5話ほどアップさせて頂いた者です。
実はあの後も、作品は書き続けておりまして、現在61話まで書き上がりました・・・。
なんとかゴールが見えたので、こちらでも
(パクりだと思われるのが嫌なのでアメブロにて先行公開していますm(__)m)
1日5話程、投下させて頂きたいのですが、宜しいでしょうか?
541:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 13:05:17.75 0mT/OhzO0
是非是非
542:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 13:15:07.79 TzclMXdr0
>>541
ありがとうございます。m(__)m
1~5話は再掲載になりますが、若干ですが加筆修正しております。
それではお楽しみ下さい。
543:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 13:22:19.95 TzclMXdr0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花(あだばな)” 第一話
前田敦子逮捕劇から数ヶ月が過ぎた馬路須加女学園。
真夏の太陽は、いつもの屋上から景色を眺める二人を容赦無く照り付けた。
時折吹き抜ける風が心地好いのを楽しみながら、
すっかり“てっぺん”のオーラを身にまとったセンターが少し物憂げに、
「なぁ、ネズミ。私は思うんだ」
傍らで、何処から持ってきたか判らない薄汚れたデッキチェアーに寝っ転っていたネズミが身を起こし、
「センター、なんだ急に・・・?やっぱり、例のコトが気になるのか?」
「あぁ、気にならないと言えば嘘になるが・・・」
センターは、目を細めここ数日に起こった事を思い出していた。
勿論、“てっぺん”になってからは、腕に覚えのある他校の生徒から毎日の様に襲撃は受けてはいたが、今回は何かが違った。
明確にこれが違うと言えなかったが、本能がセンターに、
《何ガ違ウ、気ヲツケロ・・・》と警告を告げていた。
ネズミは軽く溜め息を付き、
「心配性だなセンターは・・・、仕方ない私が調べてみるよ」
「すまん。でも・・・、無理はするな」
センターは頭を下げる。
ネズミと二人きりの時にだけ見せるセンターの素直な気持ちだ。
“てっぺん”就任前ならば幾らでも他校に単身乗り込み、締め上げる事は出来ただろう。
しかし、今は違う。
センターが動けば、マジ女が動く。
300を超える生徒達がセンターの後に続く事になる。
巻き添えには出来ない。
だから前田は、名目上副部長だったのだろうか・・・。
センターはふと思った。
544:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 13:27:05.83 XYRiwtxL0
うっわぁ、嬉しいです!!! 感謝感激です
すっごい楽しみだったんですよ~ ドキドキ"o(〃・ω・〃)o"ワクワク
自分も一応書き手ではありますが、読む方がぜんぜん楽しいし
545:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 13:28:56.17 TzclMXdr0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第ニ話
「久しぶりだな、ネズミ。すっかりBabyFaceが板に付いてる様だが。クスッ」
捨照護路(ステゴロ)のアジトで、総長の仲俣は何か嬉しそうだ。
「止めて下さいよ、仲俣さん。そんな事は無いっすよ」
総長の机と対極に在るソファーの真ん中に座り、カップ麺を食べながらネズミは笑う。
勿論、作り笑いだ。
「で、此処に来たのは勿論理由(わけ)があるんだろ?お前ん所の“てっぺん”、センターの事か?」
ネズミの背中に冷たい嫌なモノが走る。
《コイツ、それをどうして。やはり、仲俣は侮れない・・・》
ネズミは冷静を装いながら、
「いやいや、ウチは至って平穏無事。たま~に、血のっ気が多い一年坊がセンターに挑もうとしますがね。
階段上がる前に、四天王・・・、いや、尺の下の木っ端にシメられて、大人しいモンです。
だらし無いというか・・・」
ネズミは立ち上がると、カップ麺を持ったまま仲俣に近付こうとするが、仲俣の兵隊達に遮られる。
ネズミはステゴロの兵隊の一人マリヤを殺気を持った目で睨みつけるが、マリヤは全く動じない。
ステゴロの結束力の強さを物語っていた。
刹那、仲俣が兵隊達に声を掛ける。
「構わん。通してやれ」
兵隊達が真ん中からさっと別れた。
ネズミは左右の兵隊達を舐める様に見回しながら、
《まるでエジプト脱出のモーゼになった気分すねぇ。
ある意味羨ましいっすよ、仲俣さん》
ネズミは手に持ったカップ麺の汁を飲み干し、仲俣の机の上に置く。
そして、不敵に笑うと、
「さっきから気になってたんすけど、右腕の怪我、どしたんすか?
まさか、襲われたって事はないっすよね?」
一気にアジト中が、兵隊達の殺気で満ち溢れた。
546:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 13:35:31.50 TzclMXdr0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第三話
マジ女吹奏楽部部室、
つまり、マジ女最強集団ラッパッパのたまり場へ続く階段を一気に駆け上がったセンターが、勢いよく扉を開け、
「おたべ、居るか?」
「センターかいな。どないしたんや?」
部室の奥にある部長室の扉が静かに開き、中からもっさりした声でおたべが現れる。
悪戯に笑うと、
「あぁ、出してた宿題出来る様になったんか?早く聞かしてんか。
仮にもアンタは、もう、ラッパッパの部長や。
最低でもアルト・リコーダーぐらい吹けんと。
ウチはもう只の部長補佐やねんから」
そう、おたべは先の矢場久根との抗争の責任を取り、部長の地位から降りていたのだ。
勿論、前田が逮捕前にセンターとネズミに対して言った『“てっぺん”はお前達だ』の台詞を聞いての事なのだが。
「うぐっ・・・」
センターは黙り込み、微かに焦りの表情がうかぶ。
《しまった。忘れてた・・・》
ラッパッパには決まりがあった。
喧嘩に強いのは勿論の事、最低何か一つ管楽器が出来なくてはいけなかった。
そこが他校のヤンキー集団との違いである。
つまり、ラッパッパとは学校が認めた部活でもあり、故に部費も出てたりするのだ。
しかしながら、センターは管楽器が苦手だった。
どうしても吹いて音を出すの下手なのだ。
センターは溜め息をつき、
《くっそぉ、打楽器や弦楽器なら得意なのに、何で管楽器なんだよ・・・》
「何や宿題出来る様になったん違うんか、残念やなぁ。
ほんまやったら、トランペットかサックスくらいビッとキメてほしいんやけどなぁ、ウチは・・・」
刹那、部室の中に笑い声が響く。
「アハハ。アハハハハ。怒って・・・る?」
547:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 13:42:47.70 TzclMXdr0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第四話
けんけんぱっ。
けんけんぱっ。
夜の路地を片足で一歩づつ跳び、最後に両足で着地した。
時間は既に21時を回っていたが、帰った処で『ただいま』を言ってくれる人もいない。
代議士の父親は殆ど帰る事も無く、毎晩毎晩政党や企業のお偉いサンと料亭で汚い話をしてるか、
愛人宅で宜しく姦(ヤ)ってるかのどちらかしかないので、焦って帰る必要もないのだ。
敢えていうなら、家政婦さんが作った晩御飯が冷めてしまう事ぐらいか。
ネズミの頭の中で情報が交差する。
《つまり、仲俣を襲撃したヤツら?は、センターを襲撃したヤツら?と同一?
しかし、何故また?確かに、センターだけを襲撃するなら、私にも理解(わか)る。
マジ女の“てっぺん”をヤったとなれば、名前は嫌でも上がるからな。
でも何故、捨照護路まで・・・。
しかも、仲俣程の人物が怪我をするなんて・・・。
いつ襲撃されたのだろう?
センターと違い、仲俣は常に兵隊を近くに置く・・・。
やはり、囓(かじ)りついてでも聞くべきだったか、センターの為に・・・。
はっ、私は今なんて・・・》
ネズミは首をブンブン横に振り、
《違う、違う。私は崇高な目的の為に行動してるはずなのに・・・。
落ち着け、私・・・》
立ち止まって、大きく深呼吸した。
「フゥ・・・」
夜の空気がネズミの胸を満たす。
《でも、まだパズルを解くには、ピースが足りない・・・。
仕方ない、明日は朝から矢場久根に行ってみるか・・・》
ネズミは、又、けんけんぱを始めた。
548:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 13:50:12.35 TzclMXdr0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第五話
時間は少し遡る。
「別に私は怒ってない、ゲキカラ」
センターは、おたべの後ろから現れた黒髪の狂気の美少女“ゲキカラ”に言い放つ。
「なぁーんだ、面白くない。アハハ」
ゲキカラが少しつまらなさそうに呟いた。
更に追い撃ちを掛ける様に、学ランまでが部長室から顔を出し、
「おいおい、おたべ。途中で教えるの停めないでくれよ。
ちゃんと英語教えてくれるんじゃなかったのかよ。
俺、次、赤点取るとマジヤバいんだよ。頼むよ~」
情けない声で学ランが嘆く。
顔は見えないが、部長室からもう一人聞き覚えのある声が聞こえ、
「ちょっとー、何で学ランはおたべに聞くの?私に聞けばいいでしょ。
私だって、一応、それなりに優等生なのよ。
それで、前は生徒会長だったんだから」
学ランが顔を引っ込め、
「お前の英語の教え方は、下手なんだよ。無駄にベタベタするし・・・」
「キィー、何ですって!学ラン、そんな言い方はいくない!」
どうやら痴話喧嘩が始まった様だ。
「くすっ。なんだ尺まで居るのか?」
センターの顔が少し綻ぶ。
ラッパッパ四天王の内、三人までが揃ってるなんて。
「そやねん。みんなでテスト勉強してたんや。
次のテスト赤点やと、ゲキカラと学ランは卒業出来へんらしいねんて。
で、センターは一体何の用やったんや?」
おたべは目を細め、優しく問う。
「アハハ。違うよね、センター。
アタシとのリターンマッチの申し込みだよねー?
ちょうど、Rockって単語みてたら、アタシ、身体動かしたくなってきたからさ」
割って入ったゲキカラは真顔だ。
549:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 13:57:38.41 TzclMXdr0
>>544
ありがとうございます。m(__)m
とりあえず記述した通り、まずは5話までを再掲載いたしました。
少しネタバレになるのですが、センターvsサドがあったり。
死んだはずのあの人も意外な形で登場したりもします。
それでは皆さま、明日以降も宜しくお願いします。
550:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 14:41:59.79 cFyHNu8Li
わーい、新しい投下キター\(^o^)/
551:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 21:08:50.25 hWXAYs+n0
まとめサイト、作るのは無理なのかな?
やっぱりあると読み返したい時便利だ
>>549
明日の投下も楽しみにしています!
552:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 22:46:44.54 TzclMXdr0
>>551
ありがとうございます。
日付の替わった零時過ぎに、10話まで投下いたします。
ちょっとだけ解説しますと、マジすかで解明されていない謎を私なりに分析と創造を駆使して書かせて頂いてます。
例えば、
なぜ、優子さんとセンターに共通する髪をかき上げる癖があるのか?(かなり印象的だったもので)
なぜ、センターはヘルマン=ヘッセ・ヲタになったのか?また、ヘッセを理解しているのに、マジ女の様なヤンキー校に入学したのか?
なぜ、センターがチョウコクを倒した技が、パンチやキックではなくプロレス技のブレーンバスターなのか?
など・・・
どうもセンターネタが多いですね。
元々、珠理奈推しなもので許してやって下さい。m(__)m
それでは、日付が替わった直後に、また宜しくお願いします。
長文すいませんでした。m(__)m
553:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 22:52:35.60 ZPeUsQRZ0
>>552
wktkがとまらない
554:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 23:44:06.69 xd47azHXO
今思えば、謎が結構残ってたな。伏線も回収しきれてなかったし…
555:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 23:48:09.29 suKsfcCz0
なぜネズミさんが優子の三つ子の姉妹にお辞儀していたのか
自分的にはそれが一番の謎
556:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 00:08:35.17 yQGVEg8A0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第六話
「Oh!どうしたのですか?我が校のfamous studentが二人もそろって?」
馬路須加女学園校長・野島百合子の元に、おたべに連れられてセンターは来ていた。
センターは慣れないのか少し落ち着かずに、
《まさか、校長室とは・・・、おたべ何を考えてる?》
おたべは校長にニッコリ笑うと、
「ええ、少しご相談が有りまして・・・」
「相談!?Meに?頼ってくれて嬉しいわ。言ってごらんなさい、Miss横山」
校長は笑顔をもって応えた。
「はい・・・、実はこちらの松井さんと話をするのに、校長室を少しお借りしたいと思いまして」
すると校長は首を傾げ、
「そうなのですか?Miss松井と・・・。でもstrangeですね?
You達には、吹奏楽部の部長室があるでしょう?」
「ええ、それはそうなんですけど、実は今、部長室で三年の部員達が勉強していまして・・・」
「まっ、Studyを!」
校長はハンカチを取り出すと、はらはらと目頭を押さえる。
「Miss横山、Youの指示ですか?」
「い、いいえ。私じゃなく、こちらの部長の指示で・・・」
おたべはセンターに話を振る。
驚いたセンターが、少し挙動りながら、
「えっ?俺は別・・・」
「別に大した事言うてへんやんな。只、勉強しろって言うただけやもん」
おたべがセンターの言葉を遮り答えた。
「まぁ、Miss松井が・・・。流石、2年で吹奏楽部の部長になっただけの事はあるわ。
O.K.いいでしょ。
From nowから職員meetingがthe endまでの間、この校長室を好きにuseなさい」
校長は机上の書類を持つと部屋を出ていこうとするが、何か思い出したのか振り返り、
「Miss横山、この前話したUniversity推薦の話、前向きに考えてね。期待してるわよ」
557:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 00:13:53.26 yQGVEg8A0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第七話
「おたべ、さっきのは無茶振りだろ?俺は、肝を冷やしたぜ」
ソファーにどかっと座っているセンターは、やれやれといった感でおたべに文句を言う。
「ははは、堪忍な。せやけど、前に校長先生から言われてたんや。
機会有ったらセンターと話してみたいって」
センターの対面に座るおたべは、一応謝ってはいるが終始笑顔だ。
「校長が?」
センターが疑問を口にすくと、おたべは大きく頷き、
「そや、そら気になるやろ。あの人はラッパッパの初代部長やってんから」
「え?校長が?知らなかった」
「そら、知らんはずやわ。一応、内緒やもん。
くすっ。知ってんのは、歴代の部長位や」
「そうだったのか」
「まあええやん。ウチも校長先生にアンタの顔繋ぎが出来て良かったわ。
さて、前置きが長ごなったな。
アンタの話はコレに関係あるんちゃうか?」
おたべは、スカートのポケットから黒い革手袋を取り出すと、センターに投げた。
「!!!!!」
センターは驚く。
「図星やな。ウチも襲われたんや。
尤も返り討ちにしたんやけど」
「おたべ、お前も襲われたのか?」
「一週間位前かな、襲われたんは。全身黒ずくめの集団で。
ウチが何人か倒した段階で、リーダーとおぼしきヤツが、
『流石、マジ女の“てっぺん”だな』と言ってきたから、『元な』って答えたんがアカンかったんかな。
どうやら、リーダーは元には興味が無いみたいで、ウチの正体が判ると兵隊連れて消えやったわ」
「そんな事が・・・。それで、俺が襲われたのか」
「堪忍な」
おたべは頭を下げた。
センターはおたべを諭しながら、
「いや、気にしなくていい。合点がいった。
要は襲うのは、おたべでも俺でも良かったんだ。
ヤツらの目的は、今のマジ女の“てっぺん”の首であれば・・・」
「なるほどな。でも、何で“てっぺん”の首なんやろ?」
558:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 00:18:19.50 yQGVEg8A0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第八話
「さあな?ただ、私の首を取りにきたって事は、
今の私には優子さん程の強さは無いと、
そいつらは思ってるって事だろ?」
「なんやエラい冷静やな、センター」
おたべは目を細めセンターを見詰め、
《思ってたより大きくなってんな、自分の弱さを認めたって事か。
ちゃんと成長してるやん》
「俺、いや、私はもっと強くなりたい。
おたべ、私はどうしたらいい?」
センターは本気だ。
おたべは軽く溜め息を付き、
「それでウチの所(トコ)に来たんか?」
「あぁ、おたべなら、私の弱点と克服方法を知っているだろうと思って」
「ホンマ、センターは真っ直ぐやな。ええよ、一緒に考えよ。
アンタ、自分では、何処が強くて何処が弱いと思う?」
少し考え、
「強い所は腕っぷしの強さ。
弱い所は打たれ弱いって訳ではないけどスタミナが無い、それと・・・」
センターにしてみれば、自分で自分の弱さをさらけ出すには、かなり勇気が要った。
「それと・・・」
「恥ずかしい話だが、金属の光る物を見ると、理性が飛んで暴走してしまう・・・」
「あぁ、アンタもゲキカラと一緒で、刺された事あるんやったな。
なるほど。弱点を克服するには、方法は二つ」
「二つ?」
「そやな、アンタの場合は両方する方がええやろな」
おたべはゆっくり語り出した。
559:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 00:24:57.63 yQGVEg8A0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第九話
次の日、2年C組の教室。
ネズミがチームフォンデュのメンバー達に対して、何やら提案を持ち掛けていた。
「はぁ?何で俺達が、センターと一緒に行動しなくちゃいけねえんだ?」
チーム・フォンデュキャプテンのどっちがネズミに噛み付く。
副キャプテンのツリが首を傾げ、
「そもそも、センターは前田さんが指名した逸材だぜ。
ウチらが一緒に行動する意味有るか?邪魔なだけじゃね?」
「もちろん、理由が有るんだろ?ネズミ?」
鋭い洞察力を持つ寒ブリが、疑問を口にした。
ネズミはチームフォンデュを見回し、
「そうだな。どうせ近々発覚する事だから話してやるよ。
今、周辺のヤンキー校の“てっぺん”が次々と襲われててな。
必ずといっていい程一人の時なんだよ。
だから頼みたい。
私が付いてやればいいが、あいにく調べ事でそうそうセンターと一緒にもいられない・・・、だからさ。
センターは基本取り巻きを連れて歩かない。
元々は一匹狼だからな」
「また、矢場久根か?」
レモンが尋ねた。
ネズミは首を横に振ると、
「いいや、おそらくそれは無いと思う。
だから、確かめに矢場久根に乗り込む」
ネズミがフォンデュ達に行き先を言ったのは、理由(わけ)が在った。
他のヤンキー校と違い、矢場久根は因縁の相手校。
ネズミは下衆な勘繰りをされ、マジ女の中での自分の立場が悪くなる事を嫌がったのだ。
《センターに迷惑は掛けれない・・・。
今、センターに倒れられると、やっと静かになってきたマジ女界隈がまた五月蝿くなる。
それは私の望む物では無い》
ネズミは周りを見回し、シニカルに笑うと、
「私はメリットはあると思うけどねえ」
「メリット?フケや痒みを取るシャンプーが、ウチらとどう関係があるんだ?」
レモンが首を傾げると、年増が厳しい口調で、
「バカ、違えよ。ネズミはウチらにも得する事が有るってんだよ」
560:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 00:29:12.34 yQGVEg8A0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第十話
「今、センターに顔を売っておけば、
来年の四天王になれる可能性は十分に在ると思うんだけどねぇ」
「!!!」
「!!!」
「!!!」
「!!!」
「!!!」
一斉にチームフォンデュ達に動揺が走る。
寒ブリがネズミに顔を向け、
「少しウチらだけで話がしたい。席を外してくれるか?」
「どうぞ、好きなだけ。私は廊下にいるんで」
ネズミは軽く溜め息を付くと、出て行った。
チームフォンデュ達は顔を寄せ、
「確かにネズミの言ってる事に一理ある」
「確かに」
「てか、来年も“てっぺん”はセンターだからな」
「それによー。センターと一緒に居れば、センターの強さの秘密も判るんじゃね」
「だよな。顔も売れるしな」
「今の四天王で留年しそうなのは?」
「出席日数さえ足りれば、全員卒業じゃね?」
「だったら、四天王候補は、ウチらと尺軍団の中から・・・」
「だとすると、かなり次期四天王の話は現実的だな」
チームフォンデュ達は、それぞれに四天王になった自分を想像してニヤつく。
どっちがフッと笑い、
「有りかもな・・・」
「フレッシュな四天王になりたいのー」
「てか、レモンはそれしか無(ね)ぇのかよ」
「いいか?まとめるぞ。この話、受ける」
どっちがメンバー達に念押しする。
「異議なし!」
教室に賛成の声が響いた。
ネズミは教室に顔だけを出し、
「問題は無いか・・・。センターには私から言っておく」
ネズミは踵を返し、けんけんぱをしながら屋上に向け消えていった。
561:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 00:33:16.02 yQGVEg8A0
お約束通り、10話まで投下いたしました。
お楽しみ頂ければ幸いです。m(__)m
562:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 02:05:58.34 piTFVIAai
乙age!
563:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 09:22:48.15 dJeYY29b0
>>561
ありがとうございます!
これから毎日楽しみにしてます!
564:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 10:01:07.57 bNx2jJV/0
>>563
ありがとうございます。
そう言って頂けると、執筆にも力が入ります。
アメブロでも、10話ごとにキャラ紹介をしていますので、こちらでも入れさせてもらいます。m(__)m
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花”
登場人物紹介(第一話~第十話)
センター:松井珠理奈(松井珠理奈:SKE48チームS所属)
・・・このお話の主人公。馬路須加女学園(通称:マジ女)の“てっぺん”を前田敦子より引き継ぐ。現在、ラッパッパの部長にして2年。
ネズミ(渡辺麻友:AKB48チームB所属)
・・・このお話のもう一人の主人公。現在、ラッパッパ副部長にして2年。
おたべ(横山由衣:AKB48チームK所属)
・・・マジ女3年。現在はラッパッパ部長を退き、部長補佐の立場に。
仲俣(仲俣汐里:AKB48チーム4所属)
・・・捨照護路(ステゴロ)高校の総長。
マリヤ(阿部マリヤ:AKB48チーム4所属)
・・・捨照護路高校総長・仲俣の側近。
ゲキカラ(松井玲奈:SKE48チームS所属)
・・・マジ女3年。マジ女・四天王の一人。
学ラン(宮澤佐江:AKB48チームK所属)
・・・マジ女3年。マジ女・四天王の一人。
尺(峯岸みなみ:AKB48チームK所属)
・・・マジ女3年。マジ女・四天王の一人。元生徒会長。
野島百合子(ふせえり)
・・・馬路須加女学園校長にして初代ラッパッパ部長。
どっち(島田晴香:AKB48チーム4所属)
・・・チームフォンデュのキャプテン。センターと同じクラス。
ツリ(山内鈴蘭:AKB48チーム4所属)
・・・チームフォンデュの副キャプテン。センターと同じクラス。
寒ブリ(島崎遥香:AKB48チーム4所属)
・・・チームフォンデュの参謀。センターと同じクラス。
レモン(市川美織:AKB48チーム4所属)
・・・チームフォンデュの鉄砲玉。センターと同じクラス。
年増(大場美奈:AKB48チーム4所属)
・・・チームフォンデュの出納係。センターと同じクラス。
565:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 10:28:15.61 piTFVIAai
大場さんてフォンデュだったんだ。初めて知ったw
566:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 12:30:10.40 vokg4tOd0
えええええええええええええええ
567:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 16:13:19.04 dgOMKIzRO
>>564
乙です!
本当に続きを見てるみたいで面白い
>>565
wwww
568:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 18:35:47.73 piTFVIAai
センネズが愛しすぎて困る
569:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 18:58:37.57 JGP6U9zw0
ネズミさんがベトナムから帰ったきたようだ
センターが大喜びだ
570:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 19:41:35.05 Mzv3A3mM0
>>555
それいつのシーンですか?
571:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 19:50:12.20 Mzv3A3mM0
>>570
解決しました
572:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 21:03:49.96 pN3QPvI20
ネズミ「あーなんだかんだでやっぱり日本が一番だな。」
センター「ネズミ!」
ネズミ「え!セ、センター!?なんで…?」
センター「いてもたってもいられなくてさ。気付いたら空港まで来てた。
4日も1人で時間潰すのって難しいもんだな。」
ネズミ「ええ?!おまえずっとここで待ってたのか?!」
センター「そうだよ。ずっと1人しりとりやってた。かなり極めたぞ!」
ネズミ「…」
センター「どうした?迷惑だったか?」
ネズミ「いやそんなことないけど。」
センター「そっか!」(思いっきり抱きつく)
ネズミ「ちょ、苦しい!」
センター「もうこの4日間が1年くらいに感じたんだよ!
おまえがいないなんて私には耐えられない!」
ネズミ「分かったから!こっちは疲れてるんだよ。」
センター「あ、ゴメン。よし、荷物持ってやるよ。」
ネズミ「あ、ありがとう。」
センター「どうだったベトナムは?」
ネズミ「うん良かったよ。カラッとしててさ。快適だった。
料理も美味しかった。本場のフォーも堪能したし。」
センター「フォー?」
ネズミ「米粉で作った麺だよ。ラーメンよりヘルシーで
朝からでも全然食べられてまさに私向けだった。」
センター「いいなー。」
ネズミ「お土産に買ってきたから一緒に食べよう。」
センター「ホントか!」
ネズミ「ああ。他にも色々あるから。」
センター「楽しみだなー。」
おたべ「会えない時間が?愛育てるのさ?♪…か。」
学ラン「何それ?」
おたべ「よろしく哀愁、古き良き名曲や。
しかし空港でずっと何してるかと思うたら
そういうことやったんか。」
尺「センターの一途さにはホント頭が下がる。」
学ラン「それをずっと見張ってた俺らも俺らだけどな。」
おたべ「それを言うたらあかん。うちかて一途なんや。」
尺「一途っていうのとは違うと思うけど。」
おたべ「センネズの愛の行方を見届けるのがうちの生きる糧なんや!
さあはよし!うちらもフォー食べに行くで!」
尺・学ラン「…」(見届けるのがじゃなくて邪魔するのがだろ…)
おわり
573:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 21:09:33.51 Q2H98Uv+0
おたべはんw
フォー食べに行くって事は二人のとこに乱入するのか?w
574:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 21:13:21.45 WcbXMLIO0
いろんな作品がたくさんで毎日嬉しすぎ
575:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 21:14:06.02 pN3QPvI20
歌のところ、~が?に文字化けしちゃいました orz
>>573
そうなりますw
ネズミはいやがるけど、
センターはじゃあみんなで食べようっていう
お決まりのパターンですw
576:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 21:40:54.64 MGKjA7yKQ
おたべもねずずと一緒にベトナム行ってたじゃねーかw
577:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/11 21:44:48.10 h3qN1Ueu0
>>575
ヒロミ・ゴーの歌を唄うおたべにワロタ。
ジュリーの歌も唄ってくれそうだ。www
ほっこり感がいいですね。
今日も零時過ぎに投下いたします。
楽しんで頂けると、嬉しいのですが
・・・。
578:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 00:06:53.97 XBrgQcwJ0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第十一話
「センター・・・」
ネズミは、屋上で少し寂しそうに景色を眺めるセンターの背中に、声を掛けた。
センターはネズミの声が嬉しいのか、口元を綻ばせ、
「ネズミ、今日は来ないかと」
「ちょっと野暮用があったから」
「野暮用?」
「気にするな。それから、昨日、幾つか探りを入れてみて判った事が・・・」
「さすが、ネズミだな」
「褒めるな、まだ大した事はしてないから・・・」
「それで、今、判った事は?」
「周辺のヤンキー校の“てっぺん”が襲われている」
「矢場久根もか?」
「いや、矢場久根は今日探りを入れてくる」
「すまん、私の為に・・・」
センターは頭を下げだ。
ネズミは顔を赤くして、
「マブダチの頼みだ。聞かない訳にはいかないだろ。それから・・・」
「それから?」
「あぁ、それから。これは私からの頼みだ。
今日から学校への行き帰りに、センターに一人付ける」
「私に?私は一人で充分だ」
「本来なら、センター一人で充分だと思う。
しかし、まだ敵の正体が判らない以上一人で行動するのは危険だ」
「だったら、ネズミ、お前が一緒にいてくれ」
「馬鹿をいうな。私がお前の傍にいれば、誰が敵の正体を探る?
理解(わか)ってくれ、センター」
「・・・、すまん」
「もう、お前はマジ女の“てっぺん”で、お前の身体はお前だけのモノじゃない」
「でも、私はお前にも同じ立場に・・・」
「センター、何度私に同じ台詞を言わせる。
私はキングより、キングメーカーが好きなのさ」
ネズミはセンターの目の前で、全てを包み込むかの様に、左の手の平を差し出した。
579:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 00:11:09.18 XBrgQcwJ0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第十二話
「さて、前の一件以来矢場久根は苦手なんすよね。
とは言っても、仕方ないっす。
行きますか・・・」
ネズミは独り言を漏らし、矢場久根女子商業の門を潜(くぐ)る。
身を隠しながら、矢場久根の総長のいる部屋を目指した。
《何か校内の雰囲気が前と違うっす。
こう柔らかくなったというか・・・。
もしかして、シブヤに何かあった?》
階段を上がった先に、ハブ4の一人カムバックがいた。
ネズミは目を疑う。
服装が少し可愛い系に変わっていた。
《違和感の正体は、コレっすか?》
意を決したネズミは、カムバックの前に姿を現す。
「久しぶりっすね。どうしたんすか?
その格好?ヤンキーというより、夢見る乙女みたいな。
山椒姉妹にでも入ったんすか?」
カムバックは少し赤面するが、吐き捨てるように、
「うるせえ!今の総長の命令なんだよ。
ヤンキーでも可愛く着飾れってな」
「あれぇ?今の総長って・・・。
シブヤさんは、どうしたんすか?」
カムバックは少し寂し気な面持ちで、
「シブヤさんは前田逮捕の後、目標を無くして腑抜けになっちまったみたいで。
それからしばらく学校に来なくなって・・・」
「もしかして、辞めたんすか?矢場久根を?」
カムバックは哀しい目をして頷く。
刹那、ネズミの後ろから声が掛かり、
「カムバック、後はアタシから直接話す」
580:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 00:15:32.32 XBrgQcwJ0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第十三話
「まさか、あんたが矢場久根の“てっぺん”とは。正直驚きっすよ、チハルさん」
ネズミは、案内された矢場久根の総長の部屋でソファーに座ると、チハルに話掛けた。
チハルもネズミの向かいに座り、くすくす笑いながら、
「意外かい?そうだろうね。
一番意外に思っているのは、アタシなんだから」
「聞いていいっすか?どうやってその座に?」
ネズミは素直に疑問を口にした。
「コレさ」
チハルは右の拳を突き出すが、直ぐに引っ込め、
「な訳ないだろ。選挙だよ、選挙。
ウチの学校は、本来腕っ節より人望重視だからさ。
だから、選挙」
「選挙?」
「そう。今回のシブヤさんが矢場久根の総長になった一件、OB連中はあまり快く思って無くってね。
先々代、正確にはジャンケンも入れるから先々々代か、の、あじゃさんが監理で入って在校生で投票したのさ。
“てっぺん”には誰が相応しいか」
「それでチハルさんが」
「まぁ、自分で言うのも何だが、アタシより人望のあるヤツが居なかっただけなんだけど。
もっとも、アタシに反旗を翻すって事は、OB達にも唾を吐く事になるから、
そこまで今の矢場久根に根性のあるヤツは居ないだろね」
ネズミは理解出来たのか、頭を下げ、
「納得いきました、チハルさん。
とりあえずは、おめでとうございます。って事で」
「お世辞はいいよ。で、アタシ、いや、矢場久根に来たって事は、探りかい?」
チハルはネズミの発言を手で制すると、ニヤリと笑った。
581:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 00:20:18.76 XBrgQcwJ0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第十四話
《ほぉ、何だかんだいっても、“てっぺん”らしいじゃないか・・・、侮れない。
少しカマを掛けてみるか・・・》
ネズミは自分自身に言い聞かせると、目を細め、
「見た処、まだ襲撃はされていないみたいですね?チハルさん」
「襲撃?どういう事だ?ネズミ」
チハルに動揺が走る。
《おや、まだ襲われてはいないみたい・・・か。
しかも、あの表情は全く知らないって事。
つまり、矢場久根はシロ・・・。
だったら、中立を保ってもらうのが、今は都合いい》
瞬間的にネズミは思いを巡らせ、
「なら安心しやした。
実は最近、近隣のヤンキー校の“てっぺん”連中が襲撃される事件が起こってやしてね」
「それって、よくある学校間の抗争じゃないのか?」
チハルは疑問を口にする。
ネズミは首を横に振り、
「残念ながら・・・。
向月(ムカツキ)工業や簿子簿子(ボコボコ)女子の“てっぺん”は完全に病院送り、
捨照護路(ステゴロ)も傷をおってやした・・・」
「お前ん所(トコ)、マジ女はどうなんだ?」
「ウチっすか?勿論、襲われたっすよ。
尤も、ウチのセンターは強いんで、返り討ちにしたらしいんすけどね」
「じゃあ、何か?アタシが襲われるのも・・・」
「時間の問題かと・・・。ただ・・・」
「予防策でも有るのか?」
ネズミは頷く。
「ええ。決して一人にならない事っす」
「一人に?どうして?」
「それは・・・、襲われるのは、決まって一人になった時なんすよ」
582:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 00:26:05.64 XBrgQcwJ0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第十五話
キョロキョロと落ち着かない様子で、どっちが古ぼけた家に入る。
表札には松井と書いてあった。
「おじゃまします・・・」
先に入っていたセンターが、
「気にせず上がってくれ。今、麦茶でも煎れるから」
どっちは靴を脱ぎ、入って直ぐ横の和室に進み、座る。
勿論、正座だ。
「あ、ありがとう。センター、家の人は?」
人気(ひとけ)が感じられなかったので、どっちが尋ねる。
センターは麦茶の入ったコップをちゃぶ台に置き、壁に掛かった優しそうな目をした老人の写真を見てからボソリと呟く、
「祖父(じい)ちゃんは死んだ。お袋は・・・、遠くにいる」
「親父さんは?」
センターは足を崩して座り、まるで他人事の様に、
「親父が今何処で何をしてるのか、知りたくも無いし、興味も無い」
「どうして?」
どっちの問い掛けに、センターは軽く溜め息と付き、
「うちは両親が離婚しててな。
それで俺は中学に上がる前に、母方の祖父ちゃんに引き取られたんだ。
その祖父ちゃんも、俺がマジ女に入って暫くしてから病気でな・・・」
「亡くなったのか?」
「あぁ。もう、一年と半年になるか」
「そうなんだ・・・。じゃあ、お前、この家に一人で住んでるのかよ」
どっちは応えながら、考えを巡らせ、
《おいおい、このまま帰っちまったら、センター一人にしちまう。
襲われる可能性あんじゃねえか・・・。
こりゃ、なんとかして泊めてもらうしかねえか》
「どうした?どっち」
センターがどっちを覗き込む。
どっちは、少し驚き、
「い、いやな。生活費や学費はどうしてるのかな?なんて・・・」
「一応、祖父ちゃんの遺産も僅かだが有るし、それにお袋が仕送りしてくれてる」
「そ、そうなんだ。大変だな」
「まあな」
「じゃあ、飯とか大変だろ?コンビニ弁当か?」
センターは首を横に振り、
「いいや、自分で作ってる。
コンビニ弁当や外食は意外と高くつくからな。
栄養バランス悪いし」
センターは壁の掛け時計をチラリと見て、
「すまん、食材を買いに行く時間だ。
付き合うか?だったら、ご馳走食べさせてやる」
583:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 03:13:21.48 4DIEt2T2O
>>582
乙の字連合
センネズお休み
584:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 06:06:27.00 Th4apCl00
チハルってあみなの方だっけ?
585:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 06:26:08.59 XBrgQcwJ0
>>584
そうです。
佐藤亜美奈ちゃんです。
ヤバクネサイドでAKB総選挙(シブヤを除く)の順位が一番高かったのが亜美奈ちゃんだったので、今回総長と設定致しました。
586:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 07:12:33.40 XBrgQcwJ0
>>584
×亜美奈
○亜美菜
でした。亜美菜推しの方すいません。m(__)m
587:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 11:47:03.77 Th4apCl00
URLリンク(beebee2see.appspot.com)
URLリンク(beebee2see.appspot.com)
588:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 14:39:28.36 Gfbz1Y180
あげぽよ
589:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 20:33:47.44 41iHx2Nq0
「秋の夜長」
出来るだけさりげなくその言葉に口にした。
「センター、明日は土曜だ。夕方からにでもうちに来ないか?・・・もしお前が良かったら
の話だが」
「え、あ、もちろん構わないが…」
顔を赤らめているセンター。こんな風に誘ったことはなかったからな。
何を考えているか手に取るようにわかるぞ、恥ずかしい。
「期待を裏切ったような気がするが、私の家で一緒に音楽を聴かないかと誘ってるんだ」
「音楽を?ネズミのうちで?」
「ああ」
「クラシックだよな」
「まあそうだな」
センターはしばらく神妙な顔つきで私の顔を見入った後、口角の綺麗に上がった極上の笑顔
で答えた。
「『喜んで』だ。ネズミ」
翌日の夕刻、センターは約束の5分前にネズミの自宅のベルを鳴らした。
秋の日は暮れるのが早い。日はすっかり落ち、玄関を照らす明かりが温かい色をしている。白い月が姿を見せ、広すぎる庭からは虫の音が鳴り響いてくる。
「初めてじゃないんだ。遠慮しないで入って来てよ、センター」
「おじゃましま~す。やっぱ、相変わらずネズミの家はでかいな。あ、これ大したもんじゃ
ないけど一応手土産っていうか…」
「ったく、そんな気を遣うなって」
手渡された紙袋をのぞくと、リボンでラッピングされたクッキーが見えた。底を触るとまだ
ほのかに温かい。
「もしかして・・・・これ、センターの手作り?」
「…ああ、まあ一応。買った物を持って行くより良いかと思って」
「・・・・」
「なんで黙ってるんだ?味はまあまあだとは思うんだけど」
「いや、お前って多芸多才だなぁと改めて思ったんだ」
センターは拳を握って闘うその手でクッキーを焼く。そしてその手は私に触れ私を癒し、私
を愛する手でもあるのだ。
590:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 20:37:42.61 41iHx2Nq0
足下灯だけが照らす、静かでほの暗い廊下を応接室まで案内する。
「本当に誰もいないんだな」
「ああ、通いの手伝いは5時で終わりだし、住み込みの人は離れだ。他は誰もいないし帰っ
てくることはない。だから気兼ねはいらない」
淡々と話したつもりなのにセンターは黙ってしまった。こんな広い家に一人で寂しいだろう
なんて、今更な事実誤認なんて絶対にして欲しくないのだが。
「…ネズミはやっぱりかわいいな」
「は?」
「うん、学校での制服でフード姿のネズミもすごく好きだけど、そういう普通の女の子みた
いな格好もやっぱり可愛いな」
今の私の格好は確かに普通の女の子の普段着のようなものだ。ベージュに紺の小花模様の入
ったラフな膝丈ワンピにブルーの綿ニットのカーディガン。パーカーもグローブも無く、足
さえ素足にスリッパだ。
最初に制服以外でセンターと会ったときは、思った以上に緊張して、恥ずかしくて仕方なか
った。なんだか裸で会うような気分だった。それから考えるとこんな格好で普通にいられる
なんて、私たちもちゃんとお互いの距離が近づいて、ちゃんと二人で道を歩んできたんだと
感じられる。
「センターの服もよく似合って、私はとても良いと思うけど」
センターはジーンズにモスグリーンのカジュアルなジャケット。内側は黒のタンクトップに
ラフな白い英字の入ったTシャツを重ねている。
「そうか?ネズミにそう言ってもらえるのは嬉しいけど、わりと普段着なんだ」
「私もごく普通のホームウェアってヤツだ」
なんだか二人しておかしくて笑い合った声が、静かな部屋に響き渡った。
広いダイニングで通いのお手伝いさんの作っておいた夕食を二人で食べた後、紅茶セットを
持ってソファのあるリビングへ移った。銀のお盆にはセンターが作って来てくれたクッキー
も乗っている。
「うっ、お腹いっぱいだぁ。クッキー入るかな?」
「センターは調子に乗って食べ過ぎ」
「ネズミは食べなさすぎ」
「違う。センターのクッキーが食べたかったから少なめにしたんだ」
これは本当のこと。センターお手製のクッキーは夕食と比較にならない価値がある。
591:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 20:40:51.17 41iHx2Nq0
お盆を運んだのが私だったので、お茶を入れるのはセンターの係になった。手慣れた様子で
ポットを掲げてカップに琥珀の液体を注ぐ。立ち上る湯気がソフトフォーカスの写真のよう
にセンターを柔らかく彩っている。
「これってすごい高そうだよな。割ったらどうしようって焦るよ」
「カップは3万、ポットは10万程度だ。割りたければ好きにしろ。弁償は分割払いでかま
わないから」
「ネズミ、ちょっとひどいぞ」
「そうか?」
センターの入れたお茶が、ふわりと目の前に差し出された。
「で?」
「なに?」
「今晩は『ネズミとクラシックを楽しむ夕べ』なんだろ?どういう趣向なんだ?」
「ああ・・・もらったんだ」
「何を」
「このまえ久しぶりにオヤジに会った時にな、思いついて口に出してみたらあっさりくれた
んだ」
口をつけそびれたカップをソーサーに乗せ直してお盆に戻すと、センターに持つように指示
し、半地下のある部屋へと導いた。
長い間主を無くし、誰も立ち入らなくなった部屋へだ。
「これは…すごいな。こんな大きいの見たことないし、なんか高そうなだけど」
「まあな、個人用としてはハイエンドらしいからな。別に大したマニアではないらしかった
けどスピーカーはタンノイだとか、CDプレーヤーとアンプはリンだマークレビンソンだと
か、スピーカーケーブルの素材は何がいいとか、よく知らんが多少はこだわってたらしい。
だが、こんなくそでかいピーカーや大げさなオーディオセットなんて、もう時代遅れだも良
いところだ」
「そうなのか?」
「今は小さなプレーヤーで良い音が聴けるんだ。実際CDから直接聴くことも少ないし」
「なるほど。そう言われてみればそうか」
592:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 20:46:07.11 41iHx2Nq0
ここはオヤジがこの家を建てるときに造ったオーディオルーム。音響の専門家に頼んで造っ
たらしい。そして目の前にあるのは古くて馬鹿でかいオーディオセットだ。両脇にそびえる
ウッドのスピーカーなんて高さが1メートルは優に超えている。
壁には埃をかぶったレコードの入った古い棚1つと、CDがぎっしり詰まった大きな棚2つ
が並んでいる。
「昔は、この部屋は勝手に入ると怒られる部屋だったんだ。でもいつだったか…そうだな、
もう10年以上前になるのか。あるとき何故か、オヤジが子供の私にこのステレオでバッハ
を聴かせてくれたんだ」
センターは下から覗き込むように、私の一人語りに耳を傾けてくれる。
「ああ…そういえば、あのころはオヤジをこの家で結構見かけていたな。ま、そういうオヤ
ジの気まぐれが数回あったかな?
けど、いつしかオヤジはこの部屋に興味を失って、関心はただ犯罪まがいの金儲けと権力争
い。そして気がつけば家にもほとんど帰ってこなくなった」
ときどき、私の話を聞いているセンターは、まるで世界で一番優し賢い従順な大型犬のよう
な目をしているなあと感じる事がある。
「で、このまえ久々にオヤジに会ったとき、なんとなく「これはどうするんだ?」と聞いて
みたら「お前の好きにしろ」と言われた・・ってことだ。これで終わり」
センターは私の顔を透明な目で見つめながら黙ったままだった。沈黙が妙に気恥ずかしい。
「…悪い、なんかくだらない話をたくさんしすぎたよ」
「いや、興味深かった。それに…ネズミが自分の事を話してくれる機会はめったにないんだ。
大切にしなくちゃなって思ってる」
「…ありがと」
「じゃあ、せっかくだから何か聴くか?リクエストはあるか?」
「いや、ネズミの方が詳しいんだから任せるよ」
「私も好きな曲を繰り返し聴くタイプだから、そう詳しいわけではないんだよな。まあ手頃
なところで有名な曲ばかりのバッハ中心のバロック作品集でも流すか」
「このプレーヤーって長い間使ってなかったんだろ?大丈夫なのか?」
「私もそれは気になったから一応専門家に見てもらった。動作チェック済みだ」
「さすがにネズミは行き届いてるな」
「センターをわざわざ呼んどいて、鳴りませんでしたじゃ笑えない」
593:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 20:52:52.27 41iHx2Nq0
耳に優しいバロックの清廉な音色が室内を満たす。
長椅子は使わず、厚いラグを敷いた床の上に肌触りの良い大きな暖色のクッションをいくつ
も並べて、そこに寝そべるように二人緩やかに座った。
「お茶、冷めちゃったな」
「私が長々話してたし」
「でも意外にいけるぞ。さすがネズミの家の高級な茶葉だ」
「さあ?センターが入れてくれたからにしておいて」
「私でも知ってる曲ばかりだな…好きな感じだ」
「でも眠くなるだろ、センター」
「多少は」
「お前の好きなヘッセはかなりの音楽好きで、バッハがお好みだったらしいぞ」
「ネズミ、お前以前はヘッセは『車輪の下』『デミアン』くらいしか知らないとか言ってな
かったっけ?」
「ま、その頃より多少は、ヘッセという文字が目にとまるようになってきたかもしれない」
「ふふっ」
「笑うなって」
「ねえ、センターの作ってくれたクッキー食べていい?」
「もちろん。ネズミのために作ったんだから」
「・・・・(もぐもぐ)、ってセンターは食べないの?」
「ネズミの感想を聞いてから」
「…甘くてサクサク」
「それから?」
「……とてもおいしい」
「良かった。じゃあ、一枚もらっていいかな?」
「もらうって…」
「これは全部ネズミのだ」
時間はもう21時近いだろうか。空の月は随分高くまで上っているだろう。
だがここでは外の時間とは切り離されたように、密やかで柔らかな時間が二人に流れていた。
「あのさ、センター、今晩はどうするの?」
「・・・え~っと、一応泊まるつもりで来たんだけど、ダメかな?」
「それはいいんだけど…着替えとか全然持って来てなかったから、どうなのかなって思って」
「・・・・クッキーのことでいっぱいで忘れてた」
594:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 21:00:53.13 41iHx2Nq0
1枚目のCDが終わったので2枚目を入れた。今度はバッハの「無伴奏チェロ組曲」、演奏
はロストロポーヴィチ。
巨大なスピーカーから流れてくる音楽は、音の一つ一つが繊細で重厚で深みがあって澄んで
いる。音色が部屋を満たし、振動が空気を伝わって、鼓膜に皮膚に全身に直に染み渡るよう
に響いてくる。
私は思わず体育座りをして、聞き入ってしまった。
「…さすがにヘッドフォンで聴くのと全然違うな」
「やっぱりそうか」
「当たり前だ」
「・・・お前は、オヤジさんとこれを聴きたかったんじゃないのか?」
・・・頭が一瞬白くなった。センターお前はいきなり何を言うんだ!ひどく嫌な気分。
なんだか少し腹が立った。深いところにさっくりナイフを入れられたような感じもして。
だが、お前がそう考えてしまうのは当然と言えば当然か、そう思われても仕方ない話し方
をしてしまったのだから・・・・。
「それは誤解だ。オヤジは何にも関係ない」
「私は…ここにいて良いんだよな?」
「……センター、そんなこと言わないでくれ」
私はセンターに手を伸ばし、その手に触れた。この晩センターがうちに来てから、初めて意
識的に触れたかもしれない。涙が出そうで目の奥が痛い。頭が痛い。
「私はヘッドフォンで音楽を聴くのが好きだ。そこから流れてくる音楽は、私唯ひとりの世
界だから。だけど、こうしてスピーカーで空気を通して音楽を聴くと、自分が拡散して消え
ていくような…そんな気がして、どうしてだか好きになれなかった…」
「ネズミ…」
「でも、久しぶりにこの音を思い出した時、センターと聴こうとしか思いつかなかった」
センターはふわりと私の身体を抱き寄せると、そのままクッションに倒れ込んだ。
額にキス、こめかみにキス、両頬にキス、口元にキス、目元にキス、まぶたにキス、髪を撫
でながらキスの優しい雨を降らせてきた。
「やっぱりネズミに触れてる時が、一番私は幸せだな」
私はセンターにすり寄って肩口に顔を埋めると、センターは抱く腕に力を込めた。
「・・・ネズミの言ってることが分るとは言い切れないが。私もヘッセは1人で読みたいし
誰にも邪魔されたくないと思ってる。共有なんて出来ないものだと。
だが以前、お前が…屋上で私がしたヘッセの話に応えてくれた時、私は何故かとんでもなく
幸せを感じたんだ…」
私はセンターの存在を世界で一番近いところで感じながら、私たちの屋上でかつて、暗闇の
迫る時刻、向かい風にむかって髪をなびかせて立つセンターの姿を思い出していた。
595:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 21:13:12.49 41iHx2Nq0
孤独を知っている人だと。
自分の孤独に唯一迫れる人だと。
だからこそ誰より何より、大切で愛おしい人だと。
そっと「お前がいるから、またこの音を聞きたいと思えたんだな」とセンターに聞こえない
ように呟いてみた。
「ネズミ、何か言ったか?」
「ううん、あ、うん…ねえ、センターのクッキー食べさせて?」
「ああ」
センターはひょいと一枚クッキーをつまむと、私の口元に運んでくれた。私はその甘い餌を
まるで与えられたひな鳥のように自らの内に取り込み、最後はセンターの指まで口の奥に入
れて舐め吸った。センターは疼きを隠さない表情を見せ、されるがままになっていた。
「ん…ネズミ」
「センターさっき、唇にキスするの避けたでしょ?」
「自重した」
「なんで?」
「まだ夜は長いし、歯止めがきかなくなるから」
「ふふっ、センターらしくないな。あ、やっぱりちょっと気温下がってきたね」
「そうだな、少しスースーするかな?」
「センターは温めて欲しい?」
「私はネズミを温めたい」
秋の夜長、一人だとどこか寂しくて痛い時も、私たちはこうしてお互いのぬくもりと熱を感
じ合い分かち合い、優しい声を遠い音楽のように感じながら長い夜を過ごすのだ。
~おわり~
いちおう芸術の秋?だし、甘い雰囲気が出ればと…
596:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 21:17:55.50 +La8U9snP
センターのクッキーのように
甘~~~~~い!!
こんな展開もいいね
597:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 21:19:41.85 R0CCsDpE0
>>589
詩的で素晴らしい
なんか感動して泣けてきた・・・
598:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 21:29:25.51 osR2ZGjw0
すげーーーーー芸術の秋感出てるわ
マジでただもんじゃないでしょ
ほんと可愛いくて愛しいセンネズをありがとう
599:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 23:05:08.07 rk/fKBIB0
センネズ可愛いよセンネズ
600:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 23:42:35.00 XBrgQcwJ0
>>595
良作ですね。
唇以外にキスをする。
素敵なセンネズの世界観だと思います。
601:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/12 23:59:09.64 41iHx2Nq0
>>595です
感想本当にありがとうございます
ホントは書き途中の作品>>532があるのですが
なんか止まってしまって、気がつけばこっち打ってました。。。
もしも待っていてくださった方がいたらゴメンナサイ
また何か投下したら読んでいただければ嬉しいです
602:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 00:00:17.31 EswRWLzl0
センター&どっち
「マ・ジ・す・か・学園」
サド
「スピンオフ“真夏に咲く徒花”」
ネズミ&シブヤ
「このあとすぐ!」
603:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 00:07:00.65 XBrgQcwJ0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第十六話
「美味かった~~~。ご馳走さま。
初めて味噌カツ食ったよ、美味いモンだな」
どっちは、ごろんと畳の上に仰向けになり、腹を摩る。
センターは少しはにかみ、
「そうか?口に合って良かった。
亡くなった祖父ちゃんが愛知の出だったから、うちは名古屋風の味付けが基本でな・・・。
だから、カツといえば味噌カツなんだ」
どっちは、身体を起こし、
「なるほど・・・。しかし、センター、料理上手いもんだな。
驚いたぜ。そうだセンター、頼みが有る」
「頼み?」
どっちは手を合わせ、
「悪い。今日、泊まらせてもらっていいか?
実は昨日、親と喧嘩しちまってよ。帰り辛いんだ」
センターは肩を竦め、
「それは構わないが、もう少ししたらまた出掛けるぞ」
「何処へ?」
「病院だ」
「病院?何処か悪いのか?」
「サドに会いに行く」
「え?サドさんに!?」
「あぁ」
「またどうして?」
「もっと強くなる為に・・・」
センターはおたべの言葉を思い出す。
『あんたが強くなるには、二つの方法が有る。
一つは腕っ節の強化。もう一つは弱点の克服』
『腕っ節を上げるには何となくイメージが付くが、
持久力を上げるにはどうしたら・・・』
『くすっ。アホやなぁ、考え方や』
『考え方?』
『そや、悲しいかなあんたには、ゲキカラ程のタフさは無い。
喧嘩は体力と気力。だったら?体力は減るもんや。
けど、殴られへんかったら?』
『あまり、体力は減らない。
そうか、回避する為のスピードを上げればいいんだ』
『せやったら、誰に教えを乞うたらええか分かるやんな』
『腕っ節はサド、スピードはブラックだ!』
604:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 00:10:54.59 EswRWLzl0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第十七話
「本当にサドさんに会うのかよ?」
どっちは、雲の上の存在であるサドに、どう接すればいいか分からない様子だ。
「会う。ほら、サドが出てきたぞ」
センターが目配せをした先に、サドがいた。
「お疲れさまでした」
サドは仕事を終え、トートバッグを肩に掛けて病院の関係者出入口から出てくる。
直ぐにセンターとどっちが目に入った。
社会人になり少しだけ丸くなったサドが、
「おぅ、お前らどうした?」
センターは両拳を硬く握り、サドを睨みつけファイティングポーズを取ると、
「サド、私と闘え!」
驚いたのはどっちで、
「えーーーっ?教えてもらうんじゃ・・・」
「!!!」
サドの口角が吊り上がり、恐いオーラが身を包んでいく。
「ほぉ・・・、何があったのか知らないが、どうやら訳ありか。
いいぜ、最近ヒマだしな。闘(や)ってやるよ。着いて来な」
「ちょ、ちょっとサドさんも」
どっちはオロオロするばかりだ。
満月の光降り注ぐ公園で、センターとサドが殴り合う。
いや、正確にはサドが一方的に殴っていた。
「どうした、オラッ。殴り返さなきゃ、つまんねぇぞ」
もう20発以上は貰っているだろうか。
痛みが身体を駆け巡る。
それでもセンターは見ていた。
サドの動きを、呼吸を、そして、間合いを。
《おたべにああ言われなきゃ、サドの動きをここまで見る事は無かった・・・。
しかし、凄いなサドは・・・》
605:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 00:17:50.93 EswRWLzl0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第十八話
サドの右の拳が頬を掠める。
《ヤバい》
無意識の内にセンターは、クロスカウンターを出していた。
センターの左が綺麗にサドの頬に入る。
「それでいいんだよ、センター。
だがな、全然なっちゃいねえ!
お前のパンチは軽(かり)いんだ」
サドは血の混じった唾を吐くと、センターの鳩尾目掛け強烈なボディブローを放った。
センターの身体が5メートル程ぶっ飛び、綺麗な放物線を描いて落ちる。
「センター!」
どっちが駆け寄ろうとするが、
「来るな!」
センターが制止を掛けた。
痛みが遅れてやって来て、
「ぐっ・・・」
胃の中の物が逆流するのが理解(わか)る。
サドはセンターに近付き、
「お前のマジはそんなモンか?
そんなに弱(よえ)えなら、“てっぺん”なんて辞めちまえ!」
立ち上がろうとするセンターの頭目掛け、渾身の右中段蹴りを放つが、
「!」
センターは左腕でブロックし、そこから動かなかった。
衝撃をセンターが身体中のバネを使って吸収したからだ。
「何故、ふっ飛ばない?」
サドが疑問を口にした瞬間、センターが雄叫びをあげ渾身の右ストレートを繰り出した。
先程の反応だけで返したパンチとは違い、全身のバネを使って“力”が足の先から拳まで一気に駆け上がり、そして、爆発する。
咄嗟にサドは両腕を交差させパンチを受けようとしたが、センターの拳の方が零コンマ数秒早くサドの胸を打ち抜いた。
ふわっとサドの身体が浮く。
刹那、センターは奥歯を噛みしめ、更に踏み込んで左ストレートをサドの胸の同じ場所に打(ぶ)ち込んだ。
606:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 00:22:57.00 EswRWLzl0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第十九話
サドは吹っ飛び、背後に在った大木に身体を打ち付けて倒れた。
ヨロヨロと立ち上がろうとするが、口からぶわっと血を吐いて崩れ落ちる。
センターは走り寄り、サドの身体を起こすと、
「サド・・・さん?」
サドはニヤリと笑い、
「はぁはぁ・・・、いいパンチ・・・、持ってるじゃねえか。
理解(わか)った・・・か?お前に足りなかったのは・・・、力の繋ぎ方だ。
それが知りたくて・・・、私と闘ったんだろ・・・?」
「全部、知ってたんです・・・か?」
「何となく・・・な。
じゃないと・・・、お前が私と闘う理由が・・・無い。ぐふっ・・・」
「直ぐに病院に!」
「バカ・ヤ・ロー・・・、負けた先輩が、後輩に担がれて病院に行けるか。
はぁはぁ。もういい・・・、行け。
次に私の所に来る時は・・・、お前の戦ってる見えない敵を・・・、ぶっ潰した報告で来い・・・。
さぁ、行けよ」
サドはセンターの手を払った。
センターは立ち上がり、無言のままサドに深々と頭を下げる。
そして、サドに背中を向けると、振り返る事無く公園を後にした。
「サドさん、すいません」
どっちもサドに頭を下げ、慌ててセンターを追う。
一人残されたサドは携帯を取り出し、ある番号に掛けた。
「チョウコク・・・か?私だ、サドだ。
前に・・・、センターの将来が楽しみだってと言ってたろ・・・。
あの意味・・・、理解(わか)ったよ。
センターは強い・・・。
いや、アイツはもっともっと強くなる・・・」
サドはクスりと笑うと、
「はぁはぁ、悪い・・・が、来てもらっていいか?
負けた闘いに、ブラック達に来てもらう訳にもいかないんでな・・・。
あぁ、助かる。すまない・・・」
サドは携帯を切ると、目を閉じ意識を失った。
夏の夜風が優しくサドを包む。
607:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 00:28:03.86 EswRWLzl0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十話
「店員さん、このバッグ欲しいんすけど、私に似合いやすかねぇ?」
ネズミは、渋谷にある高級ブランドバッグの店で、お洒落な店員に声を掛けた。
「こちらのバッ・・・」
店員は途中で言葉を切る。
「ネズミ!お前何でここに?」
ネズミは悪戯に笑い、人差し指を口に持っていく。
しぃーっと、店員に黙る様にポーズをした。
店員の耳元で小声囁く。
「シブヤさん。お久しぶりっす。
ちょっとお話が・・・。
何(なぁ)に、お仕事の邪魔はいたしやせん。
その証拠に、そうっすね、あのバッグのカラーバリエーション全部と・・・、
それからこのトートバッグ二つ下さい。
一つはプレゼント包装してもらえやすか」
ネズミが全色と言って指差したのは、店内でも一番高いバッグだ。
「お前、本気か?」
シブヤは疑いの目でネズミを見る。
「勿論。本気っす。
ウチ、お金持ちなんすよ。
ここだとバッグ7点でだいたい35万くらいっすよね?
バーキンとか買う事考えりゃ安いもんっすよ」
ネズミは財布からアメックスのブラックを引き抜くと、シブヤの前に差し出した。
「!!!」
シブヤはクレジットカードを受け取り、ニッコリ笑い、
「お支払いは、一回で宜しかったでしょうか?」
敢えて営業口調で尋ねる。
「勿論、一回で。それから、プレゼント以外は、自宅まで送っていただけやすか」
ネズミも愛想のいい客を装い応えた。
数分後、ネズミはレシートを受け取り、入口まで店長以下全ての店員に見送って貰う。
高い鞄を七個買ったのだから、当たり前といえば当たり前か。
ネズミは、プレゼント用の鞄の入った紙袋だけをシブヤから受け取り、
「じゃあ、シブヤさん。
あっしは暫くぶらついてから、向かいのカフェでお茶してるっす。
では、後ほど・・・」
ネズミは軽く頭を下げ、渋谷の街に消えていった。
608:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 00:33:06.53 EswRWLzl0
本日分、投下させて頂きました。
今回から、該当の話に出てくるキャラにタイトルコールをさせてみました。
投下してから、おたべに言わせるのを忘れていまして・・・。
やらかしてしまいました。
由衣はん推しの方、すいません。m(__)m
609:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 03:58:02.82 Thgjnn420
いやあ・・・力作というか大作っすねえ・・・
みんな出てくるじゃんw
610:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 03:59:31.50 Jw3bX58d0
毎日が楽しみですなぁ~
ありがとうございます!
611:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 09:46:09.52 Negz5vJ40
ネズミさんて店の中もフード被って入ってくるのかね
612:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 10:03:28.15 JWcA1hLz0
>>608
タイトルコールいい!
いつもありがとうございます!
613:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 16:03:17.50 5Lzed8sn0
あげ
URLリンク(stat.ameba.jp)
まじでかっこいいw
614:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 16:13:06.92 p4MhMaueO
イケメンだなぁ
615:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 22:05:52.44 fGtM3vVl0
来週のヘイヘイヘイでセンターさんが出ないと知ってショック
616:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 22:14:57.34 mgKkIy/k0
センターは裏のTOREで活躍してくれるはずっす
617:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 22:16:45.58 DsHagN3HO
>>608
マジすかの世界や人物像を詳細に把握したうえでオリジナル性が加わるので、非常に読みごたえがあります。
61話まで書き上がっているとのことですので、続きを楽しみにしています。
618:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 22:21:28.49 fGtM3vVl0
なかなか一緒になれなくて寂しいよ
URLリンク(beebee2see.appspot.com)
URLリンク(beebee2see.appspot.com)
619:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 22:30:09.74 xFI9YAzeP
>>618
2枚目がちょっとエロいお…
620:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 22:32:14.42 mgKkIy/k0
ネズミ待っててくれ
URLリンク(stat.ameba.jp)
621:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 22:47:27.78 fGtM3vVl0
>>619
きっとセンターさんを見上げてる時の表情だお
>>620
予想以上にイケメンしてて吹いたw
622:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 22:53:56.97 J7Cv1Pv80
>>620
なんか…顔でかくね?
623:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 23:09:22.61 xFI9YAzeP
>>622
アンチスレにどうぞ
624:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 23:13:02.64 TgJPxsY90
こんばんは、真夏に咲く徒花の作者です。
通常投稿は、自身のスマホよりさせて頂いているのですが、現在規制がかかっておりまして書き込む事が出来ません。
(この投稿は、友人による代理投稿です。)
規制が解除されしだい投稿させて頂こうと思いますが、もし、明日の零時~一時に投稿がなければまだ規制がかかっているとご理解下さい。
規制解除されしだい投稿再開させて頂きますので、何卒ご理解の程宜しくお願い致します。
625:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 23:16:32.83 36tZlkiJ0
>>624
おーそれは大変ですね
待つのも楽しみの一つ
気長に待ってますよー
626:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/13 23:32:00.76 Yd+m8XK70
>>620
なんか…ちゅーんしてね?
627:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 03:09:58.32 qMZr7z0x0
(*`ω´)>>617もっと進んでいる。
wktk必至!
628:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 11:48:46.20 EKcl3uiq0
TOREも出るのは楽しみだ。
629:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 17:45:25.78 qmPvEXqC0
センター足速くね?w
630:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 17:47:02.26 ZzZxDqvH0
フライング気味だったけどw
631:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 18:04:53.87 qmPvEXqC0
走り方が年相応に子供っぽい感じだったw
負けん気が凄いなー
632:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 18:09:20.56 fllUaYyT0
30mだからっていうのもあると思うけどな
別番組ではもっとがっつり走ってたし
633:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 18:19:52.14 4yMIjzP10
短距離走と反復横跳びなんてあっしにかかればチョロいッス
ブラックが唯一ライバルッス
634:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 18:29:22.61 m2QtZ7o2O
ネズズって運動得意なのだろうか…
635:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 18:41:29.89 qmPvEXqC0
ねずずは運動苦手らしいよ確か
636:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 18:42:02.99 CovhWAAl0
ネズズはヲタとトリゴヤさんと同レベルだな
637:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 18:43:20.21 N6Wx681a0
ネズズは昔やったのでブービーだったね
ビリはヲタ
638:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 19:04:54.44 BvMPP7wOP
確かトリゴヤがヲタと同じ記録になるのをスゲー嫌がってたような…
639:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 19:18:24.22 N6Wx681a0
>>638
嫌がってたねw
ヲタは若干意図的なヘタレアピールにも見えたけどネズズは完全ガチだった
640:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 19:34:03.27 8tb7SldvO
センネズの運動会のぞきたい
641:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 19:46:04.52 BvMPP7wOP
夜の運動会なら毎晩のよう…ゲフンゲフン
642:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 20:26:36.45 drx8w2RX0
ネズズの中の人相当運痴だよ、反復横とびもまともにできないw
ネズミさんも隙を突くのとかは上手そうだけど身体能力自体は低そうだ
だから自分の弱点を補える身体能力高くて喧嘩の強いセンターと組んだのかと思うと萌えるぜ…
643:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 21:00:37.27 Qv9N9aPs0
今日はマジ女の体力測定の日
ネズミ「体力測定なんてかったりーなあ。」
センター「そうか?私は昨日の夜から正直ワクワクしてたぞ。」
ネズミ「センターは運動好きだからいいだろうけど、
私はこの手のは好きじゃない。無駄に走ったり飛んだり。」
センター「体力を測ることは大事だぞ。喧嘩にも体力は必要不可欠だ。」
ネズミ「私にはこっちの方が(頭を指しながら)戦いには必須だ。」
センター「それだけじゃダメなときもあるだろ。」
ネズミ「それ以外は利用すればいい。」
センター「じゃあ勝手にしろ。」
ネズミ「まあでも仕方ないから出てやるよ。」
センター「あっそ。ていうか、おまえしっかり体操着着てるじゃないか。」
ネズミ「…。」
センター「体操着のネズミもいいな。」
ネズミ「え。そ、そうか?」
センター「ああ。正直ちょっとムラムラしてきた(//∀//)」
ネズミ「バカ!おまえそっちの体力発揮してどーすんだ!」
センター「だってしょうがないだろ。
ネズミの体操着姿なんて初めて見たし。」
ネズミ「じゃあ…帰ってからな。」
センター「え!ホントか?」
ネズミ「ああ。それに…センターの体操着もいいよ。」
センター「ホントか!?」
ネズミ「うん。」
センター「そっか…。」
ネズミ「バカ、ニヤニヤしすぎだ!」
センター「よおおおおおし!燃えてきたぞー!!!!!!!!!」
そしてセンターが全校生徒中、
ぶっちぎりで1位になったのは言うまでもない。
644:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 21:01:00.04 Qv9N9aPs0
ネズミはというと…
最初の50m走で見事に大コケしてしまい、膝と肘をすりむき、
それを見たセンターがすぐに駆けつけ、ネズミをおんぶしてゴール。
全校生徒に見せつける形になってしまい、その後は終始ふてくされていた。
センター「ネズミー!一緒に帰ろー!(^∀^)ノ」
ネズミ「うるさい!」
センター「どうした?傷痛むか?」
ネズミ「痛くない!ただのかすり傷だぞ。
それをあんな大袈裟におんぶなんかして。」
センター「だって、あんなすごいコケ方したら誰だって心配するだろ。」
ネズミ「ああうるさい!体力測定なんて出なきゃよかった!
もう今日は"無し"な。」
センター「えええええええ!そんなああああああ!
ネズミのために頑張ったのに!頑張って1位取ったのに!」
ネズミ「は?自分のため、だろ?」
センター「…まあそうとも言うけど(´・ω・`)
私の体操着、もうイヤになっちゃったか?(捨てられた子犬のような目で)」
ネズミ「………あーくそ!しょうがないな。
じゃあもう今日はそのままうちへ来い!」
センター「ネズミー!」(思いっきり抱きしめる)
ネズミ「ちょ!汗臭い!」
センター「あ、ゴメン。ネズミんちでまずシャワー浴びなきゃな。」
ネズミ「う、うん、そうだな(いやまあ汗臭いセンターも好きなんだけどさ)」
センター「ん?どうした?」
ネズミ「い、いや別に。」
センター「じゃあ今夜は私がいっぱいネズミの体力測定してやるからな♪」
ネズミ「そういう変態チックな言い回しはやめろって。」
センター「はははゴメンゴメン(o^∀^o)」
とかなんとか言いながらもこの上なく幸せそうな2人は仲良く手をつないで、
夕闇染まる町をちょっと急ぎ足で帰るのだった。
おわり
645:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 21:02:30.23 Qv9N9aPs0
すみません
この前のネズミのベトナム帰りに続いて
また勢いで書いてしまいました orz
646:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 21:12:46.28 XsczRdN50
ハァハァ( ´Д`)即興で書けるなんて素晴らし過ぎるよ・・・
647:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 22:00:21.78 6g8CpFM+0
>>645
そんなあなたと1位になったセンターにご褒美だお(*^ω^*)
URLリンク(beebee2see.appspot.com)
648:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 22:42:09.71 m2QtZ7o2O
体操服ネズズカワユス(^w^)
ネズズの中の人って極度の運動音痴だけど結構頭良いほうだよね
649:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 23:16:48.61 VEX5e6cwO
>>645
乙です。
当日に体力測定ネタが読めるとは思っていませんでした。
ネズミの体操服なら女でも興奮必至ですね。
650:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 23:36:02.82 FvsSrL/M0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花”
登場人物紹介(第十一話~第二十話)
センター:松井珠理奈(松井珠理奈:SKE48チームS所属)
・・・このお話の主人公。馬路須加女学園(通称:マジ女)の“てっぺん”を前田敦子より引き継ぐ。現在、ラッパッパの部長にして2年。
ネズミ(渡辺麻友:AKB48チームB所属)
・・・このお話のもう一人の主人公。現在、ラッパッパ副部長にして2年。
カムバック(菊地あやか:AKB48チームK所属)
・・・矢場久根商業2年。ハブ4の一人。
チハル(佐藤亜美菜:AKB48チームB所属)
・・・矢場久根商業3年。現在は矢場久根のXXを務めている。
どっち(島田晴香:AKB48チーム4所属)
・・・マジ女2年。チームフォンデュのキャプテン。センターと同じクラス。
サド(篠田麻里子:AKB48チームA所属)
・・・マジ女卒業生。ラッパッパ旧副部長。現在は看護学生。
シブヤ(板野友美:AKB48チームK所属)
・・・マジ女卒業生。ラッパッパ旧四天王の一人、且つ、矢場久根前総長。現在はブランドバッグ・ショップの店員。
651:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 23:39:47.81 FvsSrL/M0
ネズミ&シブヤ
「マ・ジ・す・か・学園」
ダンス
「スピンオフ」
センター&寒ブリ
「真夏に咲く徒花」
ブラック
「このあとすぐ」
652:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 23:46:26.86 FvsSrL/M0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十一話その1
ネズミは、カフェでチャイコフスキーのピアノ協奏曲第二番を聴きながら、
アーモンド・オ・レを啜り、考えを巡らす。
《やはり、今の矢場久根の“てっぺん”のチハルが未だ襲われてないのは、たまたま一人っきりになってないからか・・・。
だとすると、やはりチーム・フォンデュにセンターと一緒に居てもらって正解か。
近隣のヤンキー校、全て調べてみたら全部シロ・・・。
ホント、今回は黒幕が判らない・・・。
松岡女子とかのヤンキー校以外にも探り入れる必要性が在るか・・・》
そんな時だ。
ネズミの目の前に人影が。
653:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 23:48:48.76 FvsSrL/M0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十一話その2
シブヤがゆっくりと椅子に座り、
「待たせたな、ネズミ」
「いえいえ、あっしもさっき着いた処(トコ)っすから・・・。
シブヤさん、今日はあっしが御呼び立てしたんすから、好きなの頼んで下せえ」
ネズミはメニューを差し出した。
シブヤはカフェの店員にタピオカ入りのアイスミルクティーを頼み、ネズミに顔向けると、
「ネズミ、店の売上に協力してくれたのは感謝する。
すまんな。もっとも、あの後、店長にお前との関係を説明するのは、大変だったがな」
ネズミはアーモンド・オ・レをまた一口啜り、
「まぁ、前のマジ女と矢場久根の抗争のワビだと思ってくれりゃあ、いいっすよ。
でも、まさか、シブヤさんが矢場久根辞めて、ブティックの店員をしてるとは思いやせんでしたが」
「あぁ、前田が捕まった以上、アタシが矢場久根にいる意味は無(ね)ぇからな」
「なるほどね。シブヤさんは、目標、いや目的は、あくまで前田・・・」
シブヤはネズミをじっと見ると、
「ネズミぃ、お前、何を嗅ぎ回っている?何が知りたい?」
654:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 23:53:08.55 FvsSrL/M0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十二話その1
ネズミは肩を竦め、
「シブヤさんには隠せやせんね。
もしかすると既にご存知かもしれませんが、
周辺のヤンキー校の“てっぺん”が襲われている一件なんすけどね」
シブヤは、テーブルに運ばれたタピオカ入りアイスミルクティーを飲み、
「あぁ、仲俣が言ってた件か・・・」
興味無さ気に漏らす。
ネズミはシブヤの態度を見て、安心したのか、
「その口ぶりたと、シブヤさんが今回の黒幕では無い様子。安心しやした」
シブヤはネズミを睨み、
「おい、ネズミ。お前、アタシを馬鹿にしてるのか?」
「いえいえ、めっそうも無いっす。
念の為に、裏を取らして頂いただけで・・・。
確かに、シブヤさんには動機が有りやせん。
ただ、さっき、仲俣さんから聞いたって言ってやしたが、
仲俣さんが襲われた後に聞いたって事っすよね?」
「あぁ」
ネズミは真っ直ぐな瞳でシブヤを見て、
「シブヤさん、教えて頂きゃあ貰えませんか?
仲俣さんが何処で襲われたか」
655:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 23:55:29.58 FvsSrL/M0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十二話その2
「あぁ?お前、仲俣を疑ってるのか?」
ダチを疑われたシブヤから、怖い気が放たれる。
ネズミは両手を差し出し、手を広げ否定のポーズを取ると、
「違いやす。違いやす。
あっしも、仲俣さんは疑っちゃあいやせん。けど・・・」
「けど?何だ?」
「仲俣さん、プライドも高いお方なんで、何処で襲われたかは教えてくれなかったんすよ。
ましてや、ステゴロは周辺ヤンキー校じゃ一・二位を争う結束力の高い学校。
木っ端から話が漏れてくる事も有りやせん。
かと言って、もう一度、仲俣さんに何処で襲われたかと聞けるはずも無く・・・」
シブヤは納得したのか、
「ネズミ、何故、仲俣が襲撃された場所にこだわる?
理由を聞かせろ?そしたら、話してやる」
656:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/14 23:59:12.95 FvsSrL/M0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十三話その1
けんけんぱっ。
けんけんぱっ。
夜の渋谷の街でネズミは、シブヤと会話を思い出しながら、
《仲俣が襲われたのは、予備校のトイレか。
なるほど、それなら理解出来る・・・。
ステゴロの兵隊達は馬鹿だから、授業のある予備校の中まで付いてこない・・・》
けんけんぱっ。
けんけんぱっ。
《まあ、他のヤンキー校の“てっぺん”と違い、仲俣があの程度で済んでいるのは、
やはりそれなりに強いからか・・・》
けんけんぱっ。
けんけんぱっ。
《実際、病院送りにされた“てっぺん”も居るしな・・・。
いったい、今回の黒幕は誰だ・・・。
もう少しで敵が見えてきそうなんだが・・・。
後、シブヤから依頼されたダンスの事も気になる・・・》
657:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 00:01:34.66 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十三話その2
けんけんぱっ。
けんけんぱっ。
ふとネズミは目の前の交差点の中に、見慣れない集団と一緒に居るダンスを見付けた。
《ん?あれ?あれはダンス?アイツ、何をやってる?
シブヤの話じゃ、矢場久根辞めて・・・、何か気になるっすね。
ちょいと追いかけてみやすか》
ネズミは目を細めにぃと笑うとパーカーのフードを深く被り直し、ダンス達の集団を追い出した。
途中、集団に次々と女達が合流し、古ぼけた雑居ビルの中に入って行く。
《どうやら、ここがあの集団のアジトのようっすね。
さて、どうするネズミさん?
ビルに忍び込むか?それとも、ダンスが出てくるのを待つか?》
658:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 00:04:28.59 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十四話その1
「センター」
屋上から景色を見ているセンターに声が掛かる。
ネズミかと思い振り返ると、寒ブリが居た。
「何だ、寒ブリか・・・」
少しつまらなさそうにセンターが呟く。
「『何だ、寒ブリか』じゃねえよ。まだ帰らないのか?」
「ああ。もう少しここからの風景を見ていたいんだ」
勿論、景色を見ているのもあるのだが、本当はネズミを待っていたかったのだ。
寒ブリは、そんなセンターの気持ちを察っする事も無く、
「昨日、サドさんと闘(や)ったんだって?」
センターはフッと溜め息を漏らし、
「あぁ、自分の弱点を克服する為に、胸を借りた・・・」
「!!!、胸を借りるのに、ガチでタイマンすんのかよ?」
「じゃないと、自分が強くなれないからな」
寒ブリは肩を竦め、
「その為だけに・・・。
しかし、サドさんと闘(や)って勝っちまうなんて・・・」
659:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 00:07:20.05 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十四話その2
センターはネズミを待つのを諦めたのか、
「今日は寒ブリが俺と帰るのか?」
「へへへ、そうだよ。
どっちが『味噌カツ美味かった』ってほめてたぜ」
「そうか、それは良かった」
センターは寒ブリに背中を向け、少しだけ照れる。
携帯を取り出し、チラリと見て、
《ネズミ、今日は学校に来なかったな・・・》
振り返ると、
「さて、帰るか。今日は途中でスーパーに寄るぞ」
寒ブリは首を傾げ、
「スーパー?」
「あぁ、晩飯の買い物とブラックに会う為に」
センターは静かに答えた。
660:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 00:10:12.59 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十五話その1
「おい、今度はブラックさんと闘(や)るのかよ」
早足で歩くセンターの背中に、寒ブリが声を掛ける。
センターは振り向かずに、
「それは分からない。会ってみて決める」
「会ってみてって・・・」
「それより、寒ブリ。今夜はあんかけスパにするけど、いいか?」
「あんかけスパ!?食った事ねえけど、美味いのか?」
センターは立ち止まると振り向き、
「美味いに決まってるだろ!」
661:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 00:12:27.49 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十五話その2
ブラックは一人息子を背中に抱え、今日もレジ打ちをしていた。
元々人見知りなのと、客と顔を合わせるのが嫌だから、
基本俯いたままでレジ作業をする。
そろそろタイムセールの時間が来るので、客が増えてきだした。
《ストレスの溜まらない客ばっかりだといいんだけど・・・》
そう思っていた矢先、目の前にパスタにウィンナー、玉ねぎ、ピーマン、
そして、片栗粉が入ったカゴが置かれ、
「仕事、何時に終わるんだ?」
「!」
ブラックが顔を上げると、センターが真顔で、
「今日はあんたに話があって来た」
センターの肩越しに寒ブリが顔を出すと、頭を下げ、
「ブラックさん、お久しぶりっす」
ブラックはセンター達を気にせず、次々と食材をレジに通し、
「860円になります」
センターは財布から千円札を出した。
ブラックは千円札を受け取り、換わりにレシートとお釣りを渡しながら、
「後、30分でパートが終わる。屋上の駐車場で待ってろ」
センター達に囁いた。
662:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 00:19:21.77 fytE54Et0
こんばんわ、センネズ板のみなさま。
改めて名乗らせて頂きます。
こころ龍之介と申します。c
まだ規制がかかっているので、某ネカフェより投下させて頂きました。
その1その2となっているのは、文字数制限に引っ掛かってしまいまして・・・。
読みにくくなって申し訳ありません。
また、予想以上の連投になり板汚しをして申し訳ありませんでした。m(__)m
もう暫く(30分程)しましたら、本来の本日分投下いたしますので、
お付き合い頂けましたら、幸いです。
それでは、宜しくお願いします。m(__)m
663:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 00:49:37.38 fytE54Et0
センター、ブラック&寒ブリ
「マジすか学園、スピンオフ!」
ネズミ
「真夏に咲く徒花」
ヲタ、バンジー、ウナギ、アキチャ&ムクチ
「このあとすぐ!!」
664:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 01:08:47.92 Y1NHCUEt0
>>645
GJ! すっころんでおんぶされるネズミさんが可愛すぎ!
>>662
続きたのしみにしてるっす
665:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 01:12:38.68 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十六話その1
暗闇が街を包む頃、ブラックがセンター達の待つスーパーの駐車場にやって来る。
「遅れてすまなかったな、クレーマーの客が来てな」
言葉では謝ってはいるが、表情は冷たい。
「サドから事情は聞いた。
私の所に来たって事は、速さの秘密か・・・」
「分かっているなら話が早い」
センターは構えようとするが、ブラックの背中の子供に気付き、
「止めだ。母親のあんたを殴る訳にはいかない・・・。
あんたの秘密無しでも、私は強くなってみせる」
センターは踵を返して立ち去ろうとするが、ブラックが呼び止め、
「センター、待て。
その・・・、気遣ってくれて・・・、すまない。
代わり、これ持っていけ」
袋に入った何かをセンターに差し出した。
666:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 01:15:35.75 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十六話その2
センターは受け取ると、、
「!!!、これは?」
袋はずしんと重かった。
「片方、5キロ。両方で10キロの鉛が入ったブーツだ。
これを履いて普通に歩ける様になったら、かなりの速さを手に入れる事が出来る。
万が一、走ったりハイキックまで出来る様になれば、神の領域に近付ける。
私の様に・・・」
「ブラック・・・、さん。いいのか?あんたの秘密?」
ブラックは頷き、
「マジ女の“てっぺん”には、優子さんの意思を継いでもっと強くなってもらわないとな・・・。
これはラッパッパOBの総意だ」
「!!!・・・、すいません。これ、頂きます」
センターはブーツを受け取り、頭を下げると暗闇に消えていった。
ブラックは寒ブリをチラリと見て、
「お前はセンターを追い掛けなくていいのか?」
「あっ!」
寒ブリも慌てて頭を下げ、その場から消えようとするが、
「ちょっと待て。センターに伝言を頼む」
ブラックが寒ブリを呼び止めた。
667:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 01:18:54.76 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十七話その1
センターは公園のベンチに座り、袋の中からブーツを取り出すと、
《こんな物を履いていたから、あのスピードが手に入ったのか・・・》
しみじみ眺めてた。
刹那、センターに声が掛かる。
「あれぇ?マジ女の“てっぺん”が、一人で何黄昏れてんですか?」
嫌な気配を持つ黒づくめの集団だ。
「お前ら・・・、この前襲ってきたヤツらだな。
面白い・・・。私と闘(や)るか?」
センターはすっと立ち上がると、ファイティング・ポーズを取る。
リーダー格の一人が、
「はぁ?ウチら十七人、あんた一人。
勝てるとでも思ってんのか!ざけんな、やっちまえ!」
雄叫びと共に、集団がセンターに襲い掛かった。
668:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 01:18:57.26 yO56InJ30
前田が少年院から出てきた
センター「ネズミ~、前田には部長になってもらおうか」
ネズミ「あっしも前田には部長になってほしいっす」
センター「副部長はネズミに任せたぜ!」
ネズミ「いやいや、副部長はセンターっすよ」
センター「じゃ~、二人で一緒にやろうな」
ネズミ「わかったっすよ」
669:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 01:21:20.31 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十七話その2
センターは、最初に殴り掛かってきた女のパンチを左手で受け、
「そんなんじゃ、私は倒せない」
センターは踏み込むと、全身のバネを使い女の鳩尾を思い切りぶん殴った。
声にならない悲鳴を上げ、女は瞬間的に気絶して吹っ飛ぶ。
そのまま後ろにいた他の二人も、巻き添いにして。
集団の動きが止まる。
センターは、にいっと笑い、
「来ないなら、私から行くぞ!オラァ!!」
一人また一人と黒づくめの女達を屠っていく。
センターは手応えを感じていた。
《力が繋がる。無駄の無い動きをすると、こんなに違うモノか。
木っ端なら一撃で瞬殺・・・》
黒づくめの集団に焦りが見え始め、
「おい、こいつ、前の時と違うぞ」
数人がナイフを取り出した。
嫌な鈍い光が瞬いた刹那、センターの目に狂気が宿る。
刺された光景がフラッシュバックして、
《死、死、死、死、死・・・、嫌、嫌、嫌、嫌、嫌・・・、
死ぬのは嫌ーーーっ!》
670:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 01:24:49.44 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十八話その1
「センター、もういい。
もう大丈夫だから、センター。目を醒ませ!」
ネズミに強く抱きしめられ、センターは我に返る。
「はっ・・・、俺は何を・・・?」
「覚えてさえいないのか?」
センターは黙ったまま頷く。
ふと拳に目をやると血に染まっており、周りには血が飛び散っていた。
倒れている者はいない・・・。
どうやら黒づくめの集団は、狂暴化したセンターに手を出しあぐねたのか、
負傷者を連れて消えた様子だ。
センターが不思議そうに、
「ネズミ、どうしてお前がここに?」
「寒ブリから連絡をもらった」
ネズミは冷静に答える。
671:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 01:27:12.14 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十八話その2
ネズミの後ろから心配そうな顔をして寒ブリが顔を出し、申し訳なさそうに、
「センター、大丈夫か?
オレじゃあ力不足で、お前を止めれねえからよ・・・」
「いや、寒ブリの選択は正しい・・・。
実際、今のセンターを止めれるのは、私くらいだろうから・・・」
ネズミが寒ブリを諭した。
センターは、ネズミと寒ブリに少し頭を下げ、
「迷惑かけた・・・。すまん・・・」
ネズミは溜め息を付き、
「だから、あれ程一人っきりになるなと・・・。
まあ、終わった事をあれこれ言っても、仕方が無いか。
で、センター、ブラックとはどうだったんだ?」
センターはベンチの上に置かれたブーツを持って来て、ネズミに差し出し、
「持ってみろ」
ネズミは受け取ると、ブーツの重さに驚き、
「!!!、これは?」
「ああ、それがブラックの速さの秘密だ」
センターが答えた。
話を遮り、寒ブリが、
「センター、ブラックさんからお前宛てに伝言が・・・」
「伝言・・・?何だ?」
「明日、トリゴヤさんと会えって」
「トリゴヤ・・・、と?」
ネズミは納得したのか、
「ははーん、流石はOB連という事か・・・」
672:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 01:30:11.42 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十九話その1
「どういう事だ?ネズミ?」
センターの問い掛けに、ネズミは優しい声で、
「つまり、センター、お前の事をOB連は本気で強化しようとしている。
トリゴヤに会えって事は、メンタル面の補完・・・。
恐らくそれもサドの指示か」
「サドさんが・・・。ブラックさんも言っていた・・・」
「ああ、昨日、サドを倒しただろ?それでサドは悟ったのさ。
センター、お前が求めてるモノが何かを・・・」
センターは少し驚き、
「サドさんと闘(や)った事を知っているのか?」
「センター、私を誰だと思っている。くすっ。
勿論、周辺ヤンキー校には、センターがサドを倒したって情報を早速流しておいたさ。
これでお前を襲ってくる他校の跳ねっ返りは、居なくなるだろ。
後は、あの黒づくめの集団くらいか」
ネズミは、昨日のセンターの激闘を見事に活用していた。
673:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 01:57:12.74 fc2uez2U0
ピクシブに素晴らしい作品が投稿されてる!
速攻保存した!
674:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 02:01:28.04 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第二十九話その2
センターはネズミを見詰め、
《やはり、ネズミの情報管理能力は侮れない。さすがだな・・・》
センターの視線に気付いたネズミが、少し照れ、
「私と違い、センター、お前はマジ女OB連に愛されている。
もっと強くなれ。マジ女が最強である為に・・・。つまり、そういう事だ」
センターは強い意思を固め、
「理解(わか)った。お前が言うなら、そうなんだろう。私はもっと強くなる」
ネズミは目を細め、
《だんだん“てっぺん”らしくなってきたな・・・。それでいい》
刹那、静寂を掻き消す様に、寒ブリの腹が“ぐぅ”と鳴り、
「ゴメン、センター。マジな話の時に、オレ、あまりに腹が減っちまってよ・・・」
センターはクスっと笑い、
「そうだな、帰って晩飯にしよう。ネズミ、お前も来い。
特製のあんかけスパ食べさせてやる」
675:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 02:05:45.81 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第三十話その1
翌日、センターと寒ブリがマジ女に着いたのは、昼を回っていた。
普段なら三十分も掛からず着くのだが、
鉛入りのブーツを履いたセンターの足取りはなかなか進まず、今の時間となったのだ。
センターは教室に鞄を置くと、そのままラッパッパの部室を目指す。
部室のドアを開けると、中は香ばしい匂いがして・・・。
チームホルモンの連中が七輪を囲んでいた。
ヲタがセンターを見るなり、
「センター、サドさんと闘(や)ったんだって?」
「てか、よく闘(や)る気になったな」
ホルモンを頬張りながらバンジーが呟く。
ウナギも箸を進めながら、
「しかも、勝っちまうたぁな」
「サドさん、手を抜いたんじゃね?」
アキチャが疑問を口にすると、センターはチームホルモンを睨みつけ、
「疑うなら、私の腕を試してみるか?」
ファイティング・ポーズを取る。
676:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 02:08:14.97 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花” 第三十話その2
すると、ムクチが黙ったまま首を横に振った。
場を納めようと取り皿に焼きすぎでないホルモンを素早く取り、センターに差し出す。
センターは表情を柔らかくし、取り皿を受け取ると、
「いい匂いだ。遠慮無く食わせてもらう」
そう言って、軽く頭を下げると奥の部長室に入っていった。
取り皿をサイドテーブルに置き、センターは部長専用のソファーに腰を下ろす。
センターはホルモンを一口頬張り、目を閉じた。
《やっと一人になれたか・・・。
ネズミは今日から期末テスト前まで、潜伏すると言ってたな。
寂しい限りだが・・・、仕方ないか・・・。
それにネズミの事だ、何か掴んだら連絡してくるだろう・・・。
しかし・・・、眠い・・・。・・・》
センターは静かに寝息を発てながら、深い眠りに落ちていった。
マジ女吹奏楽部の部長室、センターにとって今一番安全な場所なのかもしれない・・・。
677:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 02:11:47.11 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花”
登場人物紹介(第二十一話~第三十話)その1
センター:松井珠理奈(松井珠理奈:SKE48チームS所属)
・・・このお話の主人公。馬路須加女学園(通称:マジ女)の“てっぺん”を前田敦子より引き継ぐ。現在、ラッパッパの部長にして2年。
ネズミ(渡辺麻友:AKB48チームB所属)
・・・このお話のもう一人の主人公。現在、ラッパッパ副部長にして2年。
シブヤ(板野友美:AKB48チームK所属)
・・・マジ女卒業生。ラッパッパ旧四天王の一人、且つ、矢場久根前総長。現在はブランドバッグ・ショップの店員。
寒ブリ(島崎遥香:AKB48チーム4所属)
・・・チーム・フォンデュの参謀。センターと同じクラス。
ブラック(柏木由紀:AKB48チーB所属)
・・・マジ女卒業生。ラッパッパ旧四天王の一人、現在はスーパーのレジ打ち。
678:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 02:14:25.02 fytE54Et0
マジすか学園・スピンオフ作品“真夏に咲く徒花”
登場人物紹介(第二十一話~第三十話)その2
ヲタ(指原莉乃:AKB48チームA所属)
・・・マジ女3年。チームホルモンのリーダー。
バンジー(仁藤萌乃:AKB48チームK所属)
・・・マジ女3年。チームホルモンのサブリーダー。
ウナギ(北原里英:AKB48チームB所属)
・・・マジ女3年。チームホルモンの特攻隊長。
アキチャ(高城亜樹:AKB48チームA所属)
・・・マジ女3年。チームホルモンの会計監査。
ムクチ(小森美果:AKB48チームB所属)
・・・マジ女3年。チームホルモンのメンバー。
679:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 02:16:51.08 fytE54Et0
長々とお付き合いありがとうございました。m(__)m
それでは失礼します。
680:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 02:26:26.32 v9NqnMZ2P
>>679
乙です
続き待ってますね
681:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 11:40:22.09 0JsqyUFm0
センター「ネズミ不足だっ!!!」
682:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 14:02:34.40 agxVOvzA0
>>681
(*`ω´)つ先週のフライデー
683:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 20:01:44.68 bMexJpwO0
「その彼女が指す風景」
いつもと変わらない騒がしい教室のはず。だが、その日の朝の教室の風景は、いつもとどこ
かが違っていた。
ああそうだ、今日はセンターが居るんだ。
センターは普段、朝はギリギリまで教室には姿を見せない。たとえ鞄が机の上に置かれてい
たとしても。
この朝のセンターは窓に近い自分の席で、肘をついて静かに文庫を読んでいた。だがちょっ
と見てるだけで、たいして真剣に読んでないことが判る。ページを親指でぺらぺら捲ったり
本を閉じたり開いたり。視線はどこかを彷徨って、ぼんやりしているようにも見える。
「寒ブリ、何見てるんだ? あぁセンターか。めずらしいな、今の時間教室にいるなんて」
どっちが声をかけてきた。
「そういやぁ、今日はネズミが休みみてぇだからな。センターもやっぱ「寂しぃ」ってとこな
んだろ」
続けて話しに入ってきたのはツリ。レモンが「そりゃあきっと鬼が隠れるってヤツだな」な
ど分らないことを舌足らず喋るのに、年増が「鬼って何だよ?まだ病気かどうかもわからね
えんだ」とツッコんでるのが聞こえたが、俺にはまるで耳に入ってこなかった。
今日最初の授業が始まった。いつもたいして、いやほとんど真面目に受けることはないのだ
が、今日はいつも以上だ。
ネズミがいないという今日、ずっと心の奥に消えなかった疑問をセンターに尋ねることが出
来る、千載一遇のチャンスのように思えたのだ。
センターの方をチラ見する。センターは教科書も机に出さず、さっきと変わらず本を弄んで
いたが、ふと、何か思いついたように携帯をポケットから取り出した。だがメールを打ち始
めるでもなく、両手で包むようにそれを手にしている。
休み時間、センターが机に突っ伏しているのを確認すると、急いでネズミのクラスに行って
みた。ダチという程のヤツはいないが、顔見知り程度はいくらでも居る。そいつらに聞いて
みると、やはり今朝から誰も顔を見ていないらしい。ただその数人全員が「普段から教室に
居ねぇ方が多いくらいだけどな」と口にしていたが。
684:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/15 20:05:27.37 bMexJpwO0
二時間目が始まっても、センターの様子は変わらず突っ伏して寝たままだった。
ついさっき、センターに疑問をぶつける絶好のチャンスだなとど思ったはずなのだが、だん
だん不安になってきた。
その疑問は確かにずっと頭にあるのだが、誰かにきちんと話してみたこともなく、頭の中で
さえも言葉に出来るほど整理出来ている自信がない。それに何より、どう考えてもセンター
が簡単に答えてくれるような問いだとは思えないのだ。
二時間目終了のベルが鳴った。センターはふらりと立ち上がると教室の後ろのドアから出て
いった。俺は前の時間中ずっと迷っていたはずだったが、弾けるように立ち上がって、気が
つけばセンターを追いかけていた。
「センター、ちょっといいか?」
「寒ブリか、さっきからお前、こっちを見てただろ。なんか用なのか?」
センターはにこりともしない。威圧感を感じ、機嫌はいつも以上に良くない気がする。
「あ、あのさ、センターとちょっと話したいんだ」
「俺と?いったい何の話だ」
さてここで、こんな普段の倍増しに無愛想なセンターを前に、俺が「ネズミとのことなんだ
けど・・・・」と切り出して果たして話に乗ってくれるものか、既に俺の頭の中は火花が散
って口がカラカラに乾いていたが、とにかく考えてみた。
こちらが持ってる札はたった一枚しかない。だが決して悪い札ではないはず。
「センターに、ネズミのことで聞きたいことがあるんだけど」
センターの目に鋭さが増した。
「ネズミになんか文句があるのか?」
「いや、そうじゃない。そうじゃないがちょっと話したい、ただ聞きたいだけなんだ」
「お前に話すことは何もない」
センターは背中を向けた。
「・・・センターとネズミの二人がヤバクネの連中に倉庫でやられてた時、マッポが来たって
叫んでヤツらを追い払ったのは俺だよ。センター知ってんだろ?少し話を聞いてくれてもいい
じゃねえか」
センターは答えなかった。そして黙って廊下の先を顎で示した。
「屋上か、センター?」
「いや、校庭だ」