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一部抜粋
野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の将来に暗雲が垂れ込み始めた。米国メジャーリーグ(MLB)で活躍した日本人メジャーリーガーの多くが、2013年3月のWBCへの出場を辞退したからだ。
移籍先を探している選手たちも出場を辞退するだろう。また、海外フリーエージェント権を行使してMLB入りを目指す選手たちも、MLB入りの可否にかかわらず参加を見送るだろう。
韓国では、早くもクリーブランド・インディアンスに所属する秋信守外野手が出場辞退を表明した。
「来季に備える」ことが不参加の理由だが、WBCと各国プロリーグとの間に選手解放のルールが確立されていない現状では、選手たちの判断に抗することはできない。
たぶん、MLBの一流選手の多くが同様の理由でWBCに参加しないだろう。選手たちはまた、チームの中心選手をWBCに出すことを躊躇する球団オーナーの意向も配慮するに違いない。
WBCは国際野球連盟が公認する世界一を競う国際大会だが、サッカーのワールドカップ(W杯)とは似て非なるものになってしまいそうだ。
野球ファンもその点をすでに認知し始めたようで、山本浩二代表監督が初めて指揮を執る日本代表対キューバ代表との国際試合、「侍ジャパンマッチ2012」では空席が目立った。
一流選手がきら星のごとく集まって真の世界一を決める大会とは言い難くなれば、第3回となる今回はまだしも、第4回以降のWBC存続が心配にならざるを得ない。
オリンピックもそうだったが、野球の場合、世界一を争う国際大会は常にMLBの選手たちの出場可否に左右される。MLBの選手たちが無条件で参加すれば名実ともにその大会は世界の頂点を目指すものになるが、残念なことに、そうならないのだ。
>>2以降につづく
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