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映画にも描かれて話題となった歴史的悲劇、タイタニック号の沈没。
2012年4月、その事故から100年を迎えます。
「タイタニック沈没」については未だ謎が多いことが知られていますが、
実はこの乗客の中にたった一人の日本人がいたこと、
そして彼が事故後、生涯いわれのない"濡れ衣"を着せられてきたことをご存知でしょうか。
『新装版タイタニック号99の謎』(二見文庫)では、その"濡れ衣"について詳細に語られています。
唯一の日本人客とは、当時官僚だった細野正文氏。
彼は数少ない男性客の生存者でしたが、そのために"卑怯な日本人"といわれ続けました。
というのは、他の乗客から数々の証言があったためです。
当時救命ボートに乗るのは女性・子供が優先と叫ばれていたにも関わらず
「ボートに乗り込むと、そこにこっそり男性客が乗り込んできた。日本人だった」
との証言があったのです。
さらに13号ボートに乗っていたイギリス人のビーズリーは
「日本人が、無理やりボートに乗り込んですきた」
とも話しています。
これにより細野氏はその後日本でも卑怯者とされ、免職処分まで受けます。
ですが彼の死後、発見された手記によって次のような新事実が明らかになりました。
次々と降ろされていく救命ボートを、半ば諦めて見つめていた細野氏。
最後のボートが降ろされつつある中、乗組員が英語で叫びます。
「あとふたり!」その声でまず一人の男性客がボートに飛び込みました。
もう妻や子供にも会えないかと絶望していた細野氏は、それを見て
「短銃に打たるる覚悟にて」ボートに飛び込んだと記しています。
この手記からすると「ボートにこっそり」日本人が乗ってきた、という証言は当てはまりません。
また、その後の調査で細野氏が乗り込んだのが10号ボートであったことも判明したため、
13号ボートに乗っていたビーズリーの言葉とも異なります。
現在、この証言の日本人は中国人であったのではないか、
というのが研究者たちの一致した見解だと言います。
当時はこうしたデマによる濡れ衣が多数あったといいます。
また書籍では映画に描かれなかったタイタニックのさまざまな事実も語られています。
100年の時を経てもなお、タイタニックからは新たな発見がありそうです。
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"卑怯者の息子"と陰口を叩かれた少年の心は痛く傷つき、あのような不良となってしまうのでありましたw